| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章 青年期
  第九十二話

 
前書き
アンケートへの御協力ありがとうございました。アンケートもうあと一時間延長するので、まだの方ご意見お願いいたします

モリア戦、楽しんで頂けると幸いです。 

 
 モリアは十八番(おはこ)である自分の影の中から小さな蝙蝠のような影を作りだし、それを大量にゴジに向けてけしかける。


欠片蝙蝠(ブリックバット)!」

「俺に攻撃をすると見せかけてしっかり後ろにいるポルチェ達も狙うとはどうして卑怯な奴らが多いのかね?」


 ゴジは自分に向かってくる大量の蝙蝠の動きを見聞色の覇気で未来視しながら、クロコダイルのように自分が逃げれないような攻撃を放つモリアに呆れる。


「ふん!勝てばいいんだ!避けたきゃ勝手に避けろ!」

「避けるわけないだろう?“指銃・(まだら)”!」


 ゴジは向かってくる大量の蝙蝠目掛けて連続で指銃を放ち、蝙蝠を消し飛ばす。

 消し飛ばした蝙蝠はゴジの足元の地面に吸い込まれて影に戻っていく。


影棘(ブラックソーン)!!」


 モリアはゴジが撃ち落とした影の蝙蝠を大量の棘に変えて地面がせり上がるようにゴジに向けて放った。


「見えてるよ!」


 見聞色の覇気により、モリアの攻撃を未来視しているゴジは無数の影の棘を置き去りにして十八番(おはこ)と呼べる電気の能力と“剃”、“獣厳(じゅごん)”を組み合わせた最速の拳でモリア本体を殴り飛ばすべく一筋の閃光となって駆ける。


「ふん!“影法師(ドッペルマン)”!」

「“超電磁砲(レールガン)”!」


 電気を帯びた最速のゴジの拳がモリアの本体の顔面に突き刺さって7メートル近くある彼の体を殴り飛ばした。

 その威力はモリアの体が城壁を破って外に投げ出されるほどである。


変わり身(ブラフ)か?」


 ゴジが悔しそうに呟くと、彼の背後に現れたモリアは楽しそうに笑いながら、蝙蝠達の形を鋭利な刃物に作り替える。


「キシシシシ!その通りだ。俺は影と自分の位置を自由に入れ替える事が出来る。死ね“角刀影(つのトカゲ)”!」


 モリアはゴジの攻撃が当たる直前に影で大量に生み出した影の棘のうち一本と自分の位置を入れ替えたのだ。

 そして、作り出した影の刃を背中を向けるゴジに突き立てた。


「魚人空手 八千枚瓦回し蹴り!」


 しかし、モリアの影の刃はその場でくるりと回転したゴジに躱されて空を切り、ゴジは勢いをそのままに回し蹴りをモリアの膝に叩き込んだ。


「ぐおぉぉおおおおお!」


 ゴジは悲鳴を上げて膝から崩れ落ちるモリアを見ながら右手の人差し指に毒の能力を纏う。


紫銃(しがん)!」

「ぎゃあああああああああ!」


 その人差し指を真っ直ぐにモリアのたるんだ腹に突き刺した。


「モリア、お前は性格以前に弱すぎるな。クロコダイルと比べるべくもない。賞金額がそのまま強さを現すわけではないとよく分かった。」


 王下七武海に入る前のクロコダイルの懸賞金は8000万ベリー、そしてゲッコー・モリアの懸賞金は3億2000万ベリーである。


「凄い!」

「王下七武海相手に手も足も出させないなんて……」


 ゴジはアラバスタ王国で苦戦を強いられたクロコダイルとの戦いを振り返って拍子抜けしたが、たしぎとポルチェは生で憧れの人の戦いを見て感激していた。


「この俺がクロコダイルの野郎に劣るだとそんn……あ……がが……。」


 モリアは話の途中で突然前のめりに倒れて口すら動かせなくなった。


「さっきお前に麻痺毒を打ち込んだからしばらく動けない。ん?」


 ゴジは動けないはずのモリアが体を小刻みに動かし始めた様子を見て目を見開く。


「あがが(影革命)!……“黒麒麟”この俺の力を見くびるな!!」


 麻痺毒を受けたはずのモリアが何事もなかったようにムクっと立ち上がった。

 しかし、モリアの顔は元々青白く顔色が悪いが、それに輪をかけて紫色になっており、白目を向いて未だに泡を吹いていた。


「なるほど……影で自分の体を操ってるのか!?」


 ゴジはモリア本体の様子とモリアの声が彼の影から聞こえてきたことから、モリアの能力の秘密に気付いた。


「その通りだ!!本体に付き従う影が革命起こし、影の動きに本体を付き従わせているのさ。“影箱(ブラックボックス)”!」


 モリアはたしぎを狙って彼女の足元にある影を彼女を取り囲むように捕らえようとする。


「きゃっ!?影が……」

「たしぎ!?」


 たしぎが自分を覆うようにせり上がってくる影の壁を見て、ポルチェも慌てた声を出すが、もちろんモリアの狙いは別にある。

 確実に彼女を助けようとするゴジを捕らえるためだった。


「中将!?」

「たしぎ大丈夫だ。落ち着いて、時間はないから少し手荒にいくから着地は自分でなんとかして!!」


 ゴジは“剃”でたしぎの元へ来ると既に影の壁は四方を覆い、天井に蓋をしようとしていたため、ゴジは蓋が締まる前にたしぎを外に放り投げた。

 ゴジを覆っている影の蓋が締まり、影の箱に閉じ込められた。


「かかったな?絶対女を庇いに来ると思ったぜ!影の森(シャドーズ・ウィザール)!」


 モリアが好機と見てゴジを閉じ込められた影の箱目掛けて蝙蝠の影を飛ばすとその蝙蝠が影の剣に変わり、箱に突き刺さっていく。


「「中将(ゴジ君)!!」」


 たしぎとポルチェの悲鳴が響く中、続々と影の剣がゴジを閉じ込めた箱を突き刺していった。


 ◇


 影の箱のようなモノに閉じ込められたな。四方を影で覆われたか?暗くて視界もゼロ。

 ご丁寧に足元にもしっかり影があるから地面を掘って逃げるわけにもいかないな。弱点を看破して抜け出す!!


「“神眼”!」


 サイズは縦、横1m、高さは2m。影の箱はピッタリ俺を覆うサイズで触ると柔らく伸縮性があるが、暴れればぶち破れそうだ。

 攻撃が来る。

 なるほど箱の外から大量の剣で串刺しにする気か?


「紙絵!」


 俺は攻撃の来る場所を先読みしながら箱から飛び出てくる影の剣全てを躱していく。


 ◇


 モリアは無数の剣が突き刺さった影の箱を見て高笑いをあげる。


「キシシシシ!殺しちまったかな?殺しちまったら影を奪えなくなるから生きててくれよ“黒麒麟”!!」


 モリアが影の箱の能力を解除すると狭い箱の中で剣と剣の隙間を縫うようにして剣を躱していたボロボロの服を着たゴジが現れる。


「ふぅ……狭かったな。“爆裂嵐脚”!」


 影の剣によりゴジの服はボロボロだが、見聞色の覇気で致命傷を避けつつ外骨格と武装色の覇気で守られたゴジの体には傷一つなく、モリア目掛けて爆発の能力を纏った嵐脚を放った。


「おい!“黒麒麟”てめぇなんで生きてんだよ!!“影法師(ドッペルマン)”!」


 モリアはゴジが生きてることを願いながらも、回避不可能な攻撃を受けても無傷なゴジには納得出来ない。

 ゴジの攻撃を見極めてまた影と自分の位置を入れ替えゴジの嵐脚をやり過ごして反撃に繋げようとする。


「魚人空手 壱万枚瓦正拳!」


 しかし、一度出した技が見聞色の覇気により未来を視るゴジに通用するはずも無い。

 ゴジはモリアの影が本体と入れ替わるより前に、未来視で入れ替わる位置に“剃”で先回りして深く腰を落としてモリアが現れた瞬間に今のゴジが放てる一番強い正拳突きを影と入れ替わったモリア本体の背中に放つ。


「ぐぼおおおおぉぉぉぉ!!」

 
 ゴジの手に伝わる背骨を砕く音と共にモリアは城の外壁を突き抜けてスリラーバークの地面に激突した。


 ◇


 ゴジは油断なく見聞色の覇気を張り巡らせながらモリアや城の様子を伺っていると、慌てた様子のポルチェとたしぎが駆け寄ってくる。


「「中将(ゴジ君)!!」」

「おっと!」


 ゴジは自分に抱き着いてきた二人をしっかりと受け止める。


「ゴジ君が箱に閉じ込められた時はどうなるかと思ったわ!無事でよかったわぁ♪」

「中将、助けて頂いてありがとうございます。」


 ゴジは同じ轍は踏まない。

 クロコダイル戦ではここで油断してロビンを危険な目に合わせたのだ。見聞色の覇気でモリアに意識がある事を確認してやはり王下七武海は一筋縄ではいかない事を確信する。


「あはははっ!美女二人の抱擁はとても嬉しいけどどうやらまだ終わってないようだから離れてくれるかい?たしぎ、ポルチェはこのドクトル・ホグバックを拿捕して、西館の最上階に人間の女の子がいるから保護して船まで連行して欲しい。」

「はぁ〜い。」

「(コクコクっ)……っ!!」


 ポルチェは名残惜しそうに返事をして離れると、たしぎは離れた瞬間に思わずゴジに抱き着いてしまったことを恥ずかしさを感じながら、顔を赤くして何度も頷いた。

 ゴジはそのままモリアを追って城を飛び出ると、うつ伏せで倒れたまま起き上がろうともがいているモリアを見つける。


「今のは全力の拳だったんだが、まさか意識があるとは驚いたな?」


 ゴジの放った“壱万枚瓦正拳”は生身のゴジの放てる一番威力のある攻撃だが、それを受けてなお意識を保っているモリアを見てタフさに驚嘆する。


「“黒麒麟”、おめぇだけは本気で潰すスリラーバーク中の全ての影達よ。この俺の力となれ“影の集合地(シャドーズ・アスガルド)”!!」


 モリアはそのままの状態でゴジを睨みながらスリラーバークにいる全ての影に招集を掛けた。

 影の支配者の号令を受けた影達はゾンビの体から抜け出て地を這いながらモリアの元へ集まっていくと、スリラーバークにいる全てのゾンビが元の死体に戻った。


「ほぉ……島中の影を体内に取り込んでるのか?」


 スリラーバーク中の影が地面を伝い、時には空を舞いながらモリアの元へ集まって彼の体内に取り込まれていくと彼の体は取り込んだ影の数に応じて大きく肥大していく。


「城から出ておいて正解だったな!それにしてもなんてデカさだ。既に50メートルはあるぞ!」


 ゴジは地面から見上げても、モリアの体型のせいで下っ端しか見えない。


「キシシ……シシ……シ!800体だ!!!」

「なぁ、モリア、見掛け倒しじゃないよな?力も800体分か?」

「そう……だ。俺は影……800体分の力を手に入れ……た……。うっぷ……。」


 さすがに影の支配者とて800もの影を無理に取り入れるのは無理があるようで影を吐き出さないようにモリアは苦しそうに口を抑えている。


「そうか、それは楽しみだ。」


 ゴジはこの絶望的とも言える状況を見て、ワクワクした顔になりながらもさらにやる気を漲らせていた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧