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オズのラゲドー氏

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第六幕その二

「過去は今に生かすもので」
「大事なのは何かといいますと」
「やっぱり今ですね」
「過去はもう過ぎたことで」
「今がどうか」
「それが一番大事ですね」
「そうだからね」
 それでというのです。
「私もご夫婦に会うことが楽しみよ」
「それを言ったらこの人なんてどうなるか」
 ビリーナは前ノーム王を見つつ五人に言いました。
「そうでしょ」
「あっ、確かに」
「そう言われるとそうだね」
「この人の過去はね」
「何度もオズの国に悪いことをしようとしたから」
「ご夫婦よりも遥かに」
「だからね」
 それでというのです。
「過去は参考にするけれど」
「大事なのはあくまで今で」
「今をどうしていくか」
「そうしたものだから」
「ご夫婦のところに行っても」
「問題はないのね」
「一切ね。このまま行って」
 そうしてというのです。
「お会いしましょう」
「わしはお二人のことは聞いていたけれど」
 お話に出た前ノーム王も言ってきました。
「しかしね」
「会ったことはないのね」
「そうだよ」
 こうビリーナに答えました。
「だから一体どんな人達か」
「お会いして」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「この目で確かめたいよ」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのです。
「早くお二人のお家に行きたいね」
「お城に」
「そうしたいよ、それじゃあ」
「このまま進んでいきましょう」
 こうしたお話をしてでした。
 皆は森の中の黄色い煉瓦の道を進んでいってそうして岩山の中にあるお城に着きました。するとです。
 樵の恰好をした十メートル以上の大きさの巨人の男の人、顔中ダークブラウンの濃い髭の男の人が出て来ました、するとその人は驚いて言いました。
「まさかあんたは」
「あんたっていうと?」
「そちらのノームの旦那だよ」
 ビリーナに前ノーム王を見ながらお話しました。
「ラゲドーさん、前のノームの王様じゃないか」
「如何にも。前の名前はロークワットといったよ」
 前ノーム王が直接答えました。
「わしはな」
「やはりそうか」
「旅に出ていてね」
 前ノーム王は巨人の男の人を見上げてお話しました。
「プレーリードッグの街にいたら」
「そこでかい」
「この人達に会ったんだ」
 トロット達を見ながらお話します。
「そしてだよ」
「そのうえでだね」
「この人達と一緒に旅行をしているんだよ」
「そうなんだね」
「イッソスの国に行って」
 このこともお話するのでした。 
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