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ハワイアン獅子舞協会のレモンラズベリーラブドリーム【完結】

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知床マジシャン軍団の秘密

極限のバックギャモン神社。ハワイアン獅子舞協会の七千年に渡る圧政が一夜にして崩壊した。原因はバックギャモン神社氏子総代会の腐敗と青年団の癒着そしてパトロール病の蔓延だった。パトロール病は獅子舞太鼓を腐らせる最恐の病原菌だ。感染症の蔓延とワクチン開発の遅れが氏子総代会を蝕んでいる間に北海道から知床ひょっとこ踊り戦車軍団が侵攻して来た。知床マジシャン軍団は蝦夷の伝統芸能であるひょっとこ踊りで万病に効く。ハワイアン獅子舞協会は日本古来の踊りと濃厚でクリーミーな北海道バターにやられた。ただでさえパトロール病で弱っていた若い衆はとどめを刺された。そしてハワイアン獅子舞協会に引導を渡したのは人間だけではなかった。知床平野のクールでビューティーな旋風が塩キャラメルたっぷりな雨を運んできた。「ううーん。中標津チーズぅ~」ハワイアン獅子舞協会の帝王ガッハッハ28世も裸足で逃げ出した。そして抜き足差し足で太平洋を渡ってハワイ諸島に亡命した。知床マジシャン軍団はバックギャモン神社を後ろ斜め上回し下痢で豪快に破却した。その跡地には市ケ原のっぺらぼうの森からピレスロイド系冷ややっこ工場が移転して来た。「知床マジシャン軍団じまんのタレをご賞味ください!」軍団長パピローマウイルス之介が公式ホームページでバックギャモン神社城下町の陥落を宣言した。そして三年後、ハワイアン獅子舞神社は今も健在!しかし市ケ原のっぺらぼうの森は日本妖怪組合から追放されたのだ。理由は「ひょっとこはクールじゃない」そこで中標津マンは異議を申し立てた。「日本妖怪組合の処分を知らせるため、中標津家と中標津チーズを持ち出すはずがない」で、やっと「知床チーズ」を手に入れた。
その知床チーズは有名ですよ。「ハワイの海」の海で使ったことのある有名な知床チーズです。
中標津家は知床から離れたので、その流れはハワイに繋がっているそうです。中標津マンは不満を報復テロであらわした。。「そんなことされたら、この街どこまでも流されるだろう、」「そうか。そう言うことだったのか、」「お前は余計なこというなよな」「そうだ。お前の悪評は世界に広がるんだ」中標津チーズは何でも思い通りに行きそうだ。「それでは今日中標津チーズが何の役に立つか説明しよう」言いながら中標津チーズは「中標津チーズはチーズクリームとチーズゼリーがある、」で、更に秘密を暴こうとした。そして「クリームとチーズゼリーはクリームチーズだからで良い。そしてチーズは中標津チーズの方だ」「お前は勝手なことを言うなよな、」「チームを解散しろよ、」中標津チーズは更に秘密を暴こうとした。後ろに座る者たちに取り押さえさせなかった。「これは秘密だ、」「今はどこだ。そして誰なのだ、」「そうだ。チーズクリームもチーズゼリーも、お前は誰も知らないから安心しろ」「そうだ、そうだ、そうだ。知らない奴に取り押さえられた、」「誰が何を隠してもいい。これからは秘密だ、」「今俺が言いたいのはお前がいなくなる事だ。お前はチートを隠しているわけじゃないんだ、」「秘密だよ、」「秘密だ」「秘密、秘密だ、秘密だぞ、秘密だ、秘密だ。」そして時は戻る
中標津チーズは知床チーズと違って秘密は秘密。そう「秘密だった、ひみつ…?」
彼は我に返った。
「秘密、何の秘密だ。俺はこんなところで何をしようとしているのだ?」
季節は巻き戻って冬。北海道の冬は厳しい。寒いという間もなく心が冷えて寒いという概念すら思考停止する。中標津チーズは雪を踏みしだきながら聖なるサイロへ向かった。そこには雪ん子が一糸まとわぬ姿でお経を読んでいた。
「この場所に何も有りません、ただお経が唱えられていますので中標津チーズ様が居たというなら、貴方はたまたま居た雪ん子に見えたというだけの事です」
彼は言われたとおりの場所に座り込んだ。
(何だ何だこいつ今の俺?)彼は心の中で思っていたがそれでも今の状況がいけないことだと理解できた。「中標津チーズじゃない、間違いなくそれを中標津チーズというのだ。誰が何を隠そうと中標津チーズだ」
そして、彼はチーズクリームを食べた。中標津チーズは何の説明もせずにいた。チーズクリームだけを食べ、彼はチーズゼリーとチーズゼリーを飲み干した。
「うまい…舌がツキノワグマとハワイアン獅子舞を踊っているようだ」
その蕩けるようなまろやかさに中標津チーズは感涙した。
「こんな、こんなおいしい物が俺の心の中に住んでいるなんて」
そう、中標津チーズは憎しみの炎で胸中を焼き尽くした後に真実の燃えカスを発見したのだ。
憎い、あいつを抹殺したい、誰でも持っている残虐性だ。どんな聖職者であろうともいかに清貧に耐えている人でも心に一点の曇りもないということはない。
もしあなたの前に「心が清らか」だと自己紹介したりあるいはそのようにもてはやされている人がいるとすれば、そいつは大ウソつきなのだ。だって人間は欲求で出来ている。腹が減った、眠い、恋人が欲しい。こういった一連の欲求はどれも人間が生きていくために必要不可欠だ。その行動原理の先には今より安全でありたい幸福でありたいという向上心が隠れている。快適さを求めて活動しよりよい効率を模索する行為は人の知性だ。その精神活動が行き着く先に収奪がある。
自分から餌を獲らずとも誰かの収穫を横取りすれば働く手間が省ける。
つまりはそういうもろもろの日常生活的な欲望が攻撃本能に隠されているのだ。
「そして俺は常に誰かを憎み敵の影を追いかけていた。だからこれからは素直に自分の悪と向き合うんだ」
そういって彼はチーズの海に身を鎮めた。
中標津チーズが死んだ。訃報はたちまち知床に知れ渡った。
ショックを受けた知床マジシャン軍団はご当地ヒーローの自殺に茫然自失しどんぶりごはん60トンも喉に通らなかった。
中標津チーズの告別式にはハワイアン獅子舞協会の残党も招かれ哀悼の意を述べた。
こうしてハワイアン獅子舞協会と知床ひょっとこ踊りの長い長いゴールデン巻物よりも長い戦争が終わった。
 
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