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ハッピークローバー

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第七話 テストの結果はその十二

「やっぱり」
「何よそれ」
「シリーズもので一回何話か連載して」
「毎週とか毎月じゃなくて」
「春とか夏に集中連載やる形式で」
 そうした連載の仕方の漫画だったというのだ。
「あるお話じゃ宇宙人で」
「あるお話だと戦争なの」
「一つ一つのお話が矛盾していても」
 それでもというのだ。
「全然気にしないでね」
「連載していてね」
 それでというのだ。
「一九九九年七月はそうなってたの」
「そうなの」
「人類が何度も滅亡する様な」
 宇宙人だの戦争だのでだ。
「もうね」
「滅茶苦茶だったのね」
「お話の一つ一つが矛盾していても平気で」
「作品として致命的な欠陥ね」
「それすらも無視していて」
 そうした作品でというのだ。
「主人公が断言したら」
「それがどんな無茶でも」
「もうドアップで絶叫して」
 そしてというのだ。
「その断言が通るのよ」
「どんな無茶なものでも」
「そうなる漫画だったの」
「どうせあれでしょ」
 留奈はここまで聞いてこう言った。
「主人公の断言がもう絶対でしょ」
「そう、箸が転がっても人類滅亡って絶叫しても」
 その漫画の中でというのだ、実はこうした漫画が普通に連載されていて読まれていたのである。主人公がどんな異常なことを喚いても通る作品が。
「それがね」
「通ったの」
「人類滅亡が」
「またこの主人公が凄くてね」
 富美子は右の人差し指を立てて話した。
「実際に箸が転がってもね」
「人類滅亡だったの」
「そんな感じでいつも大ゴマで絶叫してたの」
「その主人公覚醒剤やってたの?」
 かな恵は富美子にかなり真顔で尋ねた。
「それか電波受信してたの?」
「それ同じでしょ」
 富美子はかな恵にこう返した。
「覚醒剤も電波も」
「覚醒剤打ってると電波受信するのよね」
「それで喚いて暴れるのよね」
「そうだっていうから」
「同じね」
「そうよね」
「実際その主人公覚醒剤やってる様な」
 まさにとだ、富美子は話した。
「異常なハイテンションなのよ」
「覚醒剤やってる様な」
「そうしてね」
 それでというのだ。
「何が何でも人類滅亡ってね」
「喚くの」
「何を見ても何があっても最後はね」
「人類滅亡なの」
「そう絶叫するのよ」
「リアルでいたら精神病院間違いなしね」
 一華も流石に呆れていた。
「そんな人は」
「そうよね」
 富美子も否定しなかった。 
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