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イベリス

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第二十一話 勉学もその二

「特に英語はね」
「じゃあ大学もう私立にしたら?」
 母はこう提案した。
「それなら」
「私立?」
「学費は出せるから」
 私立は学費が高いがというのだ。
「そうしたら?」
「いいの」
「国公立だけじゃないでしょ」
 大学はというのだ。
「だからね」
「それでもいいの」
「大学行けるなら行った方がいいわよ」
 娘にこうも言った。
「行きたいならね」
「私も大学行きたいけれど」
「それで教員免許欲しいのよね」
「博物館の学芸員と図書館の方もね」
 そうしたところに就職出来る様にというのだ。
「大学に入ったら」
「全部取りたいのね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「私も取りたいけれど」
「それなら私立でもいいから」
「そうなの」
「確かに国公立は学費安いし」
「大学のランクも高いってね」
「されてる大学多いわね」
「東大は別格として」
 日本最高峰とされるこの大学はというのだ。
「やっぱりね」
「国公立の方がいいわね」
「だからね」
「国公立行きたいのね」
「そう思ってるの」
「だからなのね」
「ええ、数学の成績を上げて」
 そしてというのだ。
「行きたいけれど」
「難しいのね」
「どうしたものかしら」
「まあね、勉強して」
 アドバイス出来ないなりにもだ、母は娘に親として話した。
「教科書の問題を何度も解いておくとか」
「そうしたらいいの」
「どうかしら」
「教科書を何度も読んだら覚えて」
「成績よくなるでしょ」
「それはね」
 咲は目玉焼きを食べつつ頷いた。
「そうね」
「だったらね」
「教科書の問題解いていくことね」
「そいうしたらいいわ」
「そうなのね」
「それ位しか言えないわ」
 娘に眉を曇らせて話した。
「高校の数学については」
「そうなのね」
「ええ、今日も数学あるの?」
 授業のことも聞いた。
「そうなの?」
「あるわ」 
 実際にとだ、娘は母に答えた。
「それもね」
「そうなのね、それじゃあ頑張って授業聞いて」
「教科書の問題を何度も解くことね」
「予習復習をして」
 そうしてというのだ。
「やっぱり勉強することよ」
「それが大事なのね」
「別に教え方下手な先生じゃないでしょ」
「別にね。というか」
 咲は中学一年からの数学の授業を思い出しながら母に答えた。 
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