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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ

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6-⑵

 4月の末の土曜の夜、昇二が連休明けに東京勤務で赴任することになったので、「ナカミチ」で送別会を開いた。美鈴は仕事中だけど、合間を見て参加するというので、比較的すいて来る8時からということにした。

 明璃ちゃんもバイトで入っていて、奥にいるが、不機嫌そうな顔をしていた。ところが、注文を取りに来て、光瑠は海老フライとクリームコロッケ、僕は、ステーキにしたのだが、昇二は「やっぱり ナカミチの味を覚えておこう」ということでハンバーグとクリームコロッケのセットと明璃ちゃんに言うと、明璃ちゃんは復唱して

「東京ハンバーグとクリームコロッケですね ライスか東京パンティがつきますが、どちらが良いですか」と聞いていた。昇二はしばらく、明璃ちゃんの顔を見ていたが

「花模様のパンティ」と、ボソッと答えていたが、明璃ちゃんはツンとして、戻って行った。

「なんか怒っている様子みたいだな 昇二 どうなん?」と、僕が聞くと

「うん 東京行くこと、伝える機会がなかったんだ 俺だって、3日前に聞いて、蒼に連絡したぐらいだったし」

 そして、ビールを頼んだ時、グラスを持ってきたんだが、昇二の前には、日本酒用の小さなグラスを置いた。

「明璃ちやん これは無いだろう」と、昇二が言うと

「あらっ ごめんなさいね 東京って、こういうんでビール飲むんかって思っていました」と、言って取り替えていたが

「ごめんね 昇二 あの子ったら 昨日から、ふてくされているのよ」と、光瑠が謝っていた。

「いいじゃぁないか 可愛いじゃぁないか なぁ 昇二」

「うん なんだか 恐いけどな 俺 なんか、言って無かったという負い目あるんだよなぁ」

 料理を持ってきたときには、昇二のパン皿には本当に花びらが散らしてあって、明璃ちゃんは

「東京のでーす あっちの女の子が、みんな、こういうのだと良いのにね」と、置いて行った。

「明璃 いい加減にしなさいよ いつまで、すねてんの」と、光瑠が叱っていた。

「だってさー 私 何にも、言ってもらって無いねんよ お姉チヤンから聞いて初めて・・」

「それでもね 明璃 好きなんだっら、気持ち良く送り出してあげなさいよ 昇二だって、気分悪いわよ」と、光瑠が言うと、明璃ちゃんは泣き始めていた。

「明璃ちゃん 奥で洗い物して居て お皿割らないでね」と、美鈴が明璃ちゃんを奥へ連れて行った。

「ごめんね 美鈴 みんなも あの子、昔から自分の思ったように好きにやってきたから・・でもね、ここで美鈴に仕込まれて、少しは、落ち着いたのよ でも、自分でも、昨日から感情が抑えられなくて、 昇二 ごめんね 気にしないで あの子の身勝手だから」と、言いながら、光瑠は最後は、晋さんの方を見ていたのだが

「いいや 僕も、悪かったんだよ 後で、謝っておく」と、昇二も言っていた。

「昇二 いよいよだな 今まで、ずーと一緒だったけど 1年後ぐらいには、別の会社だけど競い合っているんかな」

「そーだな だと良いけどな 俺なんかは、上から言われたこと、こなすだけかも知れないし 海外に飛ばされているかもな」

「ちょっと 昇二 今、そんなこと言ったら、明璃・・」と、光瑠は人差し指を口元に持っていっていた。

「光瑠も頼むぞ 弁護士か検事かわからないけど 将来、頼りにしているぞ」

「そんな 私も 平凡な女よ 今は、いい奥さんになれるよう、両方、勉強しているわよ」と、やっぱり、晋さんの方もチラチラ見ていたのだ。

「明璃ちやん いつもより、もう遅いし、上がって 昇二に送ってもらうといいわ ねぇ 昇二、お願い 向こうに行っても、身体に気を付けてね ちゃんと食べてよ」

「わかった 美鈴こそ、仕事し過ぎて、身体壊すなよ 夏には、又、来れると思う」

 二人が連れ添って、出て行ったあと、僕も、光瑠と舞依ちゃんと一緒に帰ることになった。

「明璃ちゃんて、真っ直ぐで、羨ましいわ」と、舞依ちゃんが言ったら、光瑠が

「我儘なだけよ」

「でも、人を好きになるって、我儘でいいんじゃぁないでしょうか」と、舞依ちやんが返すと

「そうね 我儘でいいのかもね」と、光瑠も納得していた。 
  



 
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