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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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14-⑵

 その年のクリスマス、炭焼きローストビーフとスペアリブは、去年も好評だったので、今年もメニューに加えた。そして、舞依ちゃんの提案で、500g位のミートローフで周りをヒイラギとかで飾り、小さな花火を立てて提供して、お客様に切り分けていただくといった少し趣向を凝らしたものも用意していた。

 そして、明璃ちゃんが「みんなでサンタさんの恰好にしようよ」と、言ってきたが、みんなは、恥ずかしいと言って反対していた。結局、明璃ちゃんがひとり、その恰好をして、子供さんにプレゼントを配るということになったが、せめて、女の子だけサンタ帽で対応すると言うことに落ち着いたのだ。

 清音はまだ少し、小さいんだけどと、辛み大根を持ち込んできて、晋さんに見てもらって、ローストビーフの付け合わせに使うと言ってもらっていた。そして、農園を借りている人が作った野菜も持ち込んで、ちゃっかり売り込んでいたのだ。

「お姉ちゃん あのね 頼みあんだけど・・」

「なぁに・・ 珍しいこと、言うねー」

「あの、前の待合所にしていた所 うちの農園している人に、貸してくれないかなぁー クリスマス期間の3日間だけでいいのよー」

「なんなのー じゃぁ 野菜売るの―?」

「そう 出来た野菜 余している人が多いのよ だから、安くても良いからって」

「うーん お客様 買うかなぁー でも、どうせ、清音のことだから、もう、借りるてみんなに行ってしまったんでシヨ 売れなくても、知らないからね」

「ありがとう お姉ちゃん みんな喜ぶと思う」

 私は、清音が張り切って働いているから、少しでも力になれるんならと、思っていた。私も、そうやって色んな人に助けてもらって来たから・・。

 その話を何処から聞いたのか。ウチでお願いしているパン屋さんが訪ねてきて

「お店の前の所で野菜を売るという話を聞いたんですが、その時、ウチもパンとかケーキを売らせてもらえないですかね」

「あのー 素人の人が作った野菜ですよ 売れるかどうかも、どうなるのかも・・」

「いいんです 野菜だけよりも、賑やかになるじゃぁ無いですか」

「でも お宅には、プレゼント用のフィナンシェもお願いしているし、作る方、大丈夫ですか 去年より、バケットも出ますよ」

「もちろん そっちも、ちゃんと納めさしてもらいます。学校給食が止まるんで、余裕あるんですよ」

「ウチは構いませんけど、私 そっちは、タッチしてないんで、妹と打ち合わせしていただけますか」

 そして、5日前と3日前に「ナカミチ」のクリスマスフェアのチラシを新聞に折り込みで入れていたのだが、3日前、新聞を見ていたら、驚いた。お店の前でやる出店の宣伝のチラシも入っているのだった。農園の野菜と、パン屋さん、お煎餅屋さんが割れとかのお徳用を販売するといった内容だった。そして、下半分には、堤工務店の家屋、塀とかの補修をお手軽にお手伝いしますと言った内容の広告。

「清音 なによー あのチラシ 堤さんまで巻き込んで・・」

「えへー チラシのスポンサーなんだ パン屋さんとお煎餅屋さんにも、出してもらったし 宣伝しなきゃぁね だって、お姉ちゃんのとこも、少しは、お客さん増えるかなって思ったんだ」

「ウチは そんなつもりで・・使ってもいいよって言ったんじゃぁー 知らないよ こんな大袈裟なことになって・・」

「うん お姉ちゃんに 迷惑かけないって 明璃にも、相談したんだ あいつ、サンタさんになるんだってー? 表にも、出れたら、応援するからって・・ だから、ウチもサンタの恰好するんだー 又、ふたりで歌しようかなー」

「好きなように して・・ くれぐれも、お店に迷惑かけちゃぁだめよ ウチの食事が楽しみで来て下さる人も居るんだからね」と、言いながら、私は、清音が生き生きしているようで、嬉しかったのだ。
  
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