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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第一章 少年期
  第三十二話

 さらにゴジを取り込めば、”悪政王”を下した武力(ジェルマ66)を持つジェルマ王国への牽制にもなると考えて、CP-0(シーピーゼロ)唯一の女性諜報員で、美貌を活かした諜報活動を得意とするステューシーに白羽の矢が立ったのだ。
 

「ゴジ君は“剃”と武装色の覇気を使えるのよね?」
 

 “剃”とは六式の一つでその場で瞬間的に地面を十回以上蹴ることでその場から消えたかのように見える程、瞬間的に加速する移動技であり、海軍でもゼファーやギオンのように、六式の中でもこの技だけは習得している者も多い。

 ステューシーは事前にこの二つはゼファーの指導により既にゴジが習得済であると連絡を受けていたのだ。
 

「はい!」
 

 天に届く程に大きな声で元気よく返事をするゴジに内心引きつつも表情や態度には一切出さずに笑顔のままステューシーは全身に満遍なく武装色の覇気を纏っていく。


「なら、武装色の覇気が使えるなら習得しやすい“鉄塊(てっかい)”から始めましょう。全身に力を込めて肉体そのものを鉄の甲殻に匹敵する程に硬化させる防御技よ。やり方は全身の力を込めると同時に全身に満遍なく武装色の覇気を纏うのよ。こうやるのよ…とりあえずゴジ君やってみてくれる?」
 

 ゴジは自分に見本を見せるステューシーの体の動きや体内の覇気の巡り方を観察してそれを真似る。

 ゴジは訓練や任務では気を抜かない。例え敵が絶世の美女であっても立ち向かえるように気持ちを切り替える事が出来る。


「”鉄塊(てっかい)”こうですか?」

「まあっ!?凄いわね…。」

 ───へぇ……。ただのエロガキじゃないってわけね。私の胸や尻ばかり見ているあの子の目付きが一瞬で変わったわ。
 

 ステューシーはゴジの体を触って彼の体が完全に硬化していることを確認していくので、ゴジは美女に体を触られて気が緩んで、身体の力を抜かないように必死に耐える。
 

「ええ…ま…間違いなく“鉄塊”よ。“鉄塊”を纏う速度も申し分ないわ。一体なんなのよ…この子。では次は……」

 
 ステューシーは六式を血の滲むような過酷な訓練の末に習得したのに、たった一度見ただけで習得したゴジに恐怖すら感じる。

 しかし、これは彼女の悪夢の始まりにし過ぎなかった。

 
 ◇
 

 太陽が地平線に沈んで辺りが暗くなったので、ゴジの六式訓練初日が終わった。
 

「今日はここまでね…」

「はぁ、はぁ……。まだたったの二つしか習得出来てないけど、仕方ないですね。」

「いや、まだってあなたね……。もういいわ。」
 

 ゴジはたった一日の訓練で“鉄塊”の他に指先に力を集約させ、弾丸のような速さで相手に撃ち込む“指銃(しがん)”の二つを身に付けてしまった。


指銃(しがん)は力の全てを指先一本に集中させるとこが難しかった。嵐脚(らんきゃく)はようやく目標の案山子の表面が切れてきたのでもう少しだと思うんだけどね。」


 ステューシーは今、凄まじい速度で脚を振り抜き、蹴りと同時に扇状の鎌風(飛ぶ斬撃)を放つ“嵐脚(らんきゃく)”という技を教えているが、ゴジの言う通り既に鎌風とはいかないが、旋風は起こせているので、あと数日もあれば身に付けてしまいそうだった。


「えぇ……。そうね。後の2つもあっさり身に付けてしまいそうね。」
 

 武装色の覇気を使える上で外骨格を持つゴジにとって“鉄塊”と”指銃“は観察眼でステューシーの筋肉の動きを見ながらやり方さえ分かれば難しい技ではないのだが、そんな事を知らないステューシーは“剃”と合わせて六式の半分を一日で習得したゴジに恐怖を通り越して呆れ果てるしかなかった。


 ───それでこそ我らを束ねるお方ね。


 同時にゴジは世界政府に取り込むべき存在であると見抜いた五老星の慧眼に感服し、神と信じる世界政府により重要な任務を任されたことに誇りを感じている。

 通常六式とは幼い頃より、この技を習得する為の血のにじむような英才教育によって身に付けることが出来る技で教わった初日に二つも習得出来るものではないのだ。
 

「まぁいいわ…ゴジ君、また明日ね。」

「はい。ありがとうございました。」


 ステューシーはそう言って笑顔で頭を下げる姿だけは年相応の子供だと思いながらゴジに手を振って彼と別れて、聖地マリージョアで待つ五老星の元へ報告に行く。
 

 ◇



 ステューシーは五老星の五人が待つ部屋で報告している。
 

「報告します。海兵見習いのゴジは報告通りに既に“剃”は習得しており、本日の訓練で六式の内、“鉄塊”、“指銃”の二種類を習得しました。“嵐脚”も数日の内には間違いなく習得出来るでしょう。」

「なんだと?一日で二つもか!?それに”嵐脚”まで…」

「違う。既に”剃”を習得済みじゃから三つじゃ。」

「信じられん。まだ11歳だぞ…」
 

 流石の五老星も驚きを隠せない。

 サイファーポール史上一番の天才とされるロブ・ルッチでさえ、幼い頃から六式を身に付ける為の訓練を経て六式を身に付けてサイファーポールへ入ったのは13歳である。

 もしかしたらゴジはロブ・ルッチをも超えて史上最年少で六式の全てを身に付けた男になるやもしれんと五老星達も期待している。


「はい。本当に末恐ろしい子です。それだけではありません。」

「何?」

「訓練の最中に“手合(てあわせ)”でゴジの道力(どうりき)を測った所…1200道力でした。」

「1200だと…?」

「「「なっ…!?」」」


 五老星達全員が驚くのも無理はない。 

 “手合”とは相手から攻撃を受ける事でその者の体術のレベルを測定し、道力と呼ばれる単位で指数化する技のことで武器を持った衛兵1人の戦闘力を10道力とし、500道力もあれば十分に超人の域にありサイファーポールと認められる。

 ゴジは11歳にして超人の域ある事の証明であり、五老星は衝撃を受けている。

 ちなみにステューシーは2000道力という歴代の女性サイファーポール史上1番の実力者である。。


「それでステューシー、ゴジはお前に興味を示したか?」

「はい。噂通り……いやそれ以上の女好きですね。一目会った瞬間から私の体を頭から足先までを特に胸や尻等は何度も舐めるような視線で見ておりました。あそこまであからさまな視線は久々でした。」

「そ…そうか…」


 五老星達は11歳にしてステューシーをしっかりと女と見ているゴジに対して別の意味で驚くが、思い通りに事が進んだことに胸を撫で下ろした。


「しかし、気持ちの切り替えがハッキリした子です。それも訓練が始まるまでのこと……。訓練を始めてからは私の一挙手一投足を見逃すまいという集中力を見せておりました。」
 
「ステューシー、正直に答えろ。ゴジはロブ・ルッチを超える可能性はあるか?」


 ロブ・ルッチとはサイファーポールの中でも暗躍と殺人に特化したCP-9に属する諜報員で歴代最高3000道力の六式の使い手で付いた渾名が“殺戮兵器”である。


「可能性?いえ断言します。あの子がこのまま六式を極めた時、ロブ・ルッチを超えた史上最強の六式使いが誕生することになるでしょう。」
 
 
 ステューシーは五老星達の言葉を肯定すると五老星の一人が立ち上がって命じる。


「ステューシー、貴様は正式に海軍に入れ。そして改めてゴジの籠絡を命じる。貴様はゴジを鍛えてあの四皇をも超える力を身に付けさせながら、しっかりとあやつの舵を取れ。」


 五老星達はロブ・ルッチであれば王下七武海にも引けを取らないと見ているが、四皇の四人は格が違いすぎて誰も手出し出来ないから四皇と呼ばれているのだ。

 そのロブ・ルッチを超えると断言したゴジが成長すれば、偉大なる航路(グランドライン)後半の海“新世界”において皇帝の如く君臨する目の上のタンコブである四皇にも対抗出来る力を身に付けるのではと考えているのだ。
 

「はい。仰せのままに」
 

 ステューシーは自分の生涯を賭けた任務になる事を覚悟して五老星の指示に恭しく傅きながら拝命し、任務を全うする為にその足で海軍本部へ向かった。





 ステューシーが海軍本部元帥センゴクと会った時は既に話は付いていたようで彼女は海軍本部少佐として迎えられて、その日の内にゴジの直属の上司として海軍本部第07部隊のジェガートへ配属された。

 翌日の訓練でステューシーが正式な海兵となった事をゴジに告げる。
 

「ゴジ君は凄いわよ。私はね…ゴジ君とずっといたいからサイファーポールを辞めてきたのよ…ちゃんと責任取ってね♪」
 

 ステューシーは任務遂行の為に全力で色気を出しながらゴジに体を密着させながら頭を撫でて語り掛けた。
 

「ステューシーさんに籠絡してもらえるなんて最高だよ!」


ステューシーはゴジの言葉に驚いて目を丸くする。


「ゴジ君…あなた…」


 ゴジは目を丸くするステューシーの前で演じていた従順な子供の演技を止める。


「ステューシーさん、いやステューシーの任務は俺にとってもいい事づくめだから…これからもよろしく頼むよ。」


 ゴジは〝歓楽街の女王〟と称されるステューシーを一目見たときから自分の籠絡しようとする為に派遣された事に気付いて、籠絡しやすい子供という印象を与える為にあえて他のジェガートの仲間達に接する以上に自分のタガを外してデレデレしていた。


「え、ええ。」

 
 〝歓楽街の女王〟である彼女の元には酒の席での様々な秘密話が筒抜けとなっており、サイファーポールとして重要なポジションであるにも関わらず海兵になると知り、ゴジは内心は浮かれていた。

 美人な女性海兵達に囲まれて仕事をするという彼の夢にとってどんな理由であれ、ステューシー程の美女がジェガートにいてくれるならそれだけで満足なのだ。


「ほんとただの子供じゃないってことね。まぁ……この子がエロガキなのは間違いないわね。」


 ステューシーは11歳のゴジに自分の任務がバレて居ることを知って少し慌てたが、平静を装いながらも密着させている胸に体重を寄せてくるゴジを見て、彼がエロガキなのは間違いないとじっくりと時間を掛けて籠絡していく事を決意した 
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