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おぢばにおかえり

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第六十五話 心配していてその二十九

「深淵もこっちを見ていて」
「相手の方もなの」
「相手に引き込まれる」
「その深淵が嫌いな相手で」
「それでその人達ともね」
 まさにというのです。
「一緒になるっていう意味なの」
「今のお話のことね」
「そうなるっていうから」
 だからだというのです。
「気をつけないといけないのよ」
「自分もそうなるの」
「そう、だからね」
「私も気をつけないといけないのね」
「人を嫌いになって」
 そうしてというのです。
「その人を嫌うあまりね」
「ずっと見ていて」
 そしてというのです。
「自分も自然となのね」
「その人に無意識のうちに影響されるのよ」
「そうなったら怖いわね」
「だからよ」
「私も気をつけないとね」
「そう、いいわね」
「ええ、いつも気をつけるわ」
 私はお母さんに答えました、そうしてです。
 明日も阿波野君が教会に来ることはわかっていました、それが最近のいつものことなので。それで彼に聞くことにしてこの日は他のことをしました。


第六十五話   完


                   2020・5・22 
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