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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第一章 少年期
  第二十七話

 訓練期間卒業間近な新兵達を引き連れて航海訓練に出ているゼファーからエドワード・ウィーブル拿捕の報告を受けたセンゴクは気になることがあり、直接ゼファーに電伝虫で連絡を入れた。
 

「ゼファー!」

「センゴクか…お前が自ら電話とは珍しいな。どうした?」


 普通元帥であるセンゴク自らが連絡入れるのは珍しいことで、伝令や部下を通じて行うものなのである。
 

「どうしたじゃないだろう。片腕を失ったと聞いたが、えらく機嫌がいいな…大丈夫なのか?」

 
 センゴクがゼファーへ電話した要件は二つ。

 一つ目は当然、彼の身を案じてのことだったが、片腕を失うという大怪我を負った割に妙に明るく憑き物が落ちたようなゼファーの声色に安心感と共に不審感を抱く。


「あぁ。問題ねぇよ。ウィーブルに手も足も出ないとはな。がははは!流石にもう歳だな!」

「そうだな…私達ももう若くはないが、“牛鬼”はそれほど力を付けていたということか…」


 四皇“白ひげ”エドワード・ニューゲートの息子を自称するウィーブルであるが、その強さはまさに若かりし頃の海賊王ゴール・D・ロジャーと覇を競い合ってきた頃の”白ひげ”の生き写しであると報告を受けていた。

 センゴクはゼファーが気落ちしているよりはいいかと妙に上機嫌な態度を気にするのを止めて本題に入る為に、”牛鬼”エドワード・ウィーブル 懸賞金1億2000万ベリーの手配書と、北の海(ノースブルー)からのとある報告書を見る。


「お前の要件はどちらかというとパーフェクトゴールドだろ?」
 

 二つ目はゼファーがウィーブルに片腕を持って行かれた直後に光とともに空から現れたジェルマ66(ダブルシックス)の一人パーフェクトゴールドに助けられたと報告した事の是非を問い質すためだ。

 ゼファーも付き合いの長いセンゴクの要件にすぐに気付いてすぐに本題に入った。
 

「そうだ。やはり事実なのか?」

「あぁ。俺だけじゃなく訓練生達全員が、パーフェクトゴールドが物語さながらの空を自由に駆け抜けながら、特殊能力を駆使してウィーブルを圧倒するその勇姿を目に刻んでいる。」


 センゴクはゼファーの弾んだ声色を聞きながら、現役時代に滅多に休みを取らなかったゼファーが、昔『海の戦士ソラ』の敵役ジェルマ66(ダブルシックス)のモデルとなったジェルマ王国のヴィンスモーク・ジャッジに会いに行ったことを思い出していた。


「そうか…そういえばお前はあの物語が好きだったな。その貴様が言うなら事実なのだろう。1つだけ聞かせろ。」

「なんだ?」


 ゼファーはセンゴクから「パーフェクトゴールドなんているわけないだろう!」とか「正体は誰だ。」とか「そんなもん公表出来ん。」とか色々と小言を言われるのを覚悟していたのに全然予想だにしていなかった質問に面食らう。


「パーフェクトゴールドは子供だったか?」


 センゴクはパーフェクトゴールドが本物かどうかよりも子供か大人かどうかを気にしていた。

 実際ゴジが変身した120cm程度の身長しかないパーフェクトゴールドの姿を訓練生達は目撃しているためゼファーは正直に話す。


「はっ……?なんだと……確かに子供だったと思うが、センゴクおまえ何故そんなことを気にする!?」


 ゼファーは“智将”と呼ばれるセンゴクがゴジとの関連性を疑ってるかもしれないと警戒する。


「明日の新聞を見れば分かるから言うが、先日、北の海(ノースブルー)で“悪政王”アバロ・ピサロがジェルマ66(ダブルシックス)に拿捕された。」

「えっ……?」 


 センゴクはゼファーとの通話しながら、ウィーブルの手配書を机の端に置いて、北の海(ノースブルー)のある海軍支部からの報告書に再び目を通して深く溜息を吐く。

 その報告書にはこう書かれていた。

 
北の海(ノースブルー)において、ロジア王国を実行支配していた“悪政王”アバロ・ピサロがジェルマ66(ダブルシックス)の活躍により拿捕。』

 
 センゴクは支部の報告を鵜呑みにする訳にはいかないと思っていたが、同時期に実力も確かなゼファーが本物だと証言する以上はこの世にジェルマ66(ダブルシックス)が誕生したというのは確かなようだと納得する。


「はぁ……アバロ・ピサロを倒したのはスパーキングレッド、デンゲキブルー、ウインチグリーン、ポイズンピンクの四人の子供達。彼等はそれぞれジェルマ王国の王子と王女だと名乗ってるそうだ。」


 ジェルマ66(ダブルシックス)の活躍と聞いて、当然モデルとなった北の海(ノースブルー)にある科学大国ジェルマ王国が関係しているのは明らかであるからあえて正体を明かしたのだと推察する。

 センゴクはかの国を"海の戦士ソラ"で悪役に抜擢した世界政府への当て付けでジェルマ66(ダブルシックス)を名乗っているのだと確信した。

 実際、既に王族の滅びたロジア王国は自分達を救ってくれたジェルマ王国に統治を任せると宣言すら出しているのだ。


「がはははは!そうかそうか……パーフェクトゴールドの他にもジェルマ66(ダブルシックス)が現れたのか!その子達が子供だったからパーフェクトゴールドも子供か聞いたのか?」


 ゼファーの大喜びしている声にセンゴクのイライラが増す。


「その通りだ。ゼファーこれほ笑い事ではないぞ!ジェルマ王国は三大勢力の均衡を破る存在になるかもしれん。」

「今、そんな事を気にしてもしゃーない。今は“牛鬼“に“悪政王”一気に2人の大物海賊を捕らえられた事を喜べ!ではな!!」


 ゼファーはゴジにいい土産話が出来たと喜びながら、電伝虫の受話器を置いた。


「おい!ゼファー……まだ話が……くそっ!切れている。まぁ……数日後には帰ってくる。詳しい話はその時でいいか。」


 この世界は、海軍本部、王下七武海、四皇という強大な力を有する三大勢力が拮抗することで均衡が取れている状態であるが、懸賞金2億ベリーの“悪政王”アバロ・ピサロと1億2000万ベリーの大物ルーキー“牛鬼”エドワード・ウィーブルを一度に拿捕したジェルマ66(ダブルシックス)の登場で、センゴクはパワーバランスが崩壊する事を危惧していた。

 センゴクが一番ゼファーに聞きたかったことはジェルマ王国には廃嫡されたとされる第五王子ヴィンスモーク・ゴジという神童と呼ばれた子供がいるということであり、もう1つの報告書に目を通す。


『海軍本部教官ゼファーが休暇で訪れたのはジェルマ王国である。』


 さらにセンゴクの手元にはヴィンスモーク・ゴジの写真もあり、ゼファーの秘蔵っ子ゴジはヴィンスモーク・ゴジであることは疑いようのない事実となった。


「ゴジ……貴様が本当にパーフェクトゴールドなのか?ならば国を出て海軍へ来た目的は一体なんなのだ……?ぐっ……胃が痛い……。」


 将来間違いなく、海軍を背負って立つと思われたゴジが世界政府に恨みを持つかもしれないジェルマ王国の王子だと知った元帥センゴクの悩みは尽きない。

 彼はある人に助言をもらうために席を立った。

 ”大参謀”と呼ばれる海軍随一の知恵者である彼女の元へ。。。 
 

 
後書き
はい。ゴジ君の正体がバレました。

次話からゴジ君も出てきます。 
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