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ハッピークローバー

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第二話 身の用心その四

「ただね」
「悪い人はね」
「そうはいかないから」
「最初からそうした人がいるところは行かない」
「それが第一よ」
「そうよね」
 一華はかな恵のその言葉に頷いた。
「君子危うきにっていうし」
「だからね」
「最初から行かないことね」
「それがいいわ」
「わかったわ、あと学校で詳しく話すけれど」
「どうしたの?」
「ちょっとね」
 一呼吸置いてからだ、一華はかな恵に話した。
「かな恵に私達からお願いがあるの」
「一華ちゃんだけじゃないの」
「お金の話でも何か貸してくれってことでもないから」
 だからだというのだ。
「そのことは安心してね」
「そうなの」
「富美子ちゃんも理虹ちゃんも留奈ちゃんもね」
 この三人もというのだ。
「一緒だから」
「そうなのね」
「だからね」
「ええ、学校で」
「お話するわね」
「それじゃあね」
 かな恵も応えた、そしてだった。
 一華は学校に来るともう来ていた理虹と留奈に話して後から来た富美子にも話した、そうしてかな恵のところに来て話した。
「実は工業科の男の子と合コンしたいの」
「工業科の子と?」
「そうなの、私達も彼氏欲しくて」 
 それでというのだ。
「かな恵の彼氏の成海君工業科でしょ」
「だからなのね」
「そう、そのつてでお願い出来る?」
「じゃあ成海君に話しとくわね」
 かな恵は一華にあっさりとした声で応えた。
「今日のうちに」
「いいのね」
「こっちのメンバーは一華ちゃん達ね」
「あんた入れた五人ね」
「私はもう成海君がいるから」
 それでというのだ。
「実質四人ね」
「それであちらもね」
「四人ね」
「成海君入れて五人ね」
「だから成海君と私はね」
「司会進行?」
「いるだけだから」
 一華に笑って応えた。
「実質ね」
「私達四人と」
「相手の子は四人ね、じゃあ場所もね」
 それもというのだ。
「決めるわね」
「そうしてくれるのね」
「決まったらね」
 その場所もというのだ。
「それで何時するかもね」
「そこも決めて」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「決めましょう」
「それじゃあね」
「やっぱりあれ?」
 かな恵は微笑みかつ考える顔で述べた。
「商業科は競争激しいから」
「もう男の子皆相手いるでしょ」
「入学早々決まったわね」
「噂には聞いてたけれど」
 一華は眉を曇らせて語った。 
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