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ハッピークローバー

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第一話 幸せとは何かその十一

「それじゃあね」
「倍率二・五倍だとね」
「男の子はもうすぐに彼女出来るけれど」
「私達となったら」
「そうはいかないわよ」
「現実にね、そう考えたら」
「やっぱり工業科の子とね」
 一華は真顔で述べた。
「付き合うのがいいわね」
「そうなるわね」
「かな恵もそうしてるし」
「私達もね」
「そうするのがいいわね」
「そうね」
「女の子多くて気楽だけれど」
 それでもとだ、富美子は両手を自分の頭の後ろにやって述べた。
「彼氏出来にくいことはね」
「問題ね」
「高校生になったら」
「もうそろそろね」
「彼氏いればって思うのに」
「それがね」
「こんなのだとね」
 男子の方が少なくその為相手が出来にくいならというのだ。
「困るわ」
「このことはね」
 一華も頷いて応えた。
「そうね、じゃあ尚更ね」
「工業科の子とね」
「付き合う様にしよう、相手も彼女欲しいでしょうし」
「絶対に彼女欲しい人いるわよ」
 富美子は言い切った。
「間違いなくね」
「私達が欲しいなら」
「自分が思うことは相手もって言うし」
「そうよね」
「それじゃあね」
 まさにというのだ。
「工業科にもね」
「そうした人いるから」
「それじゃあ」
「工業科の子とね」
「付き合おう」
「ただ問題は出会いよ」
 ここでだ、こう言ったのは理虹だった。
「どうして出会うか」
「工業科の子と」
「まさかね」
 理虹はこうも言った。
「登校中遅刻だから走っていたら」
「そこで曲がり角でぶつかって」
「それで出会いとかね」
「あるわね、それでぶつかった相手が転校生だった」
「そんなのはないからね」
「それこそ漫画よ」
 まさにとだ、一華もこう返した。
「そんなことは」
「有り得ないわね」
「ええ、だからね」
「出会いにもね」
「具体的にどうするか」
 それがというのだ。
「大事よ」
「そうよね」
「それじゃあ」 
 まただ、一華は言った。
「ちょっと考えよう」
「その出会いについても」
「これからね」
「そうね、何か交際するにも」
 即ち彼氏を作るにもというのだ。
「何かとね」
「考えないと駄目よね」
「あれこれと」
「婚約者がいるとかね」 
 理虹は笑ってこうも言った。 
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