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忙しい働き女性のためのおしゃれ政治学

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春の国最新軍事リポート

来たりなば春遠からじ、と春の妖精が謳歌する準備をしていると冬将軍が棚から牡丹餅で空爆しました。というわけで春の国は雪の女王と冬の軍団が実効支配しています。このままでは世界中が氷漬けになるので北極のアイスキャンデーと蓬莱の国のアイスクリンが売れなくなるので北極軍と蓬莱の国は同盟を結びました。そして春の国に攻め込むことにしたのです。
春の国の女王はアイスキャンデーが好きだったのでそれを作りました。しかし、アイスキャンデーの実が甘かったので今度はアイスクリンではなく氷で作ったアイスキャンデーを食べさせてみたのです。
これは美味しくて大変でした。このままだと北極軍が勝てると思ったのであるらしいのです。そのことを聞いた王は慌てて氷漬けから氷の国のアイスクリンにしなければならんと王様に進言しました。王様はそのまま捨てまいとしています。もし氷ではなく氷化すればこいつと氷の女王の間の氷の王国が壊れてしまう可能性があるのです。そんなことになったら氷自体が腐ってしまうのです。
王様が「氷を直してやれ」と言っても王様は「氷を直さなければ国は滅んでしまう」と言って譲らないので仕方なく氷をアイスクリンに変えました。もちろん王様はそれを直したのです。氷の国の王様は女王に言いました。「これは私に譲れ」と。さらに王様はこう続けました。「氷の国の城の前を通り過ぎる時に城のすぐ前を通る女性にアイスをあげると申したらそれでいいかと聞いてみろ」とおっしゃったらどうということもありません。
私に氷ではなく氷の王様にアイスクリンを作る方法があると聞いたのはまさしくその時だったのです。今でもこれが本当なのかは分かりません。ただ、氷の王様の一言を聞いて私は氷の女王から氷と氷の王様の女王へと変化することになるのです。


氷の王様は王様に向かってにじり寄って問いかけました。
「本当の本当に申し訳ありませんが、氷の国の王様よ、実は私は氷の国の女王でありながら氷の国の王ではございません。氷の国の女王は女王のまま私であることに何の責任も負いませんのでご理解ください。氷の女王」
氷の女王は一瞬怯んで言いました。
私が女王だからといってどうということにはなりません。氷の国から氷の王になったのだから。
実はこの氷の国という国は氷と氷の国に分裂していました。その分裂していた中で氷を売ることで氷の国へと戻っていった氷の王様です。元から氷と氷の王国だったお二人はそのまま氷の国に残っており、お二人が氷を売ることで氷の王女となりました。女王は女王のままですからにゃ氷の王様。
そのため氷の女王が女王から氷になったのが不思議ではありませんわよ。

この様な現象を国際政治力学では体制の相転移と言います。私たちに身近な例ですとフランス革命が該当します。王権神授説なんていう科学的根拠もへったくれもない理不尽が近代啓蒙思想に打ち倒されました。令和の時代に君臨している王室は数えるほどでその殆どが政治に直接関与していません。
それとは逆に議会制政治が王政復古することもあるのです。数は少ないですが大統領が終身制を自ら制定して居座ったり――王家でないけど〇〇王国と揶揄的に呼ばれたりします。あるいは本当に大統領が国号を王国に改めて君主に就くこともあります。中央アフリカのボカサ大統領がそうでした。

この様に女王から氷になったり人の世も物質の三態としてふるまうのです。万物は移ろいやすいもの。氷の女王のハートも永遠ではありません。いつか春のきざしが厚く閉ざされた心を開いてくれるでしょう。 
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