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おっちょこちょいのかよちゃん

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158 蘇我氏の一族、再び

 
前書き
《前回》
 塩を巧みに操る男・黄巣を調理する能力を利用して撃破したかよ子達はその塩を使った料理を楽しむ。そして赤軍の長・房子は自分達の世界には既に杖、護符、杯がない事を知り、急いで本拠地へ戻る。そしてフローレンスは「ある目的」の為に清水の地を再訪していた!!
 

 
 さり達本部守備班は領土攻撃班が一部の地域を奪還したという報告を受けて守備範囲を広げていた。
「ここの方の敵は滅ぼされたようね」
 さりは長山、杉山の姉、まる子の姉、そして尾藤を連れて護符の能力(ちから)で出した飛行機で周囲を飛行していた。
「しかし、廃墟みたいな感じたいな」
「まあ、すぐに復興は無理だよ」
「それにしても、すぐに取り返そうとする敵がいるのかしら?」
 さきこは気になった。
「取り返した地を放っておいたら相手に取り返されやすくなるわ。だからこうして本部守備班(わたしたち)が守る範囲を広げる必要があるのよ。それに・・・」
 さりは見回した。
「もうあそこに攻め入った敵が来てるのよ」
「え!?」
 もと子が下を見た。その時、通信が鳴る。
『こちら羽柴奈美子。さり、聞こえる!?』
「お母さん!?」
『今、そっちに敵が来ているの、解る?』
「うん、見えるわ」
『今、イマヌエルから聞いたけど、そいつらはアブー・アブドゥッラーっていう人よ。交戦する事になるわ』
「了解。今、片付けてくるわ」
 さりは通信を切った。
「皆、今私のお母さんから連絡あったから聞こえてると思うけど、あそこに今、アブー何とかって奴がいるわ。返り討ちにするわよ」
 さりは飛行機を降下させる。長山はその近くにいるアブー・アブドゥッラーとかいう男を神通力の眼鏡で確認する。
「あれだね」
 長山は念力でアブー・アブドゥッラーを金縛りにしようとした。ところが、急にアブー・アブドゥッラーの姿が消えた。
「え?消えた!?」
「もしかしたらそいつの能力かもしれないわね」
 さりは護符の能力を発動させる。探知機のような物を出現させた。
「これで奴等の場所が解るわ。近づく度に音が鳴るの」
 さりがそう言った瞬間、探知機がブー、ブー、とやかましく鳴った。
「え・・・。もう近くに・・・!?」
 その時、七つの方向から槍が飛んできた。槍とは思えないほどに飛行機が木端微塵にされる。
「あ、あああーーーー!!」
 皆は飛行機が破壊された勢いで落下した。その時、長山の神通力やさりの防御による武装の能力(ちから)、さきこのエメラルドによる防御の力が働いたおかげで、皆は無傷で地に降りる事ができた。しかし、どこを見回してもアブー・アブドゥッラーの姿が見えない。
(どこにいるの・・・!?)
 さりはいつ、自分の護符が奪われるか解るものではなかった。
「私が!」
「僕も行くよ!」
 長山は神通力の眼鏡で透視能力を利用した。アブー・アブドゥッラーの姿を捜す。アブー・アブドゥッラーはさりのすぐ傍にいた。
「あそこだ!」
「了解!」
 もと子は石松から貰った玉でアブー・アブドゥッラーに気付かれないような攻撃を行った。しかし、攻撃が通用しない。
「ああ、そうか、機械の能力(ちから)ね!」
 そして姿を消した状態のままアブー・アブドゥッラーはさりの護符を取ろうとする。しかし、護符の所有者が急に姿を消した。そして、護符の所有者の姿が急に何人にも増えた。
「分身の術を使った!?」
 さきこは護符の能力に驚いた。
「さあ、アブー何とか!?姿を見せなさい!でないとこの護符は渡さないわよ!」
(どっちにしても渡す気ないけどね・・・!!)
「そんな手に引っ掛かるか・・・」
 アブー・アブドゥッラーは一向に姿を消したままである。
(どこまで陰険な奴・・・!!)

 とある屋敷。二人の男は攻める用意を考えていた。
「馬子。今、杖の所有者がこの近辺に来ているという情報が入った。今度こそ攻めに行くぞ」
「はい、父上。あの時は助けが沢山来た上に窮地に陥りましたが、今は赤軍から貰ったこの道具があればなお無敵・・・。それに倒された蝦夷と入鹿の敵を取る絶好の機会と見ております」
「今度は我も前線に立つ。怯まず進むぞ!」
「はい!」
 この二人は(かつ)て清水の地を訪れた蘇我氏の一族の者であった。杖の奪取に一時的に成功し、更には護符の所有者の居場所の情報を知る事に成功した者達である。とはいえ、杖はすぐにとある高校生男子に取り返され、一族のうち二人をその清水での戦いにおいて失ってしまったのだが。

 本部の一室。かよ子の母はまた娘がいる藤木救出班に敵が近づいているのが解った。
「あら・・・」
「まきちゃん、どうしたん?」
「かよ子の所にまた敵が来てるわ・・・!!」
「どれどれ・・・?この二人は・・・!!」
 イマヌエルは脳裏に思い浮かべた。
「これは蘇我氏か!」
「蘇我氏・・・!?」
「ああ、清水に忍び込んで善人面して山田かよ子君に護符の場所を喋らせて杖を奪ったという奴等だ。おそらくその時に倒された仲間の敵討ちを兼ねて杖を狙ってきているのかもしれない」
「解ったわ、今すぐ連絡するわ!」
 まき子は通信機を使用した。

 かよ子達藤木救出班は通信機が鳴っているのに気づいた。
「こちら藤木救出班だ」
『その声は大野君ね?かよ子の母です』
「お母さん!?どうしたの!?」
 かよ子は母が連絡してきた事で驚いた。
『かよ子、「蘇我氏」って覚えてるかしら?』
「ソガシ・・・?」
 かよ子はふと思い出した。蘇我氏とは清水市にも訪れた事がある。その内の入鹿という人間に騙されて護符の場所を教えてしまい、杖を奪われた失態を思い出す。あの時はすみ子達やまる子の援護もあり、入鹿と蝦夷を滅ぼす事に成功したのだが、あと一人、馬子は取り逃がしてしまった。その上、三河口から杖を簡単に盗られた事や護符の所有者の居場所をばらしてしまった事を激しく叱責された。嫌な思い出が脳裏に(よみがえ)る。
「お母さん、思い出したよ。思い出すだけで腹が立って来た・・・!!」
「うん、でも怒りすぎでおっちょこちょいしないようにね」
「うん・・・!!」
 母に言われてかよ子はおっちょこちょいに気を付けようと思った。
「ソガシ・・・?誰だっけ?」
 当時現場に居合わせていた筈のまる子はその事を忘れていた。
「あの時だよ、私の杖を盗った人達!私達が合唱コンクールの練習してた時だよ!」
「ああ、あの時かあ・・・」
「そのソガシってどんな美人さんかね~?」
 友蔵は場違いな発言をした。
「おじいさん、蘇我氏ってのは殆ど男ですよ」
 椎名が突っ込んだ。
「え・・・」
 友蔵はその場で凍り付いた。
「兎に角、やられる前にやるしかねえな!」
 大野は草の石を使って木の葉の手裏剣を発射した。のり子の人形も手から光線を出して迎撃を試みた。その時、撥ね返される様子を確認した。
「向こうだ!」
「よし!」
 関根は刀で突風を引き起こし、攻撃した。しかし、撥ね返された。その時、関根の身体が急に動かなくなった。
「な、何だ・・・!?身体が動かん・・・」
「え!?」
「あの時の我々とは違うぞ!!」
 蘇我氏の二名がかよ子達の方に近づいて来た。
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」
 かよ子はあの忌々しい思い出が蘇る。ブー太郎が火炎放射を、大野は草の石の他、雷の石も使用し、椎名も玉で周囲に塩を満たせて攻撃する。しかし、二人の念仏によって全てが撥ね返される。
「さあ、貰うぞ。小娘、お前の杖もな。南無阿弥陀仏・・・」
 かよ子は警戒心を高めていると共に身体がこわばって震えてしまった。
(この威圧感・・・。前に会った時とは違う・・・!!) 
 

 
後書き
次回は・・・
「杖を再び狙う」
 蘇我氏の稲目と馬子の威圧の能力(ちから)や念仏で手も足も出せないかよ子達。そしてアブー・アブドゥッラーの姿を消す術に翻弄されるさり達。杖の所有者と護符の所有者に攻略の術はあるのか・・・!? 
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