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イベリス

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第二十話 ゴールデンウィークの予定その十三

「醜くです」
「逃げようとしますか」
「そうします」
 速水はここでカードを出した、それは愚者の逆だった。咲にそのカードを見せてそうして言うのだった。
「その結果です」
「不吉ですね」
「愚者も逆はです」 
 そうなると、というのだ。
「落ちますね」
「真っ逆さまですね」
「この愚者の逆も様々な意味があります」
「そうなんですね」
「無謀や不注意、過失、愚かさと」
「そうした人そのものですね」
「そして逆さになっているので」
 その為にというのだ。
「もう愚かさで」
「転落しますか」
「そうした輩は」
「そうなるのが末路ですね」
「実際そうした輩を雇っていたお店があったのですが」
「そんな馬鹿な人をですか」
「その輩を店員にした数年後潰れました」
 そうなったというのだ。
「そして今はありません」
「あの、それって」
「その輩が仕事が出来たかどうか知りませんが」
「そんな馬鹿な人を雇う様だと」
「わかりますね」
「そうですよね」
 咲も頷いた。
「そんな人を雇うなら」
「お店も人を見る目がないですね」
「そうですよね」 
 咲もそれはとなった。
「そんな思いやりもないし法律もわかっていない人だと」
「モラルもないことがわかりますね」
「それでいざという時役に立たない」
「そんな人を雇うなら」
「お店もです」
 それこそというのだ。
「人を見る目がない、そしてそれがです」
「経営にも出てですね」
「潰れたとです」
 その様にというのだ。
「私は思います」
「そうですか」
「私はそんな人は雇いません」 
 絶対にという言葉だった。
「思いやりも何もない」
「そんな人だからですね」
「そうです、真の意味での愚か者です」
 それこそ存在価値がないまでのというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「最初からです、私もそうしたお店の人程はです」
「人を見る目がないとはですか」
「思いませんので」
 それでというのだ。
「決してです」
「雇いませんか」
「どうも人を見る仕事なので」
 それでというのだ。 
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