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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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第十四章
  14-⑴

 10月になって、新生「ナカミチ」として、新しいメンバーを加えて、出発した。星田さんが、8時から来てくれることになったので、佳乃ちゃんを晋さんに付かせて、調理場を主として、忙しい時は、ホールにも回ってもらうようにした。料理人になると言う本人の希望に沿ったものだった。

 私は、舞依ちゃんを呼んで

「今度は、星田さんを指導する訳だけどね。あのね、この店をオープンした時、舞依ちゃんが面接したのは、私の親友の光瑠だったの。何人か面接にきた中で、絶対に舞依ちゃんが良いって言って居たの。経験が無いんだけど、機転の利いて頭の良い子だから、直ぐに慣れるし、あの子ヤルわよって。確かに、直ぐに戦力になつて、私も頼りにしているわ。だけど、星田さんは年上だし、シャルダンでの経験もあるし、プライドもあるかも知れないわ。だから、このことは、考えて話してあげてね」

「わかりました。でも、私 直ぐに口に出しちゃうからなぁー」

「言ってもいいのよ でも、フォローが大切でしょ あなたが、お客様に接しているような でもね、舞依ちゃんは、確かに出来る子よ 他の人も同じように、出来るかというと そんなことないの そこを考えてね」

「ハイ! 店長の言うことには、逆らえないですよー それにね、光瑠さんに面接してもらったの覚えています。前の会社で挫折していた私を、このお店に入った時も色々と後押ししてくれて・・だから、頑張って来れた。店長のお話、頭に入れておきます」

 その日、蒼が帰ってきた時

「友野さんがね 妊娠したらしいんだよ それでね、後を僕がやることになったんだよ」

「そうなん 愛さんの方が、先輩なんでしよう?」

「うん でもね 僕の方が歳上だしね 一応、男と女ってこともあるんじゃぁないかな」

「そうなん 女って、よっぽど頑張んないとダメだね でも、蒼、頑張ってね」

「まあな 今まで、以上にな あのさー、うちも、そろそろ考えないとな―」

「うー なんのこと?」と、私は、ベービーのことだとわかったが、とぼけた。

「赤ちゃんのことだよ そろそろ 早い方がいいだろう?」

「うーん もう、少し、待って お店が落ち着いて・・ 来年ぐらいネ」

「美鈴の子供って 可愛いんだろうなって」

「バカね ふたりの子供なんだよ」
 
 
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