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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ

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6-⑹

 美鈴が相談したいことがあるというので、金曜の夜、店が終わった後に行った。もう、みんな帰っていた。お父さんも独りで先に帰ったみたいだった。

「ごめんね 仕事で疲れているのに」

「いいよ 美鈴だって、疲れているんだろう」

「私は、慣れっこになっているから あのね 相談ってね 従業員を増やそうと思うの 料理の人が1人とサービスは5時以降バイトで2人 営業時間を伸ばしたいの」

「えー 美鈴 倒れちゃうよ 朝早くから遅くまでなんて」

「それっくらい 頑張るよ それにね 朝は基本的に舞依ちゃんに任せようと思うの」

「うーん それは良いけどさ 売上と人件費 釣り合うのか?」

「あのね 私なりに、シミュレーションしてみたの どれだけ、利益上がるか 蒼に検討してほしいのよ 営業時間は、朝8時で終了はオーダーストップ10時の11時閉店」

 美鈴は、プリントアウトした紙を3枚僕に差し出した。仕事を終えてから、考えたのだろう。表とかグラフに朝の時間帯のメニューと原価計算など記されていた。

「もちろん 美鈴的には、大丈夫という試算なんだろう? じっくり、見させてもらっても、いいかなぁ 直ぐには、結論だせないよ」

「うん 見て 晋さんには、今でも、時間的にも負担掛けているし 晋さんに倒れられたら、大変だし、若手を育てておきたいの 舞依ちゃんにも負担掛けているし」

「確かに 拘束時間が長いよなぁー 晋さんも舞依ちゃんも良い人だから、よくやってくれてるけどな」

「そうなのよ いつまでも、甘えていられないわ 蒼 後ね 今のお店 狭くて、客数が限られてくるから、もっと、大きい所に移ろうと思っているのよ」

「美鈴 それは、まだ・・だろう? ここも、まだ1年経たないよ 今、調子良いのに、なんで、そんなに・・突っ走るんだよ」

「うん あの店のことがあるからかな 焦っているかもわからないね でもね、あの店に勝てたら、清音が見つかるかも知れないと思って」

「美鈴 まだ 会いたいのか? 忘れられないよな おとなしい子だったね素直で」

「あのね 前に、一度、バーガーショップで見たような気がするの でも、見た目が全然違ってて でも、キヨって呼ばれていたし、声が清音だったわ 何か、男の子の後ろに跨ってバイクで行っちゃったの それっきり 清音じゃぁないかも知れないし でも、元気なんかなって気になっているのよ お母さんだって・・」

「お母さんって 美鈴とお父さんを見放して・・」

「そうだよね でも、私を産んで育ててくれたお母さんなの」

「美鈴 お前の優しいのは昔から変わらないな だから、僕を虜にするんだよ」

 僕は、美鈴を抱きしめていった。彼女の口元からは甘い果物の香りがしていた。  


 
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