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星河の覇皇

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第七十九部第一章 気候と災害その二十

「しかしあの国にもヒューマニズムがある」
「それで市民生活まではですね」
「影響を及ぼさない様にしてだ」
「賠償金を決めましたね」
「そのぎりぎりでな」
「連合も甘いということでしょうか」
「甘いしだ」
「それにですか」
「賠償金で足枷を作るが」
 エウロパ経済そして財政にというのだ、戦争の後の賠償金にはそうした意味も多いのだ。戦利としてだけでなく。
「しかしだ」
「それでもですか」
「第一次大戦の教訓があったな」
「その一三二〇億金マルクの」
「あれがあってだ」
 それでというのだ。
「止めたのだ」
「あそこで、ですね」
「そしてだ」
「我々はですね」
「支払えるしだ」
「しかも足枷にもですね」
「されなくなった」
 復興してというのだ。
「連合には予想外だっただろうがな」
「閣下の経済政策の成功は」
「そうだろう、おそらく歯噛みしている筈だ」
 連合の者達、特に中央政府はというのだ。
「このことにな、しかしな」
「それでもですか」
「あの国はそれで動かないか」
「そうした国ではないですね」
 アランソもそう見ていて言った。
「どうにも」
「そうだ、歯噛みして終わるか」
「それよりも動きますね」
「あの国の者達は生命力がありだ」
 そしてというのだ。
「活動力もだ」
「あるからですね」
「この程度ではだ」
「終わりませんね」
「賠償金の効果が弱まってもな」
「我々に別の手段で何かしてきますね」
「そうした国だ、それに対してだ」
 連合のエウロパへの打つ手にというのだ。
「我々はどうするか」
「それが問題ですね」
「その通りだ、連合の打つ手についてだ」
「シュミレーションもしていきますか」
「そしてその全ての手に対してだ」
「対策を備えていきますね」
「対策を講じて備えてだ」
 そうしてというのだ。
「防いでいく」
「連合が何をしようとも」
「これからもな」
「わかりました、では」
「シュミレーションもだな」
「していきましょう、しかし思うことは」
 それはというと。
「エウロパの底力は」
「非常にだな」
「ありますね」
「そうだな、我がエルロパはだ」
「力のある国ですね」
「一千億の人口だが」
 連合の四十分の一でもというのだ。 
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