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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第二章 青年期
  第四十五話

 カリファが、船長室から退出して、しばらく待つとカリファがステューシーとヒナ、コアラの3人を連れてきた。


「ステューシー、ヒナ、コアラ来てくれてありがとう。将校である三人にはアラバスタ王国上陸前にこれまでの集めた情報の集約と今後の作戦について伝えるよ。」


 ステューシーとヒナについては説明はいらないだろう。

 コアラとはジェガート2年目の海兵であり、オレンジ色のショートヘアにサングラスを付けた赤いキャスケットを被った19歳の女海兵であり、私服を着用していることからわかる通り僅か2年目で海軍本部少尉となった才媛である。


「まず、コアラ。ミキータの件は正当防衛と判明した。彼女に対する警戒を解くから君の彼女を監視する任務は終わりでいい。これからは普通に先輩将校として接してあげて欲しい。」

「うん。ミキータは私の言う通り、いい子だったでしょ?」

「あぁ。それにミキータは強くなる。成長が楽しみだよ。」


 コアラは自分の受け持つミキータを褒められて自分のことように喜び、嬉しそうにVサインをして答える。

 コアラは人間でありながら、魚人族が住む魚人島で編み出された魚人空手の師範代の腕前を持つ優秀な海兵であり、要警戒対象だったミキータの教育係を命じると同時に監視を命じていたのだが、それも先程解決したのだ。

 ゴジは手短にミキータから聞いた話を三人に伝えてからミキータから得た情報とこれまでの情報を照らし合わせて考察を述べていく。

 
「Mr.0とはその名の通りやはり男だろう。一番怪しいのはクロコダイルだが、未だにアラバスタ国王という線も完全には否定出来ない。もしくは俺達の知らない誰かだが、ダンスパウダーの件からこの二人のどちらかである事はほぼ間違いはずだ。」

「それにしてもミキータがバロックワークスからの接触を受けていたなんて…灯台もと暗しってやつね…」


 ステューシーはゴジの話を聞いて両手を上げてお手上げポーズをする。

 世界政府はバロックワークスなる組織について存在すら知らなかったので、世界政府は慌てて諜報機関であるCP-1(シーピーワン)を事前にアラバスタ王国に放って調査中であるが、未だに有力な情報は入ってきてない。
 

「全くだ。もっと早くミキータと直接話してみるべきだったよ。」

「ステューシー、ミキータから得た情報を元にバロックワークの調査は君と現地にいるCP-1(シーピーワン)に一任するよ。」

「ええ。任せて、仮にクロコダイルがMr.0だった場合は、またゴジ君に討伐をお願いする事になると思うわ。」

「分かってる。俺は元よりクロコダイルを捕縛する覚悟でここまで来ているよ。」


 ゴジがこれまで昇進を重ねてきたのは、ステューシーのお陰といっても過言ではない。

 サイファーポールでも手が余りそうな大物は世界政府がステューシーを通じて歴代最高の3500道力を持つロブ・ルッチを超える4500道力を持つゴジに情報を与えて拿捕してきたのだ。

 ちなみに第二部隊を実力順に並べると、『ゴジ>ステューシー=ヒナ>カリファ=コアラ>ミキータ>>他の女海兵』となる。

 ゴジは次にヒナに向き直る。
 

「ヒナは上陸後に俺に変わって部隊と船を率いて、この広大なサンドラ河か領海に必ずいる例の船を探して欲しい。」

「ええ。分かったわ。ヒナ了解。」
 

 ヒナは事前に任務を伝えられていたので、変更なしと知って鷹揚に頷いた。


「頼んだよ。」


 ちなみにヒナの現在の階級は中佐であり、ゴジが大尉となったあの日から階級上位であるゴジに対して自分の事を呼び捨てにするように伝えて、今日に至る。
 

「カリファとコアラは俺と共に船を降りて、俺と一緒にコブラ王と面会だよ。」

「はい。」

「セクハラです。」
 

 ゴジが二人に指示を出すと、コアラは片手をあげて元気よく返事するのに対して、カリファはお約束の言葉を眼鏡をクイッとしながら言い放つ。
 

「えぇ!?どこがセクハラだったの!」


 カリファのお約束に抜群のツッコミを入れるコアラを見て、ゴジは嬉しそうに頷いている。

 ゴジはコアラの実力だけでなく、このツッコミ能力も高く評価して少数での任務の時はこの三人で行くことが多い。
 

「准将の存在です。」
 

 カリファがビシッと言い放つ。

 
「酷い!!」

「あ〜それは仕方ないよ。ドンマイ。ゴジ君!」


 落ち込むゴジの頭をコアラが揶揄うようにツンツンと指でつついていた。


「はぁ…貴方達…毎回毎回よく飽きないわね…ヒナ疑問。」

「うふふっ…」
 

 明るくしっかり者のコアラのツッコミはキャラの濃ゆいの部隊には最早欠かせぬ存在となっていた。

 ヒナはそんなやり取りを冷ややかに見つめ、ステューシーはいつ見ても楽しそうに笑っている。


 ◇
 

 その後、解散となり部屋に戻ったコアラは上陸任務に備えて着替え始めるとたまたま鏡に写った自分の背中に刻まれた太陽の焼き印を見つめて昔を懐かしみ亡き恩人フィッシャー・タイガーを思い出す。

 この背中に刻まれた太陽の焼き印、タイヨウの海賊団の紋章は彼女の誇りである。


「タイガーさん……。タイヨウの海賊団の皆は元気にしてるかな?」


 その背に刻まれた太陽の焼き印は王下七武海”海侠”のジンベエ率いるタイヨウの海賊団の紋章であるが、これはタイヨウの海賊団初代船長フィッシャー・タイガーが世界貴族の奴隷だった者とそうではない者との区別を無くす為に世界貴族の奴隷の証である天翔る竜の蹄の焼き印を上書き出来るように作ってあるのでよく似ているのだ。

 コアラは世界貴族の奴隷だったが、フィッシャー・タイガーによるマリージョア襲撃の際に逃げ出した。しかし、故郷の島へ帰る術もなく途方に暮れていた彼女を救ったのは、またまたフィッシャー・タイガーその人だった。

 フィッシャー・タイガー率いるタイヨウの海賊団の船に乗って故郷を目指すことになったコアラだが、奴隷の生き方が身に沁みついてしまっている彼女は、感情の一切の無くして魚人への差別的感情とは無関係に常に脅えて続けていた。

 そんなコアラの姿を見たフィッシャー・タイガーが、彼女の背中の奴隷の焼き印をタイヨウの海賊団のマークの焼き印で新たに上書きさせて真の意味で奴隷から解放した。


『俺達をあんな世界貴族(バカども)と一緒にするな!必ず故郷に送ってやる。』


 フィッシャー・タイガーの想いをしかと受け取ったコアラはタイヨウの海賊団と航海を続ける中で、年相応の少女としての感情を取り戻し、最後には母の元へ送ってくれたフィッシャー・タイガーに対して「村の人たちに魚人はいい人達が沢山いる事を教える」と言葉を別れ際に送り、涙ながらに感謝を伝えた。

 コアラの願いとは裏腹に不幸にも娘を想う彼女の母親がフィッシャー・タイガーの目撃情報を海軍へ提供したことで、フィッシャー・タイガーは亡くなり、コアラは海軍から恩赦をもらって正式に奴隷から解放された過去を持つ。


「それにサボ君が無茶してハックを困らせてなければいいけど……ふふっ。」


 大恩あるフィッシャー・タイガーの思い出に浸りながら手早く着替えを済ますと、革命軍の仲間達のことを想って今度は楽しそうに微笑む。

 コアラの正体は革命軍の幹部で“女好き”のゴジへ近付いて、海軍の情報を得る為のスパイ活動を目的としてジェガートに送り込まれており、ここへ来る前によくチームを組んでいた歳の近いサボと彼の無茶苦茶に振り回されているであろう自分の師であるハックを思い返し、今ゴジに振り回されてる自分と重なりおかしくなった。

 革命軍とは打倒世界政府を目的に暗躍する反政府組織のことで、海賊は政府や海軍と敵対しても、政府そのものを倒そうとまではしないので、その点で海賊と革命軍は異なるのだ。

 世界政府は革命軍の影響力を恐れており、トップの革命家モンキー・D・ドラゴンを「世界最悪の犯罪者」として危険視しているが、彼と組織の手がかりを全く掴めずにいる。

 
「無茶苦茶なのはサボ君だけじゃなく、ゴジ君も同じよね。今は海兵としてこの国の人達を守る為に頑張らなきゃ。 」
 

 当然世界政府はコアラについても調べており、彼女が海軍への入隊動機を「自分に恩赦を与えてくれた海軍への感謝と恩返しの為である」と申し立てていた為、調べた経歴とも相違点はなかったことから、警戒対象とはなっていない。 

 だからコアラ自身が革命軍の幹部であることや、彼女に魚人空手を教えた魚人ハックが革命軍幹部である事は世界政府も知りえない事実なのである。 
 

 
後書き
新キャラもいっちょドーン! 
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