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ジェルマ王国の末っ子は海軍大将

作者:蒼たん
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第一章 少年期
  第十四話

 
前書き
お気に入り登録が一人増えたので嬉しみ投稿です。

この話はヒナ視点の一人称でお送りします。

 

 
 私はゼファー先生に連れて来られた新兵の訓練場で先生の秘蔵っ子と呼ばれているゴジ君と出会う。

 短く刈揃えた黒髪短髪を逆立たせるゼファー先生とお揃いの髪型と眉尻のクルクルが特徴の男の子で、顔立ちも整って将来は男前になりそうだけど、私の身体を舐めるようにを見ているだらしない顔はいかにもエロガキって顔をしてる。 

 悪魔の実の能力を封じられた手合わせでクザン大将を倒したって話を聞いてから、実力が気になっていたら先生のおかげで手合わせ出来ることになったが、スリーサイズを言い当てられそうになり、身震いしたけど"黒檻"のヒナともあろう者がそんな調子でどうすると自分に喝を入れ直す。
 

「はぁ…ったくこのエロガキはもうどうなっても知らん。はじめ!」

「やべっ!?」

 
 先生の掛け声でゴジ君との手合わせが始まると、構え方や不敵に笑いながら私を観察して出方を伺っている姿にゼファー先生を重ねてしまう。

 クザン大将と違って私はこの戦いで能力を封じられていない。なら、遠慮なく私は能力をフルに使って全力でいかせてもらうわよ!

 私は先生と同じ構えをするゴジ君との間合いをゆっくりと詰めてから私は彼の右腕を左腕で掴もうとすると彼は掴まえようとした私の左腕を躱して、逆に掴み返そうとする。


 そうよ!それでいいのよ!


 次の瞬間、彼の右手は私の左腕を通過してガシャンという音と共に私の左腕を通過した彼の右腕と私の左腕に8の字型の黒い錠が嵌められる。
 

「わたくしの体を通り過ぎる全ての物は“緊縛(ロック)”される。“手錠”!」
 

 これが私の悪魔の実の能力。互いの腕を手錠で拘束されたゴジ君はもう逃げられないし、この距離ではオリオリの実の能力が十全に使える私の間合いである。

 彼は爆発の能力を使うと聞いたが、鉄の強度のある黒檻には爆発は効かない。

 オリオリの実は超人系(パラミシア)に属するが、物理攻撃がほとんど効かないという自然系(ロギア)に近い強みがある悪魔の実である。
 

「来たぁーー"黒檻"のヒナの決めゼリフ!」

「「「うおおおおぉぉー!」」」
 

 私の言葉に大喜びするゴジ君と訓練生達を見て、もうこのセリフは封印することを誓った。
 

「こら!クソガキ。真面目にやれ!」

「爺さん。俺はヒナ嬢のあのセリフを一度生で聞いてみたかったんだよ!」
 

 私はゴジ君の「私の決めセリフを聞いてみたかった」という言葉に衝撃を受ける。
 

「あら…?ゴジ君もしかしてわざと捕まったのかしら?私との手合わせで手を抜いてたの?ヒナ不快。」

 

 大人の私が全力で手合わせしてる中、私の半分くらいしか生きてないこの子は手を抜いて”私にわざと禁縛(ロック)された”と言ったのだ。


 「あ…いや…ヒナ中尉、す…すみません。そんなつもりじゃ……」


 焦った顔で言い訳を始める彼を見て、女である私はこんな子供にもすら相手にされないのかとイラッとする。

 自分と手合わせしてくれる男海兵達やこれまで拿捕してきた海賊達もそうだった。

 私が女だからと“ちゃんと”手を抜いたり、見た目に油断して戦ってくれるので、私はそういう輩は全力で実力で黙らせてきたのだ。


「許さない!“手檻”!」
 

 私は怒りに任せて自由な右腕を鋼の檻に変えて彼を殴り飛ばそうとするが、彼は私の攻撃を躱しながら手錠で拘束されている右手で私の左手を掴んで、私の左腕を捻りながら私の背後に回り込む。


「痛っ!?」


 突如背中に回された左腕をキメられた私は痛みで声を出すと、私の背中で腕をキメているゴジ君は申し訳なさげに耳元で囁くように言う。


「少し手荒になりますが、ご容赦下さいね!」


 そう言うとゴジ君は左手で私の首根っこを掴んだ瞬間、凄い力でそのまま私の顔を地面に叩き付けた。

 
「がはっ…!?」

 
 顔を地面に叩き付けられて怯んだ私はゴジ君の右腕と繋がっている左腕を自分の背中に回されて関節を決められながら、彼は左手で私の首根っこを押さえて顔を地面に押し付けたままでさらに左膝を私の背骨に乗せてを押さえつけている。

 

「うっ…ぐぅ…!?」

 

 逃げ出そうにも見た目以上にゴジ君の力は強く、足をバタバタとさせるだけで全く抜け出せずにそれでも無理に抜け出そうとすると腕を折られる手前まで関節を強く決められるので体動かせない。

 お手本のような制圧技であるが、おかしい……なんで彼は私の体を通過しないのよ?
 
 疑問に思って目だけを動かしてゴジ君の腕や足を見ると、彼は私に触れている手や足に武装色の覇気を纏って黒く硬化していた。


「それは……まさか“黒腕”!?」


 私の能力にも当然ながら武装色の覇気は有効であり、覇気を纏った攻撃はは私の体を通過しないのだ。

 私も武装色の覇気は使えるが、硬化なんて高度な技は使えない。
 

「それまで!ゴジの勝ちだ。」
 

 私の戦意が失せたのを見逃さなかったゼファー先生の試合終了の合図を聞いて、私は能力を解除するとゴジ君も私の上から退き、私を解放しながら片膝を付いて私に手を差し出してくれる。
 

「ヒナ中尉、ありがとうございました。そしてすみませんでした。」

「こちらこそありがとう…あっ…」

 

 私はつい差し出されたゴジ君の手を取ってしまったけど、彼はグッと引っ張って体格差のある私をあっさりと立たせてくれる。

 やっぱりこの子、凄い力持ちなのね…
 

「本当に君は強いのね。ヒナ完敗……はぁ……。」
 

 私はゴジ君からハンカチを受け取って、ゴジ君の目線から初めて頬から血が出ている事に気づき、頬の傷を拭いながら試合を思い返しているとゼファー先生が近づいてきた。

 ゴジ君は強い……だから私のような女が相手では手を抜いて戦っても当然だと思うとこれまで男にも負けないように鍛錬を重ねてきた己が惨めで虚しくなる。


「ヒナ、ゴジに手を抜かれてると感じたのならそれは間違いだぞ?」

「えっ!?先生だって……ゴジ君はわざと私の能力に?」


 ゼファー先生の言葉を疑うわけではないが、それならば彼は黒腕が使えるにも関わらず、わざと私の能力を受けたのだ。


「ヒナ、お前はゴジが子供だからさっさと拘束して力づくで制圧してやろうと考えてなかったか?なぜクザンを倒したゴジの力を警戒して能力を駆使しつつ間合いを取って戦わなかった?」

「あっ……!?」


 慌ててゴジ君を見ると彼はゼファー先生の言葉にうなづいて同意する。


「俺はヒナは中尉がオリオリの実を使って間合いの外から攻撃されたら厄介だと感じてましたが、あえて自分から間合いを詰めてくれたヒナ中尉の能力を逆に利用させて貰いました。ロックされたら互いに離れられないので。ヒナ中尉の決めゼリフが聞けて興奮しちゃったのは謝りますが、俺は単純な力比べなら爺さんにも負ける気はないので。」


 衰え知らずの筋肉を持つゼファー先生よりも力があるなんて聞いてないわよ……違うわ……その可能性を考えもしなかった私の落ち度ね。

 オリオリの実の能力で腕を鋼の檻に変えて伸ばしたりすることも当然可能で相手と距離を取って戦うことも可能なのだが、相手はゴジ君を見て所詮子供と見た目(・・・)で判断した。


「ははっ……な〜んだ。ゴジ君が子供だからって舐めたのは私の方……じゃあ、ゴジ君は全力だったの?」


 所詮女と侮って手を抜いて訓練に付き合ってくれた同期や、これまで拿捕してきた海賊達と同じように無意識にも手を抜いてたのは私だったのね。


「もちろん。ヒナ中尉と戦えて嬉しかったです。貴女に認めて貰うチャンスに手を抜くなんて有り得ません。」


 訓練生時代、いつも厳しかったゼファー先生と同期のスモーカー君だけは私を女ではなく一人の海兵として接してくれていた。

 それは目の前の小さな紳士も同じだった。


「全く……そのままいい男になりなさいよ。ちゅっ!」
 

 私はゴジ君に近づいておデコに軽くキスをする。


「へっ?」


 彼はびっくりした顔をして頭をあげるので、すかさず彼のおデコに軽くデコピンする。


「約束のご褒美よ。ゴジ君、じゃあね!」
 

 キスは私と真剣に戦ってくれたゴジ君へのお礼と彼を子供と侮っていた事への謝罪のつもりだったが、デコピンは終始余裕で海軍中尉の私をあっさりと倒してくれたゴジ君への意趣返しである。


「ふふっ…照れちゃって可愛いわね。ヒナ満足!」

 
 両手でおデコを押さえて顔を赤らめたまま放心状態のゴジ君を横目に見ながら、煙草を咥えて火をつけながら訓練所を後にした。
 

 ◇
 

 その日の夜、海軍本部の女風呂の更衣室で服を脱いでいると、私は今朝の訓練場いた新兵の女の子に出会う。

 

「うわぁぁぁ…ヒナ中尉、黒色のTバックなんですか…流石、大人の女性ですね!?」


 青い髪が特徴の元気な美少女。
 男ばかりの新兵の中にこんな子がいたら目立って仕方なかったからよく覚えている。


「あぁ…今朝の訓練生ね。違うわよ。パンツラインが出るのが嫌なのよ…」


 アインは私の下着を赤い顔をしてガン見しているが、流石に同性であっても恥ずかしいのだが、先輩としてのプライドか口には出せずに無視して服を脱いでいく。


「はい!アイン一等兵です。分かります。だから私はデニムパンツを履くようにしてます。」


 パンツラインが出るのを嫌がってこの子のようにデニム生地のズボンを履く者も多いが、私はパンツスーツと決めているので普通の下着ではラインが出てしまう。

 さらに私はオリオリの実と徒手空拳を組み合わせた戦い方をする私は普通の下着では動く度にお尻に食い込むので、動きやすいという観点からもこの下着を選んでいるのだ。

 初めは常時くい込むこの下着に違和感もあったけれど慣れてしまえば普通の下着よりも楽なのだが、唯一の難点は上下セットの下着を買うと、何故かブラの布面積も少な過ぎるところである。
 

「なるほど!私はアインです。私もヒナ中尉が素敵で憧れてました。私達も手合わせ中にヒナ中尉の決めゼリフに盛り上がっちゃってすみませんでした。」
 

 そういえば、この子達は私の決めセリフで皆盛り上がってたわね。


「もういいわよ。でもゴジ君の容姿から彼を侮っていたこと謝り損ねたわね。また会えるかしら……」

「あぁ…それならすぐに言ってあげて下さい。」

「ん?」
 

 私はアインが言ってる意味が分からずにお風呂場の扉を開けると、すぐにどういう意味か分かった。
 

「なんでいつもいつも婆さんに洗われにゃならんのだ。ガキじゃねぇんだから一人で洗えるよ。」

「なら、女風呂(ここ)じゃなくて男風呂(あっち)に行きな。」

「ワァーイ…婆サンニ洗ッテモラエテ嬉シイナ。」

「えらく棒読みだね…ったく、ほら、ゴジ。泡を洗い流すから目を閉じな。」
 

 海軍本部唯一の女性中将にして“大参謀”と呼ばれるおつるさんは泡まみれになって強く目を瞑っているゴジ君の頭からお湯を掛けて泡を流してあげている。

 何これ?
 

「ふぅ〜サッパリした。ほら、次は婆さんの番だぞ。背中流してやるからあっち向けよ。あっ!ヒナ中尉、こんばんは。裸もやっぱり綺麗ですね…この婆さんとは大違い…」

「煩いよ。私だって10年前は…」

 

 続いておつるさんの背中を流そうとしているゴジ君が私に気付いて笑顔で挨拶してくれた後、何事もないようにゴジ君はおつるさんの背中をスポンジで擦りながら仲良く軽口を言い合ってるその姿はおつるさんには失礼ながら孫と祖母にしか見えない。
 

「はっ…40年前のまちが…(スコーン!)いでっ!何しやがんだよ!」

「一言多いんだよ。あんたは!」

「「「あはははっ!」」」
 

 ゴジ君の要らない一言でゴジ君に背中を洗われているおつるさんは無言で風呂桶を後ろに放り投げるとそれがゴジ君の顔にヒットし、彼は顔を押さえて風呂場で悶絶している。

 それを湯船に入ったり、体を洗ってる女海兵達が笑いながら見てる。

 

 あれ?ちょっと待って…当たり前のようにゴジ君がいるけど、ここって女風呂よね?

 私がおかしいのかしら…ヒナ疑問… 
 

 
後書き
次からまた三人称に戻します。 
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