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星河の覇皇

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第七十八部第五章 さらなる近代化その四十一

「その野心が幾ら強くとも」
「サハラの中に留まっていますか」
「サハラを統一し豊かな国にしていく」
「そのことが野心で」
「連合に何かしようとしてまではです」
「考えておられないですか」
「あの方は技術は買うつもりでしょう」
 そうだというのだ。
「欲していても」
「自国の成長の為に」
「はい、サハラは連合のそれこそ普通にこちらが供与出来る技術でも」
「オーバーテクノロジーですね」
「そこまでの違いがありますし、それもマウリアやエウロパ以上に」
「供与されるもので充分で」
「我々から盗んでまではです」
 マウリア、特に副主席であるジャバルの様にというのだ。
「してこないでしょう」
「だからですか」
「ジャバル副主席はより危険な野心家です」
「連合にとっては」
「彼はマウリアだけでなくエウロパにも渡し」
「エウロパを強くして連合に対させる」
「そうしたお考えですから」
 それ故にというのだ。
「私は彼を危険視しています、しかもこれまで順風満帆な様で」
「政治家としての生活は」
「しかしです」
「実はですか」
「違う様な気がします」
「では」
「はい、多くの謀略を経て政争を勝ち抜いたのですから」
 そうした政治人生だったからだというのだ。
「ですから」
「失脚等もですか」
「そこまでいかずとも幾度も危うい時はあったでしょう」
「しかし勝ってきた」
「そう思いますと執念もかなりです」
 政治家としてのそれもというのだ。
「そうした執念の方は失脚しても」
「這い出てきますか」
「そうだと思います、不倒翁という言葉がありますが」
「鄧小平ですか」
 不倒翁と聞いてだ、士官はこの歴史上の人物の名前を出した。
「二十世紀後半の中国で毛沢東の次に権力を持った」
「あの人物はも何度か失脚しましたが」
「毛沢東後で、でしたね」
「中国の最高権力者になりました」
 ただし国家主席にはなっていない、表向きは国防委員長であったが当時の中国の八老の一人として中国の最高権力者であり続けたのだ。
「やはり政争を経て」
「文化大革命の時は命を落としそうにもなったとか」
 実際に同志だった劉少奇は紅衛兵達にいじめ殺されている、その最期は実に無残なものであったと言われている。
「それでもでしたね」
「生き抜いてです」
「時が来てですね」
「這い上がってきています」
「そしてジャバル副主席も」
「多くの政争を経て」
 そしてその中でというのだ。
「幾多の危機を乗り越え」
「そのうえで、ですか」
「今に至るでしょうし。どうもアウトカースト層の政府は」
 マウリアのこの政府はというと。 
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