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イベリス

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第十九話 両親と姪の会話その一

               第十九話  両親と姪の会話
 愛はその夜、とはいってもまだ夕方と言うべき時間と思われる六時に家に来た。咲は母と共に彼女を出迎えたが。
 咲の母は娘と共に愛とお邪魔します、いらっしゃいというやり取りの後で彼女に呆れた様な顔と声で言った。
「相変わらずのファッションね」
「似合う?」
「似合うとか以前よ」
 こう彼女に言うのだった。
「派手過ぎるのよ」
「私こうしたファッションが好きだから」
「好きでもよ」
 家に上がってきた姪に話した。
「派手過ぎてどうかってなるわ」
「その派手なのがよくない?」
「如何にも遊んでますって感じでね」
 それでというのだ。
「いいイメージないわよ」
「もうキラキラ派手派手の路線でね」
「いってるっていうのね」
「そうなの。それが好きだから」
「今もなのね」
「このファッションなの」
 黄色いタイツにオレンジのミニスカート、ライトブルーのブラウスに赤い上着という格好だ。模様のデザインも派手めでネックレスやブレスレットは金色だ。髪飾りも色々で脱色している髪のセットも派手な感じである。
「考えてやったのよ」
「正直やれやれよ」
「そうなの」
「お父さんも何て言うか」
「まあまあ。それで今日はよね」
「愛ちゃんとじっくりお話したくてね」
 母は呆れた顔から普通の顔になって姪に答えた。
「呼んだのよ」
「私自身を見たくてよね」
「今の咲ちゃんがどんな娘かね」
「お父さんやお母さんから聞いてくれた?」 
 咲の両親にというのだ。
「そうしてくれた?」
「実はまだよ」
「そうなのね。けれどなのね」
「そう、愛ちゃんと直接お話して」
「私のことを知りたくてなのね」
「来てもらったのよ、後でうちの人も帰って来るけれど」
 それでもというのだ。
「今は叔母さんとお話してくれるかしら」
「喜んで、私のこと知ってもらうならね」 
 それならとだ、愛も笑顔で応えた。
「お話してね」
「それじゃあね」
「それじゃあリビングでお話しましょう」
 咲も会いに声をかけた。
「そうして紅茶やお菓子を食べて」
「そうしてね」
「お話しよう」
「ええ、じゃあ咲ちゃんも入れて三人で」
 それでというのだ。
「お話しましょう」
「ええ、まずはね」 
 こうしたことを話してだった。
 愛は咲と彼女の母にリビングに案内された、するとそこには。
「ワン」
「あっ、モコ元気だった?」
「ワンワン」 
 モコがケージから出ていて彼女を見ると明るく鳴いて短くされた尻尾をピコピコと横に振った。愛はその彼女を見て言った。
「元気そうね」
「この通りね」
「いや、元気で何より」
 モコのその頭を撫でつつ咲に応えた。
「暫く振りに会ったけれど」
「お姉ちゃん見て嬉しそうね」
「好かれている様で何より」
 愛は今度はモコを抱いて笑顔で言った。 
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