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最期の祈り(Fate/Zero)

作者:歪んだ光
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始まりの一歩

 
前書き
はじめまして。今回初めて小説投稿する『歪んだ光』です。
携帯投稿のうえ、文章も拙いですが、よろしければ、この小説とお付き合いを…… 

 
泣かないで……切嗣。
例え、誰もが貴方を否定しても、私は……
泣かないで、切嗣。
例え、夢に裏切られても、貴方は何かを救ったのだから……
泣かないで、切嗣。
貴方は、●●を救え無かったけど、私は……

泣かないで、切嗣。
……だから、笑って、幸せになって。



「……さん、おい、爺さんってば」
士郎の声で夢から引き戻られた。
「そんな、とこで寝てたら風邪引くぞ」
「ああ、いや……大丈夫だよ……」
彼は、先の聖杯戦争(災害)で僕が「唯一」救い出せた子供だ。
「……子供の頃、僕は正義の味方に憧れてた」
そう、結局あの頃から少しも大人になれなかったのだろう……
「何だよソレ、憧れてたって……諦めたのかよ?」
「うん。残念ながらね」
多くを救うと言う正義を掲げながら、「唯一」人しか救えなかった。結局は「正義」の味方にもなれなかった。
「そっかぁ、それじゃあしょうがないか」
本当にしょうがない。
空を見上げる。そこには、いつか、アイリと見た、銀色の月が浮かんでいた。
「しょうがないから、俺が代わりになってやるよ」
時間が止まった。まじまじと士郎の顔をみる。
……かつて、僕が問われたとき、応えられなかった「答え」。そこにあったのは、銀の光に照らされた貴い「理想」。
「……ああ」
士郎なら、大丈夫だ。少なくとも、僕のように「夢」に嘆くことは無い。だから……
「安心した」


そして、一人はこの世を去った。しかし、気高き光に当てられた男の歩みは、誰にも知られず、また開始された。
「私は、貴方のおかげで、人になれた。人形の哀しみから解き放ってくれた。だから」
「私は、切嗣を幸せにし(救って)てみせる」
たった一人、彼を愛した者を除いては。 
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