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強気と根気

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第三章

 二組のバディは抜群の相性で仕事を進めて終えられた、そして南崎が二人のバディを組んだ相手に話を聞くと。
「もうどちらもな」
「いい仕事が出来たってか」
「それも楽しくな」
 二人は今度はお好み焼き屋で昼食を食べている、南崎はいか玉を食べながら海老玉を食べている同期に話した。
「言ってるんだよ」
「同じタイプ同士でやるとか」
「そうだったんだよ」
「成程な」
「ああ、正反対のタイプを組ませるよりもな」
「同じタイプの方がいいか」
「そんな場合もあるみたいだな」
 こう言うのだった。
「どうも」
「そうなんだな」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「有田君を守り、梨田君を攻めで使うとな」
 それぞれそうした仕事でというのだ。
「同じタイプと組ませるとな」
「駄目だな」
「守らないといけないのに攻めてな」
 明香はそうしてというのだ。
「梨田君はな」
「攻める時にか」
「守るんだよ」 
 音子はというのだ。
「その時はな」
「正反対のタイプ同士でか」
「組ませてるよ」
「それ大事だな」
「正反対の二人を組ませるとどっちも出来るけれどな」
 攻める仕事も守る仕事もというのだ。
「いつも組ませる訳にはいかないしな」
「それは難しいな」
「ああ、部下のバディを考えるのもな」
「楽じゃないな」
「相性とその時どうした仕事をするのか考えないといけないからな」
「楽じゃないな」
「ああ、自分の仕事もあってな」
 南崎はお好み焼きを食べつつ話した。
「部下のことも考えないといけないからな」
「仕事全体を見てな」
「主任でも部下がいるからな」
「ああ、楽じゃないよ」
 同期とこうした話をした、そして南崎は会社に戻るとすぐに部下全員を見た。男子社員も働いて明香と音子も同じだった。二人共真面目に働いていて彼もそれはよしと思った。そのうえで今度のバディの仕事では誰と組ませようかと考えた。


強気と根気   完


               2021・9・22 
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