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猫の死への優しさ

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第一章

                猫の死への優しさ
 イギリスマージーサイド州在住のスリスティン=ジョーンズとスチュワート=ハーグのカップルはバディーという茶色で胸が白い豊かな毛の雄猫を飼っている。
 農場で生まれたこの猫を引き取ってすぐにだ、ジョーンズはハーグに話した。
「何かバディーにはね」
「ええ、私も思うわ」
 ハーグも応えた。
「どうもね」
「ぱっと見ただけだけれど」
「他の猫よりも」
「不思議な力がありそうだね」
「猫には不思議な力があるというけれど」
 そう言われているがというのだ。
「それでもね」
「この子はね」
「特にね」
 他の猫よりもというのだ。
「不思議な力がありそうだね」
「そうね、じゃあ」
「何かするかも知れないね」
「そうね」
 茶色の髪を伸ばして緑の目をしている穏やかな顔のジョーンズも白い神に青い目で知的な顔のハーグも言った、そして。
 バディーは実際にだった。
「またか」
「またね」
「お墓の方に行くな」
「そうしていくわね」
 二人はその彼を見て言った、見れば。
 バディーは墓場に行っていた、そこでだった。
 葬儀に参列している人達の中でとりわけ悲しそうにしている人の傍に来た、ただ寄り添っているだけだったが。
 自分に寄り添っている彼を見てだ、その人は涙を流しながらも感謝の言葉を述べた。
「有り難う、そこにいてくれるだけで嬉しいよ」
「ニャア」
「何とかこの悲しみを乗り越えるよ」 
 こう言ってその場にいた、そして。
 葬儀が終わると静かに家に帰った、そうして。
 家にいる四匹の同居している猫達、白い雌猫のホワイトと黒い雄猫のトム、雌の三毛猫のミリー、赤茶色の毛の雄猫のロムとだった。
 一緒に遊びはじめた、だが。
「ニャア」
「ニャンニャン」
「ニャオン」
「ミャウン」
「ニャウ~~ン」
 バディーはいつも一番困っている子を助けていた、それでだった。
 その様子を見てだ、ジョーンズはハーグに話した。
「バディーは自分を必要としている相手がわかるんだ」
「悲しんでいたり困っている誰かをね」
「それが犬でも人でも」
「誰でもね」
「だからだよ」
 その為にというのだ。
「ああしてだよ」
「いつもね」
「何かあったら」
 その時はというのだ。 
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