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オズのラゲドー氏

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第一幕その四

「ありますね」
「ええ、けれどね」
「あっ、馴れ寿司ですね」
「知ってるのね、そのお寿司も」
「食べたことはないですがあることは知っています」
 こうドロシーに答えました。
「私も」
「オズの国にもあるの。ただね」
「それでもですか」
「匂いがきついから」
 それでというのです。
「好きな人は少ないわ」
「そんなにきついんですか」
「ウォッシュチーズとは違う匂いでね」
「あのチーズも臭いですよね」
「けれどその匂いの質は違っても」
 それでもというのです。
「かなりね」
「馴れ寿司もですね」
「匂いがきつくて」
「好きな人は少ないですか」
「かなり癖のある味だから」
 その為にというのです。
「匂いに加えてね」
「握り寿司とかは好きな人が多くても」
「どうしてもね」
 馴れ寿司はというのです。
「そうなの。馴れ寿司が本来のお寿司らしいけれど」
「そうみたいですね」
 ここでこう言ったのは恵梨香でした。
「お寿司は元々は」
「馴れ寿司らしいわね」
「馴れ寿司は作るのに時間がかかるので」
「それでご飯にお酢とお砂糖を入れてね」
「生の魚介類を上に乗せて」
「握り寿司になったわね」
「はい、鮒寿司なんていうのもあります」
 恵梨香はこのお寿司もお話に出しました。
「馴れ寿司でして」
「その鮒寿司もオズの国にあるけれど」
「匂いがきついんですね」
「だから私もオズマも」 
 どうしてもというのです。
「あまりね」
「お好きではないですか」
「そうなの」
 こうナターシャに答えました。
「どうしても」
「匂いがですね」
「それで味もね」
 こちらもというのです。
「握り寿司や巻き寿司の方がいいわ」
「そうですか」
「そう、それで北の方にね」
「凄い職人さんがおられるので」
「そちらに行って」
 そしてというのです。
「食べて来ればいいわ」
「そうさせてもらいます」
 ナターシャはドロシーの言葉に笑顔で頷きました。
「バナナやオレンジも食べて」
「そうしてね」
「そうさせてもらいます、ただ」
「ただ?」
「私も最初お寿司見て驚いたわ」
 そうだったというのです。
「生のお魚をご飯の上に乗せて食べるなんて」
「あれは驚きますよね」
「普通はないですよね」
「日本では生のお魚をよく食べると聞いていますけれど」
「ああして食べるなんて」
 日本人の恵梨香以外の四人が応えました。
「普通はないですね」
「ご飯と一緒に握って」
「それで一緒に食べるなんて」
「しかもご飯にお酢とお砂糖を入れていてですから」
「それで食べると物凄く美味しいから」
 それでというのです。 
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