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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第二章 青年期
  第四十八話

 アラバスタ王家の暮らす王宮は白く美しき壁に黄色の玉ねぎ型の屋根が並ぶ一言で表すからディ〇ニー映画の「ア〇ジン」の宮殿である。

 宮殿に到着したゴジ達を出迎えたのは白い布を頭に巻きた白を基調としたゆったりとした服を着た肌が極端に色白の痩躯の男だった。


「ゴジ准将、カリファ大尉いらっしゃいませ。私は護衛軍副官のペルと申します。ここからは私も同行致します。」
 

 カリファはペルの名前を聞いて頭を下げる。


「お噂はかねがね。アラバスタ王国最強の戦士“ハヤブサ”のペル殿に案内していただけるとは恐悦至極です。」


 動物(ゾオン)系悪魔の実、トリトリの実モデル(ファルコン)の能力者である彼は世界でも僅か5つしか確認されていない飛行能力を持つ悪魔の実の能力者である。

 隼のような目にも留まらぬ猛スピードでの飛行が可能であり、その飛翔速度は音速を超え、ゴジと同じように細身ながらも無駄なく鍛え上げられた靱やかな肉体を持ち、隼のスピード、パワーを併せ持つ彼こそアラバスタ王国にその人ありと言われるアラバスタ王国の護りの要である。


「ご謙遜を……あなた方には護衛は必要ですらないでしょうが、王宮にいる間の守護は私どもにお任せください。」


 自分の強さに自信を持つペルだからこそ、“麒麟児”と称されるゴジだけでなく、“秘書”カリファにすら自分では敵わないと一目で気付いてしまった。

 当然、互いの力量差を見抜いたのはゴジも同様である。


 ───“ハヤブサ”のペル。やはり動物(ゾオン)系にありがちな能力頼り。この国最強の戦士とはいえコアラ程度か。


 ゴジは必要とあらば王家との敵対も視野に入れているのでこのタイミングでアラバスタ王国最強の戦士ペルの実力を知れたのは僥倖であった。
 

「さぁさぁ、立ち話もなんでじっ……ゴホン…マーマーマーマ〜♪なんでしょうから、中へとうぞコブラ王もお待ちです。」

「お二人共こちらです。」

「あぁ。」

 
 ゴジは先導するイガラムとペルに続いて宮殿に入り、玉座の間に入ると玉座に座る黒髪をオールバックにした中年のダンディな男性とその男性の座る玉座の隣に立つ空色の美しい長い髪を持った14歳くらいの少女が立っていた。

 彼等の立ち位置から男性がアラバスタ王国国王ネフェルタリ・コブラと隣にいるのが王女ネフェルタリ・ビビであることは誰の目にも明らかである。

 
「ようこそアラバスタ王国へ。“麒麟児"ゴジ准将。そしてそちらの美しい方が噂の“秘書”カリファ大尉だな。はじめまして私がアラバスタ王国国王ネフェルタリ・コブラだ。」
 

 ゴジの姿を見たコブラは立ち上がり、柔和な笑みを浮かべて両手を広げてゴジの元へゆっくりと歩を進めてアラバスタ王国来訪を歓迎する。

 2人は固く握手を交わして互いの邂逅を喜びあった。
 

「准将のゴジだ。はじめましてコブラ王。会えて嬉しいよ。そちらにいる将来間違いなく美人になると断言出来る美少女がビビ王女かい?」


 ゴジはコブラと笑顔で握手を交わしてからビビに近寄って挨拶しようとすると、コブラはビビの前に慌てて移動してゴジとビビの間に両手を広げて立ちはだかった。
 

「コブラ王、何を?」

「パパ!?」


 ゴジがコブラの行動を訝しんでいると、父に庇われたビビが慌てるが、コブラはキツくゴジを睨み付ける。


「いくら君でも娘はやらんぞ!そんなエロい秘書がいるのに娘にも手を出そうというのか!?」
 

 娘を溺愛するコブラは“女好き”のゴジの魔の手に掛からないように必死であるが、カリファに対しての本音が漏れているところを見ると、ゴジとコブラは本質的には同類のようだ。


「こんな可愛い子を前にして挨拶しねぇ男なんている訳ないだろうがオッサンはお呼びじゃないんだよ!少し下がってろよ。」

「やはり本性を出したな。この“女好き”め!?」


 ゴジとコブラは互いのおデコを突き合わせて罵倒し合いながら、睨み合った。

 ゴジは“麒麟児”の異名の他にも、女性に囲まれて鼻を伸ばすだらしない顔で女性を口説いている写真が度々世界中に広まり“女好き”という悪名の方も広まっている。
 

「こら!コブラ王!この親バカエロ親父が!(ガンッ!)」

「准将、あなたは綺麗な女性を見てすぐにがっつかない!セクハラですよ!(ガンッ!)」


 事態の収集を図るためにほぼ同時にイガラムがコブラ王の頭にゲンコツを落し、カリファがゴジの頭にゲンコツを落とした。


「「いでっ!?」」


 イガラムとカリファは目線を交わし、それだけで互いの苦労を察して互いに苦笑しながら軽く頭を下げた。
 

「あはははは!ゴジ准将もお父様も一体何してるのよ。あはははは!お腹痛い。」

「「「わはははは!」」」


 自国の王と来賓が互いの腹心に頭を小突かれて頭を押さえて痛がっている光景にビビだけでなく、警備にあたっている近衛兵達も笑いを堪えきれずに玉座の間が笑いに包まれた。
 

 《カリファ、コブラ王は今回の事件には無関係だ。捜査への協力を仰ぐことにする。》


 ゴジは頭を押さえて蹲りながら玉座の間だけてなく、見聞色の覇気により宮殿の様子等も探り、立ち上がると同時にカリファに“電話”で今後の方針を伝えると彼女は表情を変えずに一度頷く。


 ───いい国だ。そして何よりもコブラ王は多くの兵士や国民から慕われる慈愛の国王だな。


 見聞色の覇気を極めたゴジだからこそ、父ジャッジのように威厳を持って国を率いるのでなく、優しさで包み込み、民に寄り添いながら共に歩もうとするコブラの王としての……いや人としての在り方が心地よい。

 だからゴジはそんなコブラは国民から雨を奪うような王ではないと断言出来る。


「准将、バカな父でごめんなさい。悪い人じゃないんだけど……少し子煩悩なのよ。」

「少し?」

「いえ……かなり子煩悩かも……はぁ……。」


 ビビ王女はゴジに駆け寄って父の非礼に対して頭を下げるが、親バカすぎる父コブラに溜め息が出るほど呆れていた。

 当のコブラは頭に大きなたんこぶを作ったまま座り込んでイガラムからガミガミと説教を受けている最中であった。
 

「気にしてないよ。ビビ王女。この国はあの王様が治めているからとてもいい国なんだろう。君はこの国が好きかい?」
 

 ゴジは今なおイガラムに怒られてシュンとなってるコブラ王とそれを見て心配するどころか、兵士や給仕達みんなが本当に楽しそうに大笑いしている光景を見て、自分の判断がやはり間違ってないことを確信した。
 

「ええ。愛してるわ!」


 そしてゴジの問いに満面の笑みで断言するビビの笑顔を見て、さらにこの国を必ずバロックワークスの魔の手から救う決意を固める。


「そうか…それはよかった。ならば俺は今この国で起きてる問題について全力で解決すると誓うよ。」

「まさか……それって最近起き始めた内乱のこと?」

「あぁ。この内乱はどうやら人為的に引き起こされたものである可能性が高いから、俺はそれを解決する為にこの国へ来たんだ。」

「そんな!?でも、ゴジ准将が居てくれたら百人力よね。」
 

 ビビと会話しているゴジが視線に気付いてコブラ王を見ると、彼はこの世の終わりを目の当たりしたような顔を浮かべて両膝と両手を付いて涙を流していた。
 

「な…ビビがゴジ准将のことを愛しているだと……それに楽しそうに内緒話までしているなんて!?うわああぁぁぁん。大変だぁぁぁ国の一大事だ!!ビビが史上最悪の”女好き”の餌食になってしまう。」

「ちょ…ちょっとパパ誤解よ!」
 

 コブラ王はビビとゴジの会話を断片的に聞いて盛大な勘違いを起こしていたようで、弁明する為に慌てた様子でビビがコブラ王に駆け寄る。
 

「お父さん、娘さんを俺にください。」


 ゴジは何やらコブラが勘違いしている事に気付いた上でしっかりこの流れに乗って姿勢を正して腰を90度折り曲げて頭を下げると、間髪入れずにビビからツッコミが入る。


「ちょっ……ゴジ准将、貴方も悪ノリしないでよ!?話がややこしくなるじゃない。」


 ゴジはビビもツッコミに対して悪びれもせず、いい笑顔でサムズアップで返す。


「ナイスツッコミ!!」

「ダメだわ……この人、完全に面白がっている。」


 ビビは諦めた表情でゴジを無視して必死でコブラへの弁明始めるとそれを見ていたゴジはビビのツッコミスキルについて冷静に評価を下す。


「ビビ王女はコアラに匹敵する逸材だな?」


 それを聞いたカリファは頭を抱える。


「准将、貴方はアラバスタ王家に何の協力を求める気ですか?」


 一応敵陣に乗り込むつもりで緊張してきたゴジの緊張の糸は既に粉々に切れ、ゴジはとうとう堪えきれずに笑いだしてしまう。

 
「わっはははは!!見ろカリファ、あのオッサンまだ泣いてるぞ。」

「はぁ…准将、あれでもこの国の国王なのです。外交問題に発展しても私は知りませんよ。はぁ……。」
 

 コブラは今なお膝を付いて天を見ながら声を上げて泣いており、ゴジが一国の王に対して指を差して笑っているのを見て、カリファはこの場から一刻も早く逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。


「この親バカがちゃんと話を聞け!」

「コブラ王、先程のはゴジ准将の冗談ですよ。元気を出してください。ビビ様はまだお嫁に行きませんよ!」

「パパ!パパったら、もう……ちゃんと話を聞いてよぉ!」


 イガラム、ペル、ビビの必死の説得で心ここにあらずといったコブラが復活したのはこれよりさらに数十分後のことだったという……。 
 

 
後書き
アラバスタ王国いい国ですよね〜。

真面目な話は次回からです。 
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