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イベリス

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第十六話 ゴールデンウィーク前にその十二

「もうね」
「共産主義かどうか」
「違うって思うのよ」
「そう言われると」
 咲も思った。
「あの国はね」
「共産主義でもないでしょ」
「そうね」
 従姉のその指摘に頷いた。
「また別の国ね」
「封建主義でしょ」
「そうした国ね」
「今時珍しいね」
「二十一世紀なのに」
「しかも神権政治よ」
「将軍様が神様の」
「そうしたね」
 まさにというのだ。
「とんでもない位の」
「神権政治も共産主義にないわね」
「そのことからも考えてね」
「北朝鮮は共産主義国家じゃないのね」
「今咲ちゃんと話して確信したわ、あの国絶対に共産主義じゃないわ」
 例えで共産主義でも最悪の国として出したがというのだ。
「神権政治で収めてる封建国家よ」
「今時珍しい」
「しかも中が滅茶苦茶なね」
「食べるものがなくて軍隊ばかり強い」
「そんなね、将軍様だけ贅沢三昧の」
 国民は餓えていてというのだ。
「漫画の悪役みたいな国ね」
「漫画ね、確かにね」
「有り得ないからね」
「絵に描いた様な悪役国家ね」
「だから共産主義ですらね」
「ない国ね」
「だから取り消すわね、まあ兎に角採算が取れるかどうか」
 このことはというのだ。
「かなりね」
「大事なことね」
「お店やっていくうえでね」
「そうなのね」
「採算が取れないなら」
 それこそというのだ。
「お店潰れるからね」
「やっぱりそうよね」
「どれだけ品揃えがよくて店員さんのサービスよくて場所もよくて安くても」 
 それでもというのだ。
「採算が取れないとね」
「お店潰れるのね」
「それで生きることもよ」
 店の収益で生活の糧を得てというのだ。
「出来ないわよ」
「それが今の日本ね」
「そしてそうした仕組みが嫌ならね」
「共産主義ね」
「何とか金融道とか何とかガンボね」
「あっ、私どっちも大嫌いだから」
 先は愛が今言った二作品がどういった作品か瞬時に察して答えた。
「キャラも世界観もストーリーも主張も絵も」
「全部嫌いね」
「汚いから」
 まさに全否定の言葉だった。
「何もかもがね」
「だからなのね」
「どっちもちらっと読んだけれど」
 それでもというのだ。
「もう二度とね」
「読みたくないのね」
「変な考えの人が捻くれて描いたみたいだから」
 そうした漫画だからだというのだ。
「読まないわ」
「この二作駄目ならよ」
 それならとだ、愛は答えた。 
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