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イベリス

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第十九話 両親と姪の会話その六

「頼りにしてるのよ」
「何かあったら私に言ってね」
 愛も応えた。
「私の知ってる限りのことをね」
「教えてくれるのね」
「そうさせてもらうから」
 だからだというのだ。
「宜しくね」
「そうさせてもらうわね」
「咲のことを頼むな」
 咲の父は自分の姪に真面目は声で言った。
「叔父さんも叔母さんも頑張って育てているが」
「愛ちゃんもアドバイスしてくれたら嬉しいわ」
「だから頼むな」
「愛ちゃんも助けてね」
「私でよかったらね。ただ私お酒好きだから」
 愛は笑ってこうしたことも言った。
「お酒勧めるわよ」
「それ位はいいわよ」
 咲の母は笑って返した。
「お酒はね」
「いいのね」
「お酒は普通に飲んでるし」
「おおっぴらに飲まないといい」
 咲の父も言った。
「それならな」
「そうなのね」
「家の中で飲む位ならな」 
 即ち宅飲みならというのだ。
「それならな」
「じゃあこれからもね」
「そうするといい、それとお酒の話が出たから」
「もういい頃ね」
 咲の両親はそれぞれ言った。
「お酒出しましょう」
「そうするか」
「それで咲も入れて四人でね」
「飲むか」
「そうするのね」
 咲もその話を聞いて言ってきた。
「これから」
「もういい頃でしょ」
 母が応えた。
「飲むには」
「そうなのね」
「じゃあ出すわね」
 酒、それをというのだ。
「そしてこれからはね」
「飲みながらなの」
「お話していきましょう」
「お話するにしても」
「飲みながらだから」
 それ故にというのだ。
「真剣なものじゃないわ」
「今度は砕けたものだ」
 父も言った。
「もう襟を開いて腹を割ってな」
「お話したから」
「だからな」
 そうした話をしたからだというのだ。
「もうな」
「砕けたなの」
「明るい話をするんだ」
「そうなのね」
「開いた襟をもっと開くな」
 そうしたというのだ。
「話をするんだ」
「襟をもっとなの」
「開くんだ」
「そうしてお話するのね」
「じゃあ咲もいいな」
「私も飲みながら」
「話すぞ、いいな」
 こう娘に言った。 
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