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ハッピークローバー

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第一話 幸せとは何かその四

「音楽もね、テレビのチャンネル二つだけでインターネットもね」
「殆どの人が使えないわね」
「携帯もよ」
「食べものがない位だから」
「そうした国だから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「あそこに産まれたらね」
「それだけで不幸せね」
「絶対にそうよ」
「でしょ?だからね」 
 かな恵はまた言ってきた。
「日本で産まれることだけでもね」
「幸せなのね」
「それで健康だったら」
「余計になのね」
「風邪で身体壊しても大変でしょ」
 かな恵は今度はコーラサワーを飲んでいる、そうしつつ言うのだった。
「しんどくて」
「それはね」
「だからよ」
「日本にいて健康だったら」
「それでね」
「かなり幸せなのね」
「お家があって家族がいて友達もいて」
 そしてというのだ。
「学校通えて食べものあって遊べたら」
「幸せなの」
「そうじゃない?それだけでね」
「そうなのね」
「しかもお酒飲めたら」
 言いつつコーラサワーをごくごくと飲んでいる、見れば今ここにいる五人の中で飲む勢いが一番いい。
「最高でしょ」
「かな恵お酒好きだしね」
 留奈が言ってきた。
「だからなのね」
「そう、私お酒飲めたらね」
 言いつつやはり飲んでいる。
「それだけでね」
「幸せなのね」
「そこにね」 
 今度はフライドポテトを食べた。
「こうしておつまみもあれば」
「尚更なのね」
「言うことなしよ」
「そうなのね」
「いや、私子供の頃身体弱くて」
 今度は自分のことを話した。
「結構病気してたから」
「それでなの」
「健康だと」
 それならというのだ。
「嬉しいし」
「本当に風邪ひいたらね」
 理虹も言ってきた。
「それだけでね」
「暗くなるでしょ」
「学校休めていいとは思っても」
 それでもというのだ。
「ずっとベッドの中でね」
「頭痛くて咳出て喉も痛くてね」
「熱で苦しんでね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「健康であることもね」
「幸せってことね」
「そう思うわ」
「健康って幸せの原点っていうけれど」
 留奈も言った。
「その通りなのね」
「ええ、健康で」
 かな恵はさらに言った。 
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