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ドリトル先生と幸せになる犬

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第十幕その八

「本当の愛情を知れば」
「だからふわりもですか」
「まずは隠れて様子を見ているんですね」
「そうです、そして」
 先生はさらにお話しました。
「これからです」
「決まっていることを見られますね」
「俺達はそうなんですね」
「はい、そうなりますので」
 それでというのです。
「このまま見ましょう」
「わかりました」
「それでじゃあ」 
 奥さんもご主人も頷きました、そしてです。
 動物の皆もでした。
 そのまま見守りました、ふわりは隠れていた場所から出て玄関の方に向かいました、するとでした。
 二人はふわりを見て笑顔になって言いました。
「ふわり、来たのね」
「さあ、今から帰ろう」
「赤ちゃんもいるわよ、見えるでしょ」
「家族も増えたよ」
「また私達と一緒に暮らしましょう」
「君は僕達の娘だからね」
「・・・・・・・・・」
 ふわりはまずは二人をじっと見ました、そして。
 二人からぷいとお顔を背けてでした。
 国崎さんのご主人の方にお顔を向けて尻尾を振って鳴きました。
「ワンワン」
「ふわりはうちにいたいか」
「ワンッ」
 その通りよと言っていることが先生だけでなく皆にわかりました、そして。
 ご主人が屈んで両手を差し出すとでした。
「ワンワンッ」
「パパママ大好き、私の家族だからとね」 
 先生はふわりの今の言葉を聞いて皆に訳してお話しました。
「言ってるよ」
「そう言ってご主人の懐に飛び込んだね」
「それもとても嬉しそうに」
「見て、今のふわりのお顔」
「とても安心して癒されていて優しそうだよ」
「あれが本物の愛情を受けて注いでそれに包まれている子の顔だよ」
 先生もお話しました。
「とてもいいお顔だね」
「本当にね」
「素晴らしい笑顔だよ」
「まるで天国にいる様な」
「そうしたお顔だよ」
 見ればふわりはにこりと目を閉じて口元もそうなっています。
 そしてです、ご主人に優しく抱き締められて尻尾も振っています。もう二人は一切見ていません。ふわりを抱き締めたご主人は二人と正対して言いました。
「こういうことだ、ふわりを捨てたお前等はもうふわりの家族じゃないんだ」
「くっ・・・・・・」
「わかったら帰れ、二度と来るな」
 こう言ってでした。右手でふわりを抱いたまま左手でしっしっ、と心の奥底から忌々し気で嫌悪と軽蔑に満ちたお顔でしてでした。
 ふたりを負い返しました、卑しい人達は為す術もなく帰り。
 後にはお塩が沢山撒かれました、ご主人は全てが終わってからリビングで先生に笑顔でこう言いました。
「俺もこうなるってわかってました」
「ふわりが彼等のところに行かないとですね」
「間違っても」
「そうですね、これでです」
「あいつ等がふわりのことで何かすることはないですね」
「いえ、誘拐もです」
 これもというのです。
「有り得るので」
「まだですか」
「注意が必要です」
「そうですか」
「誰かを頼ったりも。何しろふわりは人気があってお金にもなります」
 この二つのことがあるからというのです。 
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