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イベリス

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第十五話 慣れてきてその十二

「安心してね。遊びもカラオケとかだしね」
「カラオケね」
「そこで歌ってお酒飲んで」
「そうしたことだけね」
「他にはゲームセンター行ったり」
「それ位ならいいわ」
 母はここまで聞いて述べた。
「お母さんも」
「それじゃあね」
「いいわ、ただね」
「ただ?」
「愛ちゃんはやっぱりね」
 少しやれやれとなりつつ述べた。
「もっとファッションが真面目だったら」
「よかったっていうのね」
「お母さんもお父さんもどうかってなってないわよ」
「人は外見じゃないって言ってるのに」
「それでも派手過ぎだからね」
 そのファッションがというのだ。
「やっぱり思うのよ」
「偏見は駄目でも。それに親戚なのに」
「けれど色々思うことはね」
 このことはというと。
「あるのよ」
「そういうことね」
「そう、けれど今のあんたのお話でね」
「お姉ちゃんへの認識変わった?」
「ただ派手なだけじゃないのね。ゴールデンウィーク愛ちゃんと遊ぶ時は」
 その時のことも話した。
「愛ちゃんと一緒にね」
「楽しんでくればいいわね」
「愛ちゃんと一緒に遊んで」
 そうしてというのだ。
「遊び方を教わるのもいいわ」
「遊び方っていうのもあるの」
「あるわよ、遊んでも楽しんで」
 そうしてというのだ。
「溺れないことよ」
「溺れる?」
「そうしたことも教わったらいいわ」
 愛、彼女からというのだ。
「いいわね。じゃあ晩ご飯をね」
「今からね」
「カレー作ったから」
 夕食はそれでというのだ。
「今から温まめるわ」
「ええ、じゃあね」
「食べましょう」
「うん、それで何カレーなの?」
「シーフードカレーよ。あんたも好きでしょ」
「カレー自体好きだけれど」
 それでもとだ、咲は母に笑顔で応えた。
「シーフードカレーは特にね」
「だったらね」
「今から温めて」
「食べましょう」
 母はソファーから立った、そうしてだった。
 二人でカレーを食べた、そのカレーも実に美味かった。


第十五話   完


              2021・5・15 
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