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夢幻水滸伝

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第二百十二話 東南アジア統一その十

「そして地理に詳しいモンから話を聞いて」
「それで、ですね」
「見極めるか、そしてシェリルさんが戦場を言ってきたら」
「その時にですね」
「そこを調べる」
 戦場をというのだ。
「あらためてな、ただその前にな」
「候補地はですね」
「調べてく、今は使者を送りつつそうするで」
 こう言ってだった。
 リーは実際にオセアニアそれに東南アジアの地図を見つつオセアニアに使者を送ってそのうえでだった。
 返事を待った、そして。
 シェリルは使者として自分のところに来たズーに笑って答えた。
「一戦、それで恨みっこなし」
「それでええですね」
「望むところや。ただ」
 口元だけを笑わせた、目は笑っていなかった。
「戦う場所、戦場はな」
「それはですか」
「こっちで決めてええか」
「こちらの申し出を受けて」
「政は相互利益やろ」
 やはり目は笑っていない、実は敢えてそうしているのだ。
「そやろ」
「確かに」
 ズーも否定しなかった。
「こっちが出来るだけええもの手に入れるのもですが」
「そこはやり取りや、そしてな」
「それで、ですね」
「そっちの条件は飲むからな」
「そちらの条件もですね」
「飲んでもらうで」
 こうズーに言ったのだった。
「ええな」
「そしてその一戦で、ですね」
「決めような、ほなそのことをな」
「これからですね」
「リー君に伝えてくれるか」
 その彼にというのだ。
「ええか」
「これよりですね」
「そや、頼むな」
「ほなそういうことで。ただ」
 ズーも笑っている、だが。
 彼女も今は目は笑っていない、豹の目でシェリルを見てそのうえで彼女に対して明るいがそこ剣を含んだ声で述べた。
「勝つのは」
「オセアニアやで」
「そう言いますか」
「そのつもりでこの申し出受けたしな」
「そうですか。ほなその一戦でな」
「首洗って来るんやで」
「お互いにですね」
 ズーも負けていなかった、今は二人も目は笑っているが。
 凄まじい殺気が漂っていた、それには。
 護衛としてその場にいる兵達も戦慄した、だが会談は終わり。
 ズーも帰った、その後でダーガーはマーガレットに言った。
「凄い会談やったね」
「ほんまやったわ」
 マーガレットもこう言った。
「今のはな」
「凄まじい殺気を放ってたな」
「シェリルさんもズーちゃんも」
「ええ会談やったな」
 そのシェリルは笑顔で述べた。
「実にな」
「あの、まさか」
 ハウオファは引き攣った笑顔でシェリルに問うた。
「ズーさんが何かしてきたら」
「ああ、それはなかったわ」
「ズーさんもですか」
「ここは戦場やないからな」
 だからだというのだ。
「あの娘もや」
「何もしませんか」
「今はな、そやからお互い殺気を放ったけど」
 それでもというのだ。 
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