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牧師館のドールハウス

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第三章

「これ幽霊屋敷よ」
「幽霊屋敷?」
「私心霊とか好きでしょ」
「あんたの趣味の一つよね」
「ええ、そうしたことについての動画とかサイトとか写真見るのがね」
「本を読むこともね」
「昔から好きなのよ」
 心霊関係のことがというのだ。
「それで詳しいつもりだけれど」
「このドールハウス幽霊屋敷なの」
「間違いないわ、ボーリィ牧師館よ」
「牧師館?」
「イギリスは幽霊のお話多いけれど」
「そうだったの」
「ドールハウス発祥の国で」 
 由香奈の好きな人形のというのだ。
「それでね」
「そのうえでなの」
「そう、それで幽霊のお話もね」
 こちらもというのだ。
「かなりあるのよ」
「そうだったのね」
 由香奈は心霊関係には興味がないのでイギリスのこのことは知らなかった、否定するわけでも怖いわけでもないが興味はないのだ。
「イギリスって」
「そう、そしてね」
「それでなの」
「そう、ボーリィ牧師館って場所はね」
 恭子はさらに話した。
「そのイギリスでも最大の心霊スポットなのよ」
「そんな場所がイギリスにあるのね」
「ロンドン塔も有名だけれど」 
 心霊スポットとして、というのだ。
「ボーリィ牧師館も有名で」
「幽霊が多いのね」
「この白い服の女の人や」
 今度は人形達を見て話した。
「首なし男の幽霊もね」
「出るの」
「この幽霊だってね」
 魔女の様な外見の老婆の人形も見て話した。
「出るのよ」
「そうだったの」
「ええ、よくこんなドールハウスあったわね」
「ひょっとして」
 ここで由香奈は思った。
「そうした場所のドールハウスだから」
「皆怖いと思うか祟りがあると思ってね」
「手を出さなかったの」
「そうじゃないの?あんたもね」
 恭子は由香奈に問うた。
「ナポレオンの帽子欲しい?」
「ナポレオンの?」
「あの人最後は無念の死を遂げたでしょ」
「セントヘレナ島に流されてね」
 病死と言われていたが実は砒素を徐々に盛られて殺されたという。
「そしてでしょ」
「そんな人の形見とかね」
「祟りありそうでしょ」
「ええ、あと個人的には芹沢鴨の鉄扇も」
「欲しくないでしょ」
「あの人も暗殺されてるし」
 土方歳三達にそうされた、創作ではその行いの酷さで粛清されたというが実は勤皇派で人望がありそれを警戒した会津藩の命で暗殺されたという。 
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