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おぢばにおかえり

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第六十六話 好き嫌いその四十

「反面教師になっているかも知れないですね」
「自分が気付かないうちにね」
「自分のことって案外わからなくて」
 私にしてもそうだと思いました、正直自分のこと程わからないことはないというのは事実でしょう。
「いいことも悪いこともで」
「悪いことはね」
「本当にわからないですね」
「それでその悪いところをね」
「反面教師にされているかも知れないですね」
「その可能性はあるわね」
 誰でもです。
「正直言って」
「そうでうしょね」
「もうそこはね」
 どうしてもとです。
「中々わからないわよ」
「自分では」
「ええ、だから自分で悪いところに気付いたら」
 その場合はです。
「すぐにね」
「なおせばいいですね」
「そうすればいいわ」
「僕の場合嫌い過ぎる癖性分ですね」
 自分でわかっていました。
「執念深いところも」
「ええ、そうしていってね」
「そうします」
「色々な人に出会ってることはわかるけれど」
 悪い人にもです。
「阿波野君態度にも顔にも思いきり出るから」
「自覚しています」
「そうしていってね、じゃあね」
 私はお話が一段落したとみて言いました。
「帰りましょう」
「教会にですね」
「そうしましょう」
「海もじっくり見ましたし」
 阿波野君は凄く嬉しそうでした。 
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