| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おっちょこちょいのかよちゃん

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

169 苛烈なる将軍・義教

 
前書き
《前回》
 エンプレス・マチルダを撃破したりえは彼女から杉山についての情報を得ようとするも何も収穫なしで終わる。そしてイマヌエルに協力を仰ぎ、一部の領土攻撃班の者が杉山捜索に係り出す。一方かよ子達藤木救出班はとある町に到着するがそこで住民の襲撃に遭う。そして地理的な関係でりえの頼みに応じる事ができなかったすみ子達組織「義元」は義教という人間の軍勢と交戦する!! 

 
 かよ子達藤木救出班は戦争主義の世界の町で住民から激しい襲撃に遭っていた。
「ボクちゃんに任せな!」
 関根は国定忠治の刀を振りかざした。大きな風が起き、住民を次々と吹き飛ばし、なぎ倒していく。
「や、やめとくれ、可愛そうじゃ~」
 友蔵が止めようとする。
「ああ、ここで手加減しておくよ」
 関根は呆れながらも刀を鞘に納めた。しかし、住民達が反撃の為、投石の攻撃を開始する。羽根の結界が働いてかよ子達の方にはダメージはなかったが、それでも相手は止める気配がない。
「くそ、キリがねえ!」
 大野は草の石の能力(ちから)を行使する。そして投石を受け止めた。
「えい!」
 かよ子も石に杖を向け、石を操る能力を得る。住民達の投石よりもはるかに大きい石を出現させ、投石を薙ぎ払う。
「山田、羽根を進ませろ!」
「うん!」
 かよ子は羽根を進ませ、町からの撤退を図る。ブー太郎も水の石の能力(ちから)で投石を押し流し、椎名も水を放水させて投石を防いだ。町からはまだ抜けられない。だが、その時、一人の女性が立ち塞がった。
「お前達、ここに現れたからには逃げる事はできぬ」
 そして女性はかよ子を見る。
「そこの女子(おなご)、それは最強たる杖であるな?」
 かよ子は自分の杖が狙われると思うとどきりとした。
「その杖、頂こうか!」

 すみ子達組織「義元」は義教の軍に包囲されていた。
「どうしよう・・・。これじゃ、勝てない・・・」
「者共、やれ!」
 義教の兵が襲撃を続ける。
「瞬間移動しましょう」
 エレーヌは皆を移動させた。そしてジャンヌはある予知を聞く。
(すぐ私達がここに瞬間移動した事に気づく・・・。赤軍に渡された道具の不具合を起こすのを待ち、それまでは可能な限り機械を狙うのみ・・・)
「奴らはあそこじゃ!」
「チッ!」
 川村はバズーカで迎撃を試みた。しかし、相手を吹き飛ばす事はできなかった。
「バカめ、そんな物でわしらを倒せるか!」
 義教は刀を振るう。炎が放射された。すみ子達を火炎が襲う。
「う・・・!」
 すみ子は銃で結界を張る。ヤス太郎もパチンコで水玉を発射した。しかし、結界は安易に破られ、水玉で消火する事もできなかった。
「容赦せぬぞ・・・」
 義教から何かの威圧感が感じられる。すみ子も山口も、川村も、ヤス太郎も動けなくなった。
(一か八かですね・・・)
 エレーヌは左手を振るった。そして透視した。義教の所に機械は二つある。
「ジャンヌ、見えますか?」
「どれ?」
 エレーヌは透視した義教が持つ機械をジャンヌに見せた。
(あれか・・・)
 ジャンヌはまた「神の声」を聞く。
(機械は二つ・・・。今片方の機械に不具合が出てきた・・・)
「エレーヌ、今片方の機械が不具合を起こしているぞ!」
「了解しました!」
 エレーヌは足を一振りした。機械が破壊された。
「なぬ!?あの機械が破壊されたと!?」
「義教様、いかがなさいますか!?」
「構わん、やれ!あの女諸共殺すのだ!」
 義教の軍が攻撃を激化させる。
「何だと!?エレーヌとジャンヌを守るぞ!」
 「義元」の皆は守備体勢に入った。
「すみ子、銃だ!」
 山口が命じる。
「うん・・・!!」
 すみ子は銃で周囲に結界を張った。何とか防御には成功した。
「そんなもので守り切れると思うな!儂の軍は結界だろうがいかなる防御でも破壊できるのだ!やれ!」
 義教の兵が矢を放つ。矢は炎に変化し、すみ子の銃で発生させた結界を容易く燃やした。
「あ・・・!」
 すみ子は焦った。
「させないでやんす!」
 ヤス太郎が水玉を飛ばして消火する。川村もバズーカで迎撃する。
「はあ、はあ・・・!」
 守備体勢を続けているものの、戦いを終息させる為の糸口が全く見つからない。そしてエレーヌも舞い出した。
「な・・・!?」
 義教からは敵が姿を消したように見えた。
「奴等はどこにいった!?」
「姿を消したのか!?」
 義教の兵達も慌てる。
「こざかしい真似を・・・。そんなんでこの義教様から逃げられると思うなよ!」

 エレーヌの技は実際には瞬間移動したのではなく、皆の姿を消しただけだった。
「今です!義教からはあなた達の姿は見えておりません!攻撃の時ですわ!」
「ああ!!」
 組織「義元」は反撃を開始する。山口は矢を放った。地面に刺されば爆発し、地砕きを起こす矢である。矢は義教の軍の付近に刺さると共に爆発し、多くの兵を葬った。
「うおおお!!」
「うがあ!」
 義教は劣勢と感じる。
(これでは我々に不利だ。だが、あの女は瞬間移動したのではない。姿を消しただけか!)
 義教はまだ生き残っている兵に呼び掛ける。
「皆の衆!奴等は姿を消しただけだ!全員怯まず攻撃するのだ!」
「了解!」
 義教の兵は槍を振り回したり、矢を放ったりして攻撃した。周囲を構わず炎や地の攻撃を行う。
(しまった、バレた・・・!!)
 すみ子はエレーヌが自分達は姿を消しただけと相手に悟られたと感づいた。慌てて銃で周囲に結界を張る。先程の結界ではすぐに破られたため、すみ子は複数回発砲して何重もの結界にして対処した。結果、義教の軍からの攻撃を幾度も防ぐ事はできた。川村やヤス太郎も山口に続いて迎撃を始める。
「しかし、やってもやってもキリがないでやんす!」
「ああ、相手も容赦なく攻撃が続くからな、こっちの攻撃も相手の攻撃で打ち消されちまう!」
「なら私も防ぎますわ!」
 エレーヌは扇を取り出した。
「これで相手の攻撃への通りがさらに良くなります!」
「どれ、やってみるか!」
 山口は矢を放つ。放った矢は大きな爆発を起こし、義教の軍を更に殲滅させる事に成功した。一方の義教の軍も負けじと更に激しい攻撃を行う。
「皆の者!よくここまで耐えてくれた。私も戦いの準備ができた。共に行こう!!」
 その時、ジャンヌが威勢のいい声を挙げた。
「兵達よ!私は今、神と同化する!」
「はっ!」
 ジャンヌに使える少数の兵達はジャンヌに跪いた。ジャンヌの目が赤色に光る。そしてジャンヌは別人の姿となった。
「聖マルグリット、召喚!」
 そして聖マルグリットと化したジャンヌは義教に牙を向く。
「非道なる殺戮者!私が成敗させてくれようぞ!」
「な・・・。やれるものならやるがよい!」
 苛烈なる攻撃を繰り出す義教と神の声を聞くと共に聖人なる神と同化したジャンヌ。二人の決戦が始まる。 
 

 
後書き
次回は・・・
「聖人との同化」
 聖マルグリットと同化したジャンヌが反撃を始める。彼女は一体どのような術を使用するのか。そして義教の軍と組織「義元」軍配はどちらに上がるのか。そしてかよ子達は侵入した町を治める女性と対峙する・・・!! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧