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星河の覇皇

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第七十九部第三章 不測の事態その四十三

「そうしてです」
「七十年で追いついてくる」
「ですから」
「対策を講じておくのですね」
「そう考えています、あらゆるものをコンピューターからです」
 これを使ってというのだ。
「連合内部だけのブラックボックスにする」
「中身を調べてもわからない様にする」
「そうです、マウリアやサハラでは」
「マハラジャタウンに入っても」
「マウリア人のテリトリーに入っても」
 連合の中に住んでいる彼等のというのだ。
「全てを防ぐことは困難でも」
「出来るだけ多くですね」
「防いでいきたいです」
 これが八条の考えだった。
「私としては」
「ゴミ捨て場にある様なものも」
「その場所を警察官のパトロール区域にすれば」
「それで、ですか」
「それだけでマウリアからの工作員も来ることが減りますし」
「普通の場所にあるならコンピューターからですか」
「ブラックボックス化し。あとゴミは出来るだけ」
 例え出されるものがどれだけ連合から見てローテクでもというのだ、実際にゴミ捨て場からその国が手に入れたい技術を得ることもあるのだ。
「迅速に回収することも」
「連合市民の中で」
「重要ですね」
「連合の中で回すのですか」
「そうしたこともです」
「検討されていますが」
「あくまで検討の段階ですが」
 こうは言ってもだった。
「ですが今のマウリアが用心すべき相手であることはです」
「変わらないことですね」
「そうです、ジャバル副主席は」
「明らかにこれまでのマウリアの政治家とは違うからですね」
「執念、いえ怨念を感じます」
 そこまでのものとをいうのだ。
「あの方からは」
「アウトカースト層故のですね」
「はい、まさに」
「被差別階級から権力を得てですね」
「さらなる上を目指す」
「そうした怨念ですか」
「よく権力を求める人はいます」 
 これはどの国でも同じだ、権力志向という言葉があるが権力というものが魅力あるものであることは紛れもない事実だ。
「ですがあの方は違います」
「権力を求めてもですね」
「さらなる上を求めている」
「そうした方ですね」
「そうです、マウリアをアウトカースト層が普通に暮らせる社会にし」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「さらなるものを得る」
「マウリアも発展させますが」
「アウトカースト層がその中心にいる」
「言うなら合法的な革命です」
 八条はこうまで言った。
「民主選挙で勝ち取り民主的にことを進める」
「階級闘争であり」
「そして革命です」
「そうした革命がマウリアで行われていますか」
「私はそう見ています」
 その様にというのだ。 
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