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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第二章 青年期
  第八十五話

 ここは偉大なる航路前半の海にある一つのルネスという島である。

 この島にヒナとミキータ、そしてミキータが教育係を務める新兵の3人が来ていた。

 この新兵は第一部隊にいるたしぎの同期で第二部隊に配属された女海兵であり、さらにこの海兵はゴジの推薦で海兵となった女性だった。


「準備はいいわね? ミキータ、ボニー。」

 
 ヒナの力強い声にミキータとボニーと呼ばれた桃色の長髪を持つセーラー服に身を包む勝気な表情の美女ジュエリー・ボニーの2人はヒナの言葉に反応して各々了承の意を示す。

 ボニーはゴジに父である“暴君”くまを助けを求めた時に何でもすると言った事をきっかけにゴジに一緒に働こうと誘われて入隊した。


「はぁ〜い。」

「もぐもぐ…(こくこく)…」


 ミキータはレモンを輪切りにしたような柄の日傘を天高くあげて元気良く、ボニーは手に持ったピザを口に押し込みながら首を縦に振った。

 ボニーは美人で新兵ながらバロックワークスのオフィサーエージェント拿捕の任務を与えられる程の実力を持つが、いかんせん食べ方が汚く、彼女の足元には料理の食べカスが溜まり、口の周りや両手もソースでベトベトである。


「はぁ〜なんで実力のある子達ってこんなにクセが強いのよ…ヒナ頭痛。」


 任務に来ているのに日焼けを気にして日傘を差している上、幅広の白い帽子とレモン柄のミニスカートのワンピース姿のミキータと新兵のクセに任務中に好物のピザをバクバクと食べているボニーを見てヒナは頭を抱える。

 彼女達はバロックワークス壊滅作戦の為にロビン偽指令を出してMr.4ペアが指定された場所に時間通り2人と1匹がやってきた。

 巨大な金属バットを持った身長2m程ある中年の大男がMr.4こと“キャッチャー殺し”のベーブ懸賞金320万ベリーで、パンチパーマの髪型の身長1m弱の小さなオバさんは動物(ゾオン)系悪魔の実、モグモグの実の能力者であるミス・メリークリスマスこと“町落とし”のドロフィー懸賞金1400万ベリー。

 そして彼等が連れているロケットランチャーのような犬はかーくんと同じ技術を使って作られた動物(ゾオン)系悪魔の実 イヌイヌの実 モデルダックスフントの能力を宿した犬銃(けんじゅう)ラッスーである。

 
「よし、早速行くわよ!」


 ミキータがボニーに指示を出そうとすると、ピザを食べ終わったボニーはチーズやソースでベトベトになった指をぺろぺろと舐めながら、獲物を見つけた猫のように嬉しそうにベーブ達目掛けて駆け出して行った。


「腹ごなしにあたしが全部やってやるぜ!」

「ちょ…ちょっと──ボニー、勝手に行くんじゃない。待ちなさい。ずるいわよ!私がゴジ君に褒めて貰うんだからぁ!」


 ミキータはゴジに褒めて貰う為、ボニーに負けじと体重を1キロに変えて空に飛び上がる。


「はぁっ?あたしはゴジのアホなんてどうでもいいけど…いや、確かにゴジがあたしと一緒にいたいって言ったからここにいるんだけどよ。でも、あいつに褒められても別に嬉し……う”〜ダメだ顔が熱い。とりあえずアイツら全員ぶっ倒してあのアホに飯を奢らせよう!」
 

 ボニーはゴジに褒められる自分を想像すると何故か顔が赤くなるのを自覚して、それを忘れるように机いっぱいに並べられた料理を想像し、モヤモヤした気持ちを目の前にいる敵にぶつけようと意気込んだ。

 ゴジはボニーの類稀な運動神経に目を付けてマリンフォードでの人質扱いの軟禁という状況の緩和になればという思いから『ボニーさえよければ海軍に入って俺と働かないか?』と提案したのを『俺はボニーとずっと一緒にいたんだ』と勘違いしてたりする。



「はぁ〜…まだ私、作戦も何も伝えてないのに…ヒナ絶望。」


 ヒナは自分の話も聞かずに飛び出していった二人を見ながら肩を落としたが、彼女はこと戦闘においては優秀すぎる部下達の勝利を1ミリも疑ってはいなかった。
 

 ◇

 Mr.4ペアの目の前にボニーが現れると、新兵ゆえにセーラー服を着るボニーを見て直ぐに海兵だと理解する。。


「海兵!?」

「か〜い〜へ〜……」


 獰猛な笑みを浮かべたボニーは”剃”を使って一目散にベーブの肩の上に猿のように屈んで乗ると同時に、彼の頭に自分の食べた悪魔の実の能力を宿した右手で彼の頭に触れた。

 
「正解だよ!ほい、タッチ♪」


 ボニーは超人(パラミシア)系悪魔の実 トシトシの実の能力者であり、自分自身と自分が触れた相手の年齢を0歳から100歳まで操作する事が出来る。

 さらに王下七武海の血筋なのか、天性の運動神経を持つ彼女は新兵訓練中に”剃”を覚えてしまった。


「お〜〜〜。フォ~~~フォ~~~フォ~~~…。」


 ボニーに肩を触られたベーブは一瞬で100歳まで老化し、身体中がシワだらけになり、腰も曲がって金属バットを杖代わりにして立ってプルプルと体が震えている。

 ボニーの能力は相手に触れさえすれば相手を赤ちゃんや足腰の立たない老人にする事が出来るので、どんな相手でも戦闘不能に出来るのだ。

 突然老化した相棒のベーブの姿を見たドロフィーは大慌てする。
 

「おい! Mr.4…。オメェーなんでジジイになってんだい!! この“ノロマ野郎”が!! “ノッ”が!!!」

「次はオバサン、てめぇだ。ババアになりたいか、赤ん坊になりたいかは選ばせてやるよ。」

「この”小娘”が!!”こっ”が!!」


 そんなベーブの変貌した姿を見て、ボニーに挑発されるドロフィーは空から飛来するミキータに気づかなかった。


「残念!!もう終わりよぉ”1万キロ二ープレス”!!」

「ウギャアアアアア!」


 空から体重を1万キロ10トンに変えてドロフィーの上に落ちてきたミキータは彼女の頭を踏み付けて地面にめり込ませた。

 頭が潰れたみかんのようにならないのが不思議なくらいの衝撃を受けて生きているドロフィーは幸いと呼べるかもしれないが、意識は完全に失っていた。
 

「キャハハハハ!! どうよ…ボニー。こっちの方が懸賞金は上よ♪」

 
 ミキータはドロフィーを踏みつけたままボニーに向けて、形の良い胸を張る。

 
「チッ!あたし一人で余裕だってのによ。ゴジに褒めてもらえなく………ってなんでここであいつが手で組んだよ!」

「あっボニー!やっぱりあんたもゴジ君に褒めてもらう気だったわね!」

「うっせーよ!ちげぇよ。あたしは飯を奢らせるつもりだったんだ!」
 

 ミキータとボニーが取っ組み合いを始めると、ヒナは隙を見て飼い主である2人を助ける為に砲弾を吐こうとしたラッスーの口に腕を通過させて、口が開かないように鉄の錠で封じる。


緊縛(ロック)!」

「もごもご…!?」


 ラッスーは口が銃口となっているので、ここを封じられると砲弾を吐けないのだ。
 

「全く…私の言う事は全然聞かないし、飛び出して行った挙句に油断して、敵を目の前に2人で喧嘩してるなんて、あんたらいい度胸ね。」

「ギャン……!?」


 ヒナはイライラして口に咥えたタバコに火を付けながら、口を鉄の錠で封じたラッスーを蹴飛ばしてからゆっくりと彼女達に近付いて行く。

 もちろん、彼女のイライラの原因は未だに取っ組みあって互いの頬を引っ張り合っている部下達である。
 

「あんた達ぃいいーっ!歯ぁ食いしばりなさい!!“両手檻”!」

「「へっ?ぶべしっ!?」」


 ヒナは両腕を振り上げると同時に腕を伸ばして、鉄の檻に変えてそれぞれの手でミキータとボニーの頭を叩くと、ゴォ〜ンという除夜の鐘のような音が響くと同時に豚が潰れたような声が響く。


「いったぁーい!」

「いてぇぇー!」

「ふん…!ふぅ〜……。まぁとりあえず任務は完了ね。」


 ヒナは大きなタンコブの出来た頭を痛そうにしゃがみこんで両手で押さえる2人を見て少し気分がスッキリしてタバコを吹かしながら報告用の電伝虫を取り出した。

 
 ◇


 オフィサーエージェントMr.5ペアが指令を受け取る為にスパイダーズカフェを訪れた。


「あら、いらっしゃい。」

「ん?あんたはミス・オールサンデー。ポーラはどうした?」


 カウンターで客を出迎えたのは女店主のポーラではなく、黒髪の美女であるバロックワークス副社長ミス・オールサンデーだったので、黒色のチリチリのドレッドヘアに黒いサングラス、黒いコート姿のMr.5が訝しむ。


「まさか……ポーラを消したの?」


 Mr.5とペアを組む白銀のショートヘアに黒いサングラス、黒いコートを着て肩にマスケット銃を背負ったミス・バレンタインが状況から推察した。

 ポーラの正体はMr.1とペアを組んでいた“毒グモ”のザラですでに海底大監獄(インペルダウン)に投獄されているが、その情報を知らない彼女にしたら任務の受け渡し場所のマスターがいない理由は殺したからであると判断したのはいい読みだと言える。

 ミス・バレンタインはミキータがバロックワークスに入った際に用意されたコードネームだが、断ったことで銃の名手として裏社会で名前の知れていた彼女に与えれた。


「ふふっ。そうねあなたにも消えてもらおうかしら?“二本樹(ドス・マーノ)・クラッチ”!」

「なっ……(グギッ!)うっ……。」


 ミス・バレンタインの体から二本の腕が咲き、彼女の首を極めて意識を奪った。 


「貴様、何を……!?」


 Mr.5は相棒がミス・オールサンデーにやられた為、後ろに後退しながら技を放つ為に鼻をほじり出す。


鼻空想砲(ノーズファンシーキャノン)!」

「汚いわね。”八輪咲き……」


 Mr.5は鼻くそを指で丸めてデコピンの要領でロビンに向けて放とうとすると突然彼の体からも腕が咲きデコピンを放つ直前、その鼻くそを持つ指を自分のおでこに押し付けられた。


「汚ねぇ!?」

「……クラッチ!”そんなものを私に飛ばさないでくれるかしら?」

「う”っ……!?(ボンッ!)がふっ……」


 自分の鼻くそが、何故か自分のおでこに付いた事に慌てているMr.5の体に8本の手が咲くと、首・腕・足を掴み、体を反り返らせて背骨をグギッと音がするまで極めると、同時に額に付いた自分の鼻くそが爆発してMr.5は意識を落とした。


「ゴジ、これでようやく全部終わったわよ。」

「あぁ。ロビン、鮮やかなお手並みだったよ。これでバロックワークスって組織は表舞台に出る前に完全にこの世から消えたな。」


 ゴジは有事に備えて透明化能力を使って姿を隠してカフェに潜んでいたが、ロビン一人でMr.5ペアを拿捕した為、出番はなく手放しでロビンを褒めた。

 こうして知らぬ間に少しずつ構成員が拿捕されていったバロックワークスはニコ・ロビンの協力により、クロコダイルの拿捕から半年後には静かに完全壊滅したのだった。 
 

 
後書き

 
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