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ハッピークローバー

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第三話 中間テストその十二

「麻薬って」
「覚醒剤なんて一度使ったら一週間寝ないで動けるそうよ」 
 かな恵はいつものおっとりとした口調で話した、目も穏やかな感じで光もである。きつい感じは全くない。
「つまりね」
「三日徹夜でも後でくるのに」
「一週間なんてね」
「それだけで身体に滅茶苦茶悪いわね」
「それでそこまでさせるなんて」
 それならというのだ。
「もうね」
「どれだけ身体に悪いかね」
「言うまでもないわよね」
「そんなの使ってたら」
「長生き出来ないよ」
 これは確実だというのだ。
「だからさっきお話した人なんて」
「長生き出来ないわね」
「重度の糖尿病だっていうし」 
 このこともあってというのだ。
「あの人はね」
「長生き出来ないわね」
「そうだと思うわ」
「やっぱりそうよね」
「糖尿病も危ないけれど」
 それも重度となると尚更だ。
「覚醒剤をいつもずっと使ってたっていうから」
「長くないわね」
「本当に身体ボロボロになってるから」
 このことは確実だからだというのだ。
「長くないわよ」
「覚醒剤のこともあって」
「他の麻薬もね」
「身体に悪いわね」
「だからね、私もしないわ」
「したら犯罪だしね」
「合法になっても」 
 例えそうなってもというのだ。
「私はしないわ」
「お酒は飲んでもなのね」
「うん、煙草も吸わないし」
 こちらもしないというのだ。
「シンナーもね」
「しないのね」
「あくまでお酒だけよ」
 かな恵の場合はというのだ。
「お母さんは二十歳になったら煙草はいいって言ってるけれど」
「しないのね」
「そうするわ」
「まあね、煙草も相当身体に悪いしね」
 一華もこのことを知っていて頷いた。
「火事にもなるし歩き煙草なんてね」
「危ないよね」
「下に持ってて」
 火の点いた煙草をだ。
「歩いていて擦れ違った子供の顔に当たったら」
「目とかね」
「子供が大怪我するわね」
「それで失明なんてしたら」
「一生終わりね」
「煙草一本でね」
 そうなるというのだ。
「そうもなるしね」
「あんた煙草は吸わないのね」
「そうするわ」
「煙草よりこれでしょ」
 富美子はここで笑って飴玉を出して言った。
「これしゃぶってる方がいいでしょ」
「飴ね」
「私達神戸だけれど」
 にひひという感じで笑ってだ、富美子は一華達に話した。その顔は実に悪戯っぽくかつ子供っぽいものだった。 
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