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星河の覇皇

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第七十九部第二章 観戦武官達の動きその四十六

「しかしな」
「それでもですね」
「入隊課程で階級も変わりますね」
「かなりな、サハラでは一兵士から提督になることもあった」
 国家元首になった者すらいる。
「だがな」
「それはですね」
「サハラだからですね」
「また別ですね」
「あの国は」
「戦乱の国だからな、しかし連合は違う」
 自分達のこの国はというのだ。
「戦争がない、つまり武勲はない」
「賊の征伐があろうとも」
「確かに戦争はないですね」
「それならですね」
「何で昇進するかとなりますと」
「課程とだ」
 入隊のそれである。
「その課程での席次、そして勤務態度だ」
「そういったもので評価されてですね」
「昇進していきますね」
「そこで特に重要なのがだ」
 それこそがというのだ。
「課程ですね」
「入隊する際の」
「どうしてもそうなる」
 必然的にというのだ。
「判断基準がそれしかないのだからな」
「戦争がない国の軍隊では」
「それが昇進の基準ですか」
「年功序列とな」
 これと併せてというのだ。
「階級がない国ならばな」
「だからですね」
「連合の軍隊では入隊の課程が問題になるのですね」
「必然的にそうなる」
「そういうことですね」
「階級がなくともですか」
「貴族も平民もないが」
 それでもと言う艦長だった。
「課程はあるな」
「中央政府軍も各国軍も」
 通信士は考える顔になって述べた。
「そこは不平等ではなく」
「元々そうしたコースだからな」
「士官学校にしても」
 通信士は自分が出た課程のことを述べた。
「そうですね」
「そうだ、君は士官学校を出たがだ」
「将来は将官ですね」
「それになるコースだ、しかしだ」
 それでもとだ、艦長は通信士にさらに話した。
「これは結局だ、連合ならだ」
「誰でもなれますね」
「連合では本人の選択と努力次第でだ」
 軍に入った場合でもというのだ。
「将官になれれば兵士にもな」
「どちらにもなれますね」
「エウロパは決まっている」
 その階級によってだ。
「貴族は絶対に兵士にはなれない」
「下士官にもですね」
 日本軍の若い下士官が言ってきた。
「左様ですね」
「そうだ、貴族は何があってもだ」
「下士官になることはないですね」
「必ず士官からはじまる」
 このことはエウロパの憲法でも明記されている、貴族ならばそれに相応しい地位に就かなくてはならないとだ。 
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