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伴装者番外編

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大好きの理由って、なに?(グレ響バースデー2021)

 
前書き
響とグレの誕生日だゴラァァァ!!

本編は一旦お休みして、今日はめでたい日を祝いましょう!!
響ーーー!!グレーーー!!誕生日おめでとう!!!!! 

 
平行世界、某市内ショッピングモール

「これなんかどうかな?」
「うん、きっと響に似合うと思うよ」
「じゃあ、これに決まりだね。未来さんのは?」
「じゃーん、モコモコのマフラーだよ」
「おお!可愛いしすごく暖かそう!」
「でしょ~?これなら響も寒くないよね」

このセーターとマフラーを着た響さんを想像する。
夜景を望みながら、こちらを振り向き微笑む響さん……いい……!すっごくいい!

流石は未来さんだ。響さんに似合う服を、他の誰よりも知っている。響さんのプレゼント選びに、ここまで頼もしいアドバイザーはいない。

「ありがとう未来さん。手伝ってくれて」
「響の誕生日だもん。いくらでも付き合うよ」

会計を済ませ、それぞれラッピングしてもらう。

今日の僕は、明日に迫る響さんの誕生日に向けてプレゼントを買いに来ている。
響さんにはサプライズにしたいから、板場さん達にも協力を頼んで遊びに誘ってもらった。今頃、隣町のカラオケボックスで熱唱している頃だろう。

「ねぇ、翔くん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「別にいいけど……?」

買い物を終えて店を出ると、未来さんが真っ直ぐにこちらを見つめながらそう言った。

なんだろう、と僕は首を傾げながら僕は足を止める。

「翔くんは、響のどんな所が好き?」
「どんな所、かぁ……」

未来さんに言われて、改めて考える。

あの日、僕は響さんと想いを交わして恋人になった。
具体的にどんな所がって好きかと言われると、言葉にするのにちょっと時間がかかってしまう。

うーん……響さんの好きな所かぁ……。

「本人は意地張ってるけど猫さん大好きな所とか、実は結構甘えん坊な所とか……いっぱいあり過ぎて選べないや」
「ふむふむ……」
「でも、やっぱり一番の理由は……」
「一番は?」

僕が響さんの事を一番好きな理由。それは……

「誰よりも優しくて、困ってる人に手を差し伸べようとする所かな。でもちょっと不器用で、他人からの優しさにはついつい意地を張っちゃうからほっとけない。だから、隣で支えてあげたいんだ」
「響のこと、どのくらい大切なの?」
「一生かけて守ってあげたい……いや、支え合っていきたい人だよ。これからずっと、響さんと一緒に過ごしていきたいんだ」

少しキザかもしれないけど、僕にとっては運命の人なんだ。
彼女と繋いだこの手を、もう二度と離したくない。

そう伝えると、未来さんは優しく微笑んで……

「そっか……。響のこと、大事にしてね。わたしも応援してるから」

僕と響さんを、祝福してくれた。

何だか照れくさいし、少し申し訳ない気もしてくる。

でも、未来さんに背中を押してもらえたんだ。
僕はこれからも、響さんを心の底から愛していこう。

「翔くん、最後にもう一つだけ寄りたいお店があるんだけど……」
「どのお店?」
「プレゼントにお菓子も付けておきたくて」
「いいね。じゃあ、選びに行こう」

こうして僕らはプレゼントを揃え、翌日のパーティーに向けて準備を完了させるのだった。

ff

そして、誕生日当日……。

「みゃ~お、うみゃ~ん♪」
「えっと……響さん?」
「ん~?どぉしたのしょ~♪」

響さんは……何故か猫耳を装着して、にゃあにゃあと甘えて来ていた。

え……どういう事……?
響さん、なんか酔ってない?

確か、未来さんが買っていたお菓子を食べてからこうなったような……。

「……ってこれ、ウイスキーボンボンじゃないか!!」

しかもご丁寧にも手紙が同封されていた。

腕に絡みつく響さんを撫でつつ、テーブルの上に置かれた手紙に手を伸ばす。

そこには未来さんの文字で、こう書かれていた。

【響へ。これを食べれば、翔くんに素直に甘えられるようになる魔法がかかるよ。一緒に猫耳も入れておくから、一緒に使ってみてね。応援してるよ♪未来より】

未来さん……ひょっとしてあの質問、ただ僕を試したってだけじゃ無かったって事!?

なんとも抜け目のない……。いや、甘えん坊な猫耳響さんが可愛いから感謝しかないけど。

「しょ~、すりすり~♪」
「ひっ、響さん!?」
「ごろごろ~♪にゃあ~ん♪」

訂正、可愛いどころかめっっっっっっちゃ可愛い……。
思わず抱き締めちゃったよ。反則でしょ。

「んみゃ?しょ~、甘えんぼ~♪」
「甘えん坊は響さんの方だろ?」
「えへへ~♪にゃ~♪」

今度は胸に顔をスリスリしてくる響さん。少し恥ずかしいけど、堪らないねこれ。
さて、この猫さんをこれからどうしてくれようか。

「しょ~ぉ、ねぇしょ~ぉ♪」
「どうしたんだい、響さん?」

今度は僕の首に腕を回して、響さんは真っ直ぐに僕を見つめる。

「今日はぁ~、わたしのたんじょーびれしょぉ~?」
「そうだね。今日は響さんのお願い、何でも聞いてあげるよ」
「わ~い♪ん~とねぇ、それじゃ~……」

少し小首を傾げて悩んだ後、響さんは僕の頬に頬擦りしながら呟いた。

「わたしのこと、い~っぱい甘やかして欲しいにゃあ~……♪」

……………………危ない、意識が飛ぶところだった。

どうしよう、理性を手放して甘える響さんが……いや、響が可愛すぎる。

普段はツンツンしながらずいっと求めてくる響さんが、今はデレッデレでグイグイと求めて来るのが、なんだかすごく胸を刺激する。

でも、なんだか僕の方に踏ん切りがつかない。
情けない事に、未来さんがお膳立てしてくれたこの状況に、少しだけ気後れしちゃってるみたいだ。

さて、どうすれば踏ん切りを付くのだろう……?

そんな僕の視界に、ウイスキーボンボンの箱が入ってきた。

響さんが食べたのは2つくらいだ。中身はまだ残っている。

となれば……やることは1つだよね。

「響……」
「んみゃ?」
「……チョコレート、僕にもくれないか?」
「ん……いいよ~♪」

そう言って響は、ウイスキーボンボンを1つつまんで、僕の口元へと持ってきた。

「はい、あ~ん♪」
「あ~…………ん……」

口いっぱいに広がる、チョコレートの甘味。
結構美味しいけど、確かに少しお酒っぽい。

「しょ~、あ~ん♪」
「響、今度はさ……口移しでいいか?」

心の中でスイッチが入った気がする。
響さんに対して、強気に出られる時の合図だ。

「わかった……ん~……♪」

響はウイスキーボンボンを口に含み、僕に唇を近づける。

そして僕は響の頭に手を回し、自分の唇と重ね合わせた──。 
 

 
後書き
改めまして、ビッキーHappybirthday!!
君という推しに出会えたこと、心の底から感謝してるよ!!

本編ちょっと曇り期突入してるけど、絶対ハッピーエンドにするからね……。
生まれてきてくれてありがとう!!また1年よろしくね!! 
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