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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百六十五話

 
前書き
ヘルシングOVA見ました。参考にするかもしれないです。とはいえ既に臥煙派出てますからね。 

 
箒が暦さんをボコボコに伸した後、箒に抱えられて帰宅した。

「さて、私は少し推移を見守ってくる。お前はメティスサイトで見ていろ。
いいか絶対に来るなよ。ややこしくなるからな。いいか絶対だぞ。フリじゃないからな」

箒は俺にキツく言いつけると、また雨の中に繰り出そうとした。

「箒、育さんが勝ったら一応コレを渡しといてくれ」

元々蛇神化した千石が暦さんに勝ったら渡す予定だったコアを渡す。

中身はいつぞや翼さんに渡した物の簡易版。

武器は無いがある程度インフラを整えられる物。

発電機やルーター等だ。

「お前の予想では千石がこれを受け取る予定だったのか?」

「ああ。そうだ」

「そうか。ふむ……ポジティブに考えよう、一夏。
怪異化したのが育さんでまだ良かった。
直江津高校の三年生ならもう自由登校の時期だ。
義務教育の千石より幾分都合は付くだろう。
それに、暦さんにもいい薬だろうさ」

コアを手に取った箒が再び外へ。

メティスサイトで箒を追いつつ、北白蛇神社へ目を向ける。

side out









北白蛇神社の、本殿に登る階段。

老倉育はそこで愛しい人を待っていた。

元々短かった髪は長く伸び、あらゆる光を弾くように白く輝きたなびく。

目は赤く輝き、元々白かった肌は一層白い。

白蛇を飲み込み、神になったその姿は儚さと強さという相反する印象を持ち、人外の美しさを放っていた。

その紅い虹彩が真っ直ぐと見つめる先。

赤い鳥居と、そこから続く階段。

「よう。来たぜ。育」

「うん。まってたよ。暦。忍ちゃん」

阿良々木暦と忍野忍。

妖刀心渡を二刀流で構えた二人が、鳥居を潜る。

「老倉育。僕はお前を振りに来た」

「うん。知ってるよ。暦の事は全部知ってる。誰よりも。暦自身よりも」

スッと立ち上がった育の髪が、重力に逆らうように持ち上がる。

十数ごとの髪が一束になり、蛇へと姿を変える。

その姿はさながらメドゥーサだ。

「ところで撫子ちゃんは無事だったかな?」

「ああ。無事だよ。一夏くんが治してくれたらしい」

「そ。なら帰ったらごめんって伝えといて」

「いや、ちゃんと自分の口で謝れ」

「暦が言うならそうするよ。でも、それは今日じゃない」

ぺたりぺたりと階段を降りた彼女が、参道に足をつける。

「そういえば昔こんな感じのウルトラマンいたよね」

「え?」

「構えろお前様!」

両足で大地を踏みしめた彼女が、頭を大きく振りかぶって頭突きのように頭を突きだす。

勢いが付いた髪が、蛇が、その勢いのまま伸び、二人に殺到する。

その数、約一万。

暦と忍が心渡の二刀流で弾こうと試みるが、そんな物は圧倒的な物量には焼け石に水である。

初撃を受け切る事もできず、全身を串刺しにされる。

腕を、肩を、腹を、足を。

二人を貫き、赤く染まった白蛇がズルリと抜かれた。

全身から血が吹き出す。

物質創造能力で顕現された心渡が手から零れ落ち、消失する。

支えを失った二人が、バタリと倒れた。

「もうちょっと。頑張ってくれると思ったのになぁ」

1万匹の蛇はするすると縮み、元の白髪に戻った。

彼女が白髪を梳くと、手にはべっとりと血が付着する。

その血をペロペロと舐める様子は仔犬の様に愛らしい物か、娼婦の愛撫のように淫靡な物か。

「あまり無茶な注文は止したほうがいいと思いますよ」

上方からの声に一匹蛇を差し向ける。

その鋭い一撃は甲高い音と共に弾き返された。

「あら、箒ちゃん」

降りしきる雨を見上げるように鳥居の上を見上げる育。

そこに居たのは金色の髪と尻尾を揺らめかせる箒だ。

白蛇を弾いた障壁は雨さえ防ぎ、一滴の雨すら濡らすことは叶わない。

差し向けた蛇を髪に戻しながら、育が話しかける。

「箒ちゃんも私を連れ戻しに来たの?」

「私にそのつもりはありませんよ。ただ、暦さんに発破をかけたのは私なので」

「そっか。ありがとう」

「二人は連れ帰りますが、いいですね?」

「うん。大丈夫だよ」

「それと、一夏から差し入れです」

箒が放り投げたコアは蛇で編んだネットで受け止められた。

「もうっ危ないじゃない」

「失礼しました。中身はインフラに必要な物だそうです。暇つぶしなり勉強なりに使ってください」

「わぁ。ありがとう。スマホしか持ってなかったからどうしようかなって思ってたの」

箒が高度を下げ、ふわりと着地した。

血塗れの二人をそっと脇に抱える。

「では、私はこれで」

「ありがとね。ばいばーい」









side in

11月の半ば。

未だに蛇神は撃破されていない。

今日も今日とて二人は殺し愛中。

様子を見に行った箒が言うには育さんは暦さんが絡まなければまともだったそうだ。

更に構ってもらえて嬉しそうだったとか。

育さんが満足するまでこのままだろう。

なお育さんは箒の手によって日に日に強化されている。

面白がって篠ノ之流剣術や気功などを仕込んでいるようだ。

このシナリオは忍野扇が書いたものなのだろうか。

それともシナリオから外れた出来事なのだろうか。

仮にシナリオから外れた出来事だとして、忍野扇は再び千石をターゲッティングするんだろうか。

だめだ。何もわからない。

忍野扇が絡むと毎回思考を先延ばしにしている気がする。

だがそれも仕方ない事なのだ。

何もかもが思い通りに行くことなどないし、すべての情報を持っている訳でもない。

その情報も、まぁ、得ようと思えば得られるが、それは俺が俺に課したルールに反する。

他人の心を覗かないというルールに。

考えてもどうしようもない事は取り敢えず後回し。

今できる事といえば。

コアの機能を使い、束さんに通話をかける。

「計画どのくらい進んだ?」

ホロウィンドウ越しに束さんに尋ねる。

『んー。まぁまぁかな。全体は予定より3%早く進んではいるよ』

「それは上々」

『ただ、いっくんがこの間ねじ込んだやつはまだ手つかずだよ』

「アルカナムプロジェクトは後回しでいいよ。プトレマイオスⅡの進捗は?」

『地下ドックで5隻建造中。完成まであと一月くらいかな』

「地上施設の方は?」

『そっちは結構進んでるよ。十日以内に完成予定』

「なるほどね…。で難民受け入れ施設は?」

『もうできてる。そこは最優先でやったからね』

「さすが束さん。仕事が早い」

まだあっちに行って数ヶ月なのにもう地上施設ができてるのか。

「国連の支援は?」

『え?あのクソ共がなに?』

「ああ。だいたいわかったからいいや」

全世界規模の地雷撤去と難民の受け入れを条件に国連からぶんどった土地が西サハラだ。

難民受け入れの施設は完成、難民護送船団ももうすぐ完成。

西サハラを貰ったとき国連に出した条件の一つに食糧支援等がある訳だが、束さんの口ぶりからして難癖つけて撤回したいのだろう。

やっぱ地雷撤去の時に”すべての”地雷を消し去ったのがまずかったか。

結局国連常任理事国ってのは軍事大国だからなぁ。

持ってる兵器壊されりゃ怒って当然か。

「となると食糧プラントの増産か」

『そうだね。計画が少し遅れちゃうかも』

「日本に支援でも求めるかなぁ」

『見返りは?』

「アルカナムのプライオリティ2と軍事協定を裏で。表では合成及び代替レアメタルの提供」

アルカナムプロジェクトはレイヴを世界各地の潮目などに配置し世界規模で気候をコントロールする計画だ。

レイヴ搭載型簡易オブジェクトを配置する。

HOのアマテラスの機能拡張版だ。

これにより温暖化を抑制するだけでなく、気象災害を抑制することも引き起こすこともできる。

毎年毎年台風に悩まされる日本への見返りとしては十分過ぎよう。

なおプライオリティ1は当然西サハラ周辺だ。

『あげすぎじゃない?』

「国連へのあてつけ込みだし。裏協定だし」

『じゃぁそこらへんはいっ君主導でお願い』

「はいはい」

取り敢えず首相に付けてるリムシィにこちらの意向を伝えてから考えよう。

この3つ以外に何か要望があれば飲む用意はある。

俺とて祖国への愛があるからな。






「あ、総理のための胃薬用意しなきゃ」

『ふふ、それもそうだね』
 
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