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夢幻水滸伝

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第二百十七話 お好み焼きを食べながらその十

「ほんまにな」
「確か鮫は人食うけどな」
 芥川も当然このことを知っている。
「それでもな」
「こっちも食うからな」
 中里の口調は冷静なものだった。
「それも鮫に食われる人よりも」
「人に食われる鮫の方がええな」
「ずっとな」
「そやな」
 二人で話した。
「トータルで言うたら」
「そうなってるな」
「鮫も鮫で美味しいし」
 綾乃も言った。
「蛸や烏賊より怖いけどな」
「それでもな」
「食べられることは事実やしな」
「そやね、それとやけど」
 綾乃はさらに言った。
「あっちの世界は淡水にも大きな鮫おるね」
「いや、こっちの世界でもおる」 
 リーは綾乃の今の言葉にこう返した。
「しっかりとな」
「そうなん」
「そや、淡水産のエイもおるしな」
「エイもなん」
「アマゾン川におる」
「ああ、あそこに」
「これがいるのよね」 
 そのアマゾン川のあるブラジル出身のアレンカールも言ってきた。
「実際に」
「あそこはそうした生きものもおるんやね」
「デンキウナギもピラニアもいてね」
 そうしてというのだ。
「ピラルクやアロワナもいて」
「エイもおるんやね」
「イルカもいるしね」
「ああ、それ知ってるわ」
 海豚と聞いて綾乃もそれはと応えた、応えつつも飲むことは止めない。
「アマゾンカワイルカやね」
「あっちの世界でもいてね」
「こっちの世界でもやね」
「いるのよ、ただアマゾンでも鮫は見付かっていないわね」
「こっちの世界ではそうなん」
「あたいの知る限りね」
「そうなんやね、川や湖でも鮫おるんやね」
 綾乃はこのことを知って述べた。
「そうなんやね」
「それでインドとかでは被害も出てる」
 リーはタゴールの国のことも話した。
「これがな」
「淡水産の鮫のせいで?」
「いや、こっちは海からさかのぼってきた鮫や」
 こちらになるというのだ。
「そうした鮫もおるんや」
「ああ、鯨や海豹と一緒やね」
「そういうことや、ガンジス川とかでな」
 ヒンズー教の聖地とされるこの川でというのだ。
「あるんや、稀にな」
「流石に常やないね」
「こっちの世界ではな」
「それは何よりやね、あっちの世界は川にもよるけど」
「鮫もおるからな」
「難儀やわ、大きな川にはおるさかいな。海にも鰐おるし」
「ああ、それもやで」 
 シェリルはすぐに応えた。 
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