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ハッピークローバー

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第二話 身の用心その二

「思いきり力を入れたら」
「潰れるのね」
「それでそうしたら再起不能になるから」
「狙うならそこなの」
「男の人は誰でも弱点らしいから」
 それでというのだ。
「もうね」
「握り潰すの」
「殴っても蹴っても」
「潰すことなの」
「そうも言われたわ」
「おばさんらしいわね」
 一華はかな恵が語る彼女の母の言葉を笑ってこう評した。
「それって」
「そう?」
「ええ、かな恵の家のね」
「お母さんらしいの」
「おばさん普段は優しいけれど」
 それでもというのだ。
「覚悟のある人だから」
「それでなの」
「そう言うこともね」
「お母さんらしいの」
「そう思ったわ、けれど」
「男の人はね」
 かな恵は一華にあらためて話した。
「そこが絶対の急所でね」
「そこを攻めれば」
「どんな人でもアウトらしいわ」
「まあね、よく漫画とかでもあるしね」
「そうでしょ、ぶつけて凄く痛がってるとかね」
「あるわね」
「本当に男の人はね」
 かな恵はさらに話した。
「あそこをね」
「狙うとなのね」
「もうそれでね」
「終わりなのね」
「危険な格闘技でも狙うらしいわ」
 男のその部分をというのだ。
「コマンドサンドとかマーシャルアーツとかだと」
「どっちも軍隊の格闘技じゃない」
「そういうのだとね」
「狙うのね」
「目とかそうした部分をね」
「目潰しもありなのね」
「だって軍隊よ」
 この組織で行われている格闘技だからだというのだ。
「戦争してね」
「殺し合うから?」
「そう、だからね」
「目とかそうした部分を狙うのね」
「そして実際にね」
「効果あるのね」
「抜群にね、まあ人間急所はあるから」
 それでというのだ。
「そこを狙ったらね」
「どんな強い人でもアウトなのね」
「だからお母さんも言ってたのよ」
「いざって時はそこを狙うのね」
「思いきり蹴り上げたら」
 それでというのだ。
「もうね」
「一撃なのね」
「それでやっつけられるっていうから」
 だからだというのだ。
「どうしてもっていう時はね」
「潰すのね」
「そこをね」
「ううん、覚えておくわ」
 一華はかな恵のその話に頷いた。
「それじゃあね」
「そうしていきましょう、私もお母さんに言われるし」
「護身のものは持っていて」
「夜道には気をつけていて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。 
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