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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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9-⑹

 僕は、土曜の夕方、光瑠を誘い出していた。美鈴の妹の情報を聞こうと思ったからだ。

「明璃ちやんから、お姉ちゃんがいろいろ知っているみたいって、聞いたもんだから」

「そう あんまり、良いお知らせじゃぁないんだ。いいかなー。友達に頼んで一緒に行ってもらったのよ。清音ちゃんの勤めているとこに・・。確かに、居たわ。でも、何だか苗字が小野って言うようなのよ。それにね、程度悪いような男がバイクで訪ねてきてね、何だかお金せびっていたみたい。それでね、私達、その男の後をつけたの、でも、見失ってね。競輪場辺りだったから、探したわ。競輪場。見つけたのよ、探しまくったけど」

「光瑠 刑事みたいだな」

「やめてよ 私達、疑わしいのは、調べろって言われているからね」

「うん 張り込みかー」

「あのなー ちゃかすんだったら、話さないけどー」

「すまん ついな」

「ずーと 張っていたわよ それでね 最終レース辺りで、当てたみたいでね 仲間に飲みに行くぞってはしゃいでいたの 私達、馬鹿みたいに、後付いて行ったのよ 居酒屋でさー 言っていること聞いて、ショックだったのよ これって、話したくないけど・・」

「何だよー 何なんだよー 話せよ」

「飲んで、盛り上がっている時にね 男の仲間が [キヨにも金渡さなくていいのかよー] って言ったらさー その男 [いいんだよ あいつは、夜、可愛がってやるから、それでヒィヒィ言って喜ぶんだから] って言ってたのよ」

「そうか そうなんだー ひどいなー」

「それにね [あいつは、男を渡り歩いているから、あっちのほううまいんだぜ 今の仕事より、ガールズバーにでも、行けって言ってんだけどな 金になるから] って 私 涙、出て来たわよ」

「うーん そんなに 乱れているのか―」

「そんなの 美鈴に言えると思う? 残酷でしょ? 私 蒼にもこんなこと話したくなかった でも、ひとりで抱え込むのも辛かったのよ」

「わかった 光瑠 そこまで、調べてくれて有難う 美鈴は、今、清音ちゃんのこと、消息をしりたいと思っているんだと思う 僕は、美鈴と何でも話し合っていきたいんだ 何でも共有しなきゃいけないんだ だから、事実を話す その子が清音ちゃんでないことも祈るが・・ 実はな この前 美鈴に結婚申し込んだんだ」

「あらっ そう やっとと言うか 良かったね 喜んだでしょ 美鈴」

「うん 受けてくれた」

「当たり前じゃぁないの あなた達 結ばれていたんだから 美鈴を幸せにしてあげてよ」

「わかっているって 光瑠 羨ましがるなよー」

「なによー それ 私は 私なりにね」
 


 
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