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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第一章 少年期
  第二十三話 出撃

 
前書き
舞台がジェルマ王国に移ります。 

 
 ゴジが“牛鬼”エドワード・ウィーブルと死闘を繰り広げる少し前のこと。

 今、ジェルマ王国で暮らすゴジの兄姉であるイチジ、ニジ、ヨンジ、レイジュの四人が父ジャッジに会う為に彼の執務室に訪れてた。


「お前達、雁首揃えてどうした?」


 ジャッジは突然姉弟揃って部屋に訪れた子供達を見ながら首を傾げている。
 

「父上、聞きましたよ。」


 イチジ、ニジ、ヨンジ、レイジュが真剣な顔でジャッジを見据える。
 

「そうか...いつまでも隠すことは出来んか...」


 ジャッジは子供達の顔を見ながら、家族に内緒で数十名の部下を東の海(イーストブルー)に派遣して秘密裏にある男の行方を探していた事を知られてしまったのだと肩を落としながら覚悟を決める。
 

北の海(ノースブルー)のロジア王国にいるアバロ・ピサロという海賊を討伐する為の準備を進めているとか…もちろんその男は俺達に任せてくれるんですよね?」
 

 しかし、続くイチジの言葉で東の海(イーストブルー)のことではないと分かってジャッジはホッと胸を撫で下ろした。

 
「なんだそっちか…お前達全員、武装色の覇気は習得したそうだな?」


 ジャッジは逞しく成長した子供達の顔を見ながら、イチジ達への晴れ舞台として丁度いいと思ってアバロ・ピサロの事を探っていた。


「あぁ。手間取ったけどな。」

「バッチリだぜ!」
 

 ゴジと同じく11歳になっているニジとヨンジは全身に力を込めて覇気を体に纏う。


「なんとかね。でも、あの黒くなる腕はまだ無理よ。」


 覇気を纏ったレイジュは右手に力を込めるも応用技である“硬化”は未だ使えずに黒くはならないが、武装色の覇気でさえ普通は11、13歳の子供が習得出来るものでは無く、それを僅か1年で習得した彼達もやはり生まれながらの天才であった。


「父上!俺達には覇気と外骨格、さらにレイドスーツという戦う力はあるが、圧倒的に経験が足りない。戦闘許可を出していただきたい。」


 イチジはただの武装色の覇気に外骨格とレイドスーツが合わされば“武装色・硬化”に負けない強度になるが、戦いはそれだけで決まるものでは無いことは幼い頃からゴジに負け続けてきた自分がよく知っている。


「元より覇気を習得したお前達の晴れ舞台とする予定だった。この船はアバロ・ピサロ討伐の為、既にロジア王国近海に来ている。」


 ジャッジは力強い武装色の覇気を纏う子供達を満足そうに見ながらニヤリと笑う。


「へぇー。準備がいいな……父上。」

「な〜んだ。父さんは元々私達に任せてくれる予定だったのね?」


 ニジとレイジュはジャッジの気持ちを知って、笑みを浮かべる。


「腕が鳴るぜ!」


 ヨンジは再び両拳をガチンとぶつけて気合いを入れると、静かな闘志を燃やすイチジはジャッジに軽く頭を下げる。


「ありがとうございます。父上!!」


 ジャッジはそんな頼もしく育った子供達を見て司令を下す。


「ふっ……では、イチジ、ニジ、ヨンジ、レイジュの4人に命ずる。ここから南西に30キロにあるロジア島に“悪政王”アバロ・ピサロによって乗っ取られたロジア王国がある。かの国は悪政を敷き多くの人々が苦しめられている。」


 悪政に耐えかねて逃げ出そうとした国民は皆殺しにして海岸線に串刺しにしたまま晒し者にしているので、国民達は恐怖で逃げ出せずに悪政に従っている状態であり、そんなアバロ・ピサロを世間は“悪政王”と呼んでいる。
 
 世界政府加盟国であるロジア王国を助ける為に派遣された北の海(ノースブルー)支部の海軍の大艦隊をアバロ・ピサロはあっさりと迎撃してしまい、精強で知られる海軍本部の海兵達は偉大なる航路(グランドライン)で手一杯であり、支部の海兵ではアバロ・ピサロに手も足も出ないとので長年放置されていた。


「お前達は強い。四人で力を合わせれば決して倒せない敵ではない!!“悪政王”アバロ・ピサロを捕らえ、かの国を解放してジェルマの名を世界に示せ!」


 ジャッジは綿密な調査の結果、“悪政王”アバロ・ピサロは恵まれた体躯に武装色の覇気と見聞色の覇気を身に付けた男であるも、武装色の覇気を身に付けたイチジ達四人ならば十分に勝てる相手だと判断していつでも戦いに行けるようにこの船も既にロジア王国近海に入っていた。
 

「「「「はっ!!」」」」

 
 やる気に満ちたイチジ達は一斉に返事をした直後、各々“1”、“2”、“4”、“0”と書かれた赤、青、緑、桃色の缶を下腹部に当てると各々光に包まれる。


「行くぞ!」


 赤いレイドスーツを纏ったイチジが青いレイドスーツを纏ったニジ、緑色のレイドスーツを纏ったヨンジ、桃色のワンピース型のレイドスーツを纏ったレイジュをチラリと見た後で号令を掛けて靴に仕込まれた浮遊装置と加速装置を起動させて空を駆けた。


「「「おぅ(えぇ)!」」」


 ニジ達も靴に仕込まれた浮遊装置と加速装置を使って窓から飛び立ち、イチジの後に続いた。


「イチジ達は行ったのね?大丈夫かしら?」


 ジャッジが飛び去ったイチジ達を見送りながら感慨に浸っていると、自分の傍に寄ってきた心配そうな顔を浮かべる妻ソラに声を掛けられた。


「あぁ..心配はない。既にイチジ達は覇気使いの端くれてある俺を超えている。1人でもアバロ・ピサロでも遅れはとらん。」
 

 ジャッジはイチジ達は各々が生まれながら外骨格と運動能力さらに各個人の特殊能力を使いこなし、レイドスーツなしでも武装色の覇気の“硬化”を扱える自分よりも既に強い事を知っている。


「そう...良かった。サンジのことは何も?」


 ソラはイチジ達は心配ないと分かったが、彼女を悩ませるのは東の海(イーストブルー)で料理人となるべく修行している三男サンジである。


「あぁ……追加で人員を送って捜索しているところだが、まだ何の報告もない。」


 ソラの質問に項垂れるように答えるジャッジの震える手をソラの手が優しく包む。


「きっと大丈夫よ……あの子は心が強いから……」


 当初こそロジア王国を救う為に計画を立てていたジャッジであったが、今の彼の心中は正直ロジア王国どころではなかった。


「サンジ...必ず見つけ出す!!」


 先日、メスキートのレストランにサンジの様子を見に行かせたジェルマ王国の調査員から急遽ジャッジ宛に昨日送られてきた報告内容に頭を抱えていた。
 

『半年ほど前にメスキート様とサンジ様が乗る船が嵐の日に海賊に襲われ、その際に運悪く嵐の海に飲まれたサンジ様を助ける為にメスキート様が海へ飛び込んだそうです。』

『なんだと!サンジは……メスキートは無事なのか!?』

『はっ!メスキート様は残念ながら遺体で発見されましたが……その……サンジ様は行方不明のままだそうです。』
 

 メスキートはジャッジとの約束を守ってサンジの出生に関して家族にも秘密を貫いていたことが仇となって、サンジが行方不明となっても先方からの連絡がジェルマ王国に来なかったから、サンジが行方不明になっていることにジェルマ王国が気付くまで半年も掛かった。


「イチジ達には伝えなかったのは正解ね。あの子達は今日の為に凄く頑張ってきたんだもの...」

 
 この事はこれからアバロ・ピサロ討伐を控えたイチジ達には伝えていなかった。


「あぁ...海賊に支配されたロジア王国を救えるのはイチジ達しかおらん。イチジ達の支援に必要な最低限の兵士を残して、残りの兵士全員を直ちに東の海(イーストブルー)へ向かわせる。」

 
 ジャッジは部隊を2つに分けてイチジ達の後詰部隊以外をサンジを探すために東の海(イーストブルー)に向けて派遣する決定を下し、数時間後には約半数の部隊が東の海(イーストブルー)へ向けて旅立った。 
 

 
後書き
5月25日加筆修正 
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