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オズのラゲドー氏

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第一幕その二

「パイナップル、バナナ、オレンジにメロンね」
「果物ね」
「全部南国のでしょ」
「外の世界ではそうね」
「あとマンゴーもね。こうしたものは全部ロシアにはないから」
 だからだというのです。
「余計に美味しく思うのよ」
「そういえばそうなんだよね」
 神宝も言ってきました。
「ロシアではこうした果物がないんだよね」
「寒いからね」
 だからだとです、カルロスも言いました。
「ロシアってね」
「そうした果物はどうしてもないね」 
 ジョージも頷きました。
「ロシアだと」
「日本ではどの果物もあるけれど」
 恵梨香は日本のスーパーや百貨店、八百屋さんのお話をしました。
「ロシアではそうはいかないのね」
「昔に比べて出回っているそうだけれど」
 それでもとです、ナターシャは四人に応えました。
「やっぱり他の国に比べればないかも知れないわね」
「オレンジもパイナップルも」
「バナナもで」
「マンゴーもなんだね」
「そしてメロンも」
「だから私日本でもオズの国でもね」 
 どちらでもというのです。
「こうした果物をよく食べるのよ」
「確かに貴女そうした食べもの好きね」
 ドロシーも言いました。
「いつもにこにことして食べるわね」
「ついついそうなります」
「本当に好きなのね」
「昔ロシアはバナナ以外何でもあるって言った人がいました」
「つまりバナナはなかったのね」
「はい、ただロシア人は無欲な人が多くて」
 それでというのです。
「バナナがなくても強く求めることも」
「ないのね」
「お家とお仕事とパンとウォッカがあれば」
「いいのね」
「そうした人が多いです」
「そうしたお国柄なのね」
「はい、それでバナナやオレンジがなくても」
 それでもというのです。
「満足しています、私も食べられなくても」
「それでもいいのね」
「他のものを食べますから」
 ないならないで、です。
「そうしますから」
「だからなのね」
「ロシアにいるといいです」
「貴女も無欲なのね」
「それでありますと」 
 その場合はというのです。
「楽しんでいます」
「他に好きなものはあるの?」
 ビリーナも尋ねました。
「バナナやオレンジ以外にも」
「普通のケーキもロシアのケーキも好きよ」
「あの固いケーキもなのね」
「クッキーみたいなね」 
 ロシア以外の国から見ればそうなるというのです。
「そのお菓子もね」
「好きなのね」
「それとボルシチ好きよ」
「ロシアのシチューね」
「あと鱒のフライも。それと日本に来て」
 そうしてというのです。
「和食もね」
「好きになったのね」
「そうなの。お寿司いいわね」
「お寿司ね。あんたそっちも好きなのね」
「大好きなの」
 実際にというのです。 
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