| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章 青年期
  第百二話

 
前書き
ナミとゴジの初邂逅がこんな話で申し訳ない限りですが、後悔はありません。 

 
 ゴジはつるの背中に湯を掛けて泡を落とす。


「分かった。明後日にコブラ王達をマリージョアまで送った後でイスカさんと合流してそのまま魚人島に行くよ。ほら、婆さん洗い終わったぜ。」

「ありがとう。交替だよ、ゴジ向こうを向きな。明日ジンベエにはあたしから連絡しとくよ。イスカの連れて帰ってきた見習い海兵も一緒に連れてってあげてくれないかい?」

 
 ゴジは座る方向を180度変えて、つるに背中を向けると、彼女はウォシュウォシュの実の能力で泡を作り出してゴジの背中を洗っていく。


「見習い?」

「ほんとにゴジ中将が女風呂に来たわ。しかも何故か馴染んでる.......あははっ.......。」


 ゴジは体にタオルを巻き、自分に話しかけて来た初めて会うオレンジ色の髪を持つスタイルの良い美少女の顔を見て悟る。


「ん?もしかして君がイスカさんが連れてきた見習いの子かな?すっごい美人だね。君の名前は?」

「あたしはナミ。ゴジ中将があたしの故郷を救う為にレイジュさんにアーロンのことを知らせてくれたんでしょ?ほんとうにありがとう!!」


 つるはナミにゴジに会って頼み事をしたいなら、女風呂で待って色仕掛けをすれば大丈夫だと作戦を授けていた。

 ナミはまさかとは思いながらも長めに女風呂に入って待っていただが、悪びれもせずに実際に堂々と現れてつると背中を流し合っているゴジを見て言葉を失い呆けていたが、ゴジに話し掛けられて礼を言いながら慌てて頭を下げた。


「そうか。君はコノミ諸島の娘だったか.......ネズミの事は聞いた。こちらの不手際で助けが遅れて本当に申し訳なかった。」


 ゴジはアーロンの名前を聞いてナミがコノミ諸島の人間と分かり、かつてアーロンに買収された東の海(イーストブルー)第16支部のネズミ元大佐の名前を挙げて深く頭を下げた。

 ナミはゴジが頭を下げている事に気付いて、イスカにも頭を下げられた事を思い出して苦笑する。


「ゴジ中将、頭を上げて。あなたがアーロン達から隠されてた私達を見つけてくれたから、イスカさんやレイジュさん、ソラさんと会えて私はこうして今ここにいるの。ありがとう!!」

「そうか.......ん?ちょっと待ってよ。ナミちゃん!!今、ソラって言わなかったか!!?」


 ゴジはナミの声を聞いて顔を上げたが、ナミの言葉の中に母の名前を聞いて動揺し慌てて身を乗り出してナミの両肩を掴む。


「ちょ.......どうしたの!?ソラさん、ゴジ中将のお母さんって言ってたわよ。」

「やっぱり母さんなのか!?一体何してんだよ。ナミちゃん、俺の母さんに怪我はなかったか?」

「あはははっ!うん、なかったわよ。かーくんに乗って魚人達を倒してたのはカッコよかったわ。」


 ナミは心底安堵した顔で自分から離れたゴジを見て笑いが堪え切れない。


「そうか.......よかった。ナミちゃんはなんで笑ってんだ?」

「あはははっ!ソラさんに過保護だってことは聞いてたけどあの“黒麒麟”がこんなに取り乱すなんて.......あはははっ!!」


 雲の上の存在と思っていたゴジが母親のことで取り乱す姿を見てナミは家族に過保護にされると頬を膨らませていたソラの顔を思い出してお腹を抱えて笑いだした。


「「「くすくす.......。」」」


 それを見ていた周りの海兵達も笑いを堪えており、恥ずかしさでゴジの顔が赤くなる。


「まぁ.......萎縮されるよりはいいか。ナミちゃんも知っての通り魚人の中には俺達に対する差別意識を持つ者も多い。見たところ君は戦闘の方は不得手みたいだが、危険な場所に行くのに大丈夫かい?」


 ゴジは生死に関わる任務に同行したいという彼女の意思を確認するため、真剣な表情に戻ってナミの目を見据えながら、彼女の意思を確認する。

 ナミは自分の内面を見透かそうとするようなゴジの目をしっかりと見返しながら言葉を紡ぐ。


「あたしはアーロンに支配されていたコノミ諸島の人間なの。だから魚人が怖い事は誰よりも知ってるけど、あたしはなんでアーロンが人間をあれほど憎んでいたのか。どんな思いで東の海(イーストブルー)にアーロンを放ったのか直接聞いてみたいの!」

「分かった。明後日の昼に魚人島に行くから準備しといてくれ。」

「連れてってくれるの?」


 ナミは喜びを表すようにその場で飛び上がった瞬間、ゴジに体を揺らさた際に身体に巻いたタオルが緩んでいたようで、突如タオルがはだけて床にずり落ちた。


「おぉ!うんうん。これからますます育っていくのが楽しみだよ♪」

「いつまで見てんのよ!!」


 ゴジはタオルが落ちた瞬間に鼻の下を伸ばして体を屈めて、ナミの胸をガン見しながら感想を述べると、ナミはゴジの後頭部に向けてゲンコツを振り下ろした。


「あははっ!当たんないよ。」


 完全な死角からの不意打ちの攻撃ですら、ゴジには当たらない。


「避けんな!!」

「ナミちゃん、ここは風呂場なんだから裸でも気にするんなって♪ほい、落し物だよ。出発は明後日の昼だから遅れないようにね。」


 ゴジはナミの拳をヒラリと避けながら、落ちたタオルをナミの肩に優しく掛けて連絡事項を告げてその場を離れた。


「なんなの!?あの態度、信じらんないわ!?」

「ナミちゃん、あのままゴジちゃんの頭にゲンコツを振り下ろした場合、あんたの拳の骨は粉々になってたよ。」

「貴女はギオンさん!?えっ.......?」


 ゴジに裸を見られた挙句、からかわれて怒りの矛先を見失いイライラするナミにギオンが声をかけた。


「ゴジちゃんの身体は鉄砲の玉ですら傷一つ付けられない外骨格と呼ばれる鋼の皮膚で覆われてててね。ゴジちゃんはあんたの拳を傷付けさせない為にわざわざ攻撃を避けて、自分が悪者になるように道化を演じてたのさ。」

「えっ.......!?」

「まぁ、女風呂に堂々と入ってくるゴジちゃんが一番悪いからね。だからあたしがナミちゃんにゴジちゃんをギャフンと言わせるとっておきを教えてあげよう。」


 ギオンはゴジを見てニヤリとしながらゆっくりと近付いていく。

 ゴジがナミから離れてすぐに水着で風呂に入っていたコアラが湯船から上がってゴジに近付いて来た。


「ゴジ君!ジンベエの親分に会いにいくだから、もちろん私も連れてってくれるわよね!!」
 
「ジンベエ率いるタイヨウの海賊団は君の恩人だったね。コアラも誘う予定だったよ。」

「ありがとうゴジ君!親分達元気かな?」


 ゴジはコアラの背中に刻まれたタイヨウの海賊団のシンボルを見ながら、コアラの反応からして“海侠”のジンベエやタイヨウの海賊団は悪い海賊ではないのは伝わってくるが、アーロンのこともあるので自分の目で見極めるつもりだった。


「ゴジ、イスカを含めた四人で行くのかい?」

「海底にある魚人島に行くとなると、何かあった時に備えて大人数だと全員抱えて陸に上がれないからな。少しシャボンディ諸島で少し試したいこともあるからあと一人ボニーも連れて五人で行くよ。コアラ、後でボニーに連絡しといてくれるかい?」


 ゴジは指揮官として海底に辿り着く前にトラブルにより沈没したり、魚人島で海侠のジンベエ率いるタイヨウの海賊団との交戦も考慮していざと言う時に脱出可能な少数精鋭で向かう予定である。

 水を制圧して海流の流れを自在に操るゴジならば海底からでも脱出可能であるので自分が抱えれる限界が四人程度と考えて、自分を含めた五人編成とした。


「ええ。分かったわ。」


 今日のビビ、ロビンとのデートでも服装を変えてサングラスを被る程度の変装ではすぐにバレてしまったので、年齢を自在に操るボニーの能力で子供や老人にでもなればバレないのではと思い、魚人島の真上に位置するシャボンディ諸島で実証実験しようと考えている。


「魚人島周辺は大型の海王類も多く、魚人島に辿り着く前に沈没する船は後を絶たないからいくら海王類に見つけられにくい軍艦でも油断は出来ない。いい判断だと思うよ。」


 つるの同意を得て、約束を果たしたゴジが満足して風呂から出ようとすると、ゴジの前にギオンが立ち塞がった。


「ゴジちゃん、イスカちゃんとナミちゃんのことしっかり頼んだよ!」

「ギオンさん…うおおぉぉーっ!!ありがとうございます!!」
 

 ゴジの目に飛び込んできたのは肩にタオルを掛けた粋なスタイルの生まれたままの姿のギオン。

 発展途上の16歳のナミとは比べ物にならないボリュームを誇る双丘にゴジは興奮しながら頭を下げる。

 コアラとはたった布一枚あるかないかの違いでつるのウォシュウォシュの実の能力で洗い流されたゴジの心の中から欲望が再び湧き上がってきた。


「ギオンさん、タオルは肩じゃなくて体に巻かないと、ゴジ君が逆上せちゃうわよ?」


 ギオンの体を目が飛び出しそうな程にガン見し続けてプルプルと震えているゴジをコアラは心配する。ゴジはギオンを襲わないように心の中の自分と戦っている最中であり、恐らくどんな強敵との戦いよりも神経をすり減らしているだろう。

 コアラの忠告を受けても、ギオンは一切体を隠そうとせずにタオルを肩にかけたまま両手を腰に当てて仁王立ちする。
 

「風呂でタオルを体に巻いたり、水着を着るなんてごめんだね。それにゴジちゃんの反応見てるとまだまだ私もイケるなって思うんだよ!」


 ワノ国出身のギオンは風呂でタオルを体に巻くなんて邪道という考えを持っているので、いくら注意しても風呂場でタオルを巻いていない。恐らくゴジが興奮しないであろうつるですらゴジに背中を洗ってもらう時は前をタオルで隠している。

 ギオンは既に40歳近い年齢であり、子供程歳の離れているゴジに男としての興味は全くないのでゴジに裸を見られても気にしないが、20代の海兵と比較しても遜色ない鍛えられて均整の取れた体はゴジには刺激が強すぎる。


「それにゴジちゃんにはスリラーバークでは色々世話になった。でも、あたしの可愛い部下をいじめてくれたからこれはお礼と復讐を兼ねた一撃だ“幸せパンチ”!!」

 
 ギオンはゴジの頭を掴むとそのまま自身の豊満な胸に誘った。

 彼女は男勝りなクールビューティに見えても、ワノ国にいた頃に剣術だけでなくお座敷遊びにも精通しているので、“艶のある正義”を掲げる彼女にとって色仕掛けは割と得意分野であったりする。

 
「うおおおおぉぉぉぉぉ!これはおっ......ぱ.......いぃぃぃ!!?」
 

 ギオンのお礼は些かゴジには刺激が強すぎたようで、彼の欲望は天元突破して豪快に鼻血を噴き出し、彼女の体を真っ赤に染める。


「おっ…ぱ……ぃ……。」

「はぁ…こりゃまぁ.......あはははっ.......。」


 ギオンは血塗れになった自分の体と、ハートの形になった目を回して気を失っているゴジを見て流石にやりすぎたと反省したが、ナミは宣言通りにゴジをノックアウトしたギオンを姉御と呼び、羨望の眼差しで見ていた。


「姉御ぉ!!」

「やっぱりナミちゃんは有望だね。これからあたしの“艶のある正義”を叩き込んでやるよ!」

「はい!!」

 
 海賊専門の泥棒として最終手段として色仕掛けをしてきたナミはギオンのゴジを落としたテクニックに感銘を受けて、ギオンの提案に元気よく手を挙げたことで、ゴジの命を脅かしうる(?)師弟がここに誕生した。


「こらギオン、ナミ。二人とも巫山戯るのもいい加減にしてゴジを介抱しな!!」


 ギオンは抱き寄せたままのゴジを開放して体を揺すり、覚醒を促す。


「あははっ…おつるさんごめんね♪ゴジちゃ〜ん。おーいゴジちゃ〜ん大丈夫かい!?」


 ゴジはそのまま自分の名前を叫び続けるギオンの声を聞きながら、幸せな感触に包まれて意識を手放した。 
 

 
後書き
次回更新は11日12時です。

次回のお話は、続々と世界会議に参加する為にマリンフォードに集まってくる王族の中にいるゴジと最も縁のある人達との再会と世界会議に参加するビビ達との別れの話です。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧