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それから 本町絢と水島基は  結末

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13-⑷

 8月になって、最初の土曜日、朝早く、島に向かった。モトシが港まで迎えに来てくれていた。だけど、彼は、潜りに行くと言って、民宿まで一緒に行ってくれたけど、そこで、別れた。

「おばさん こんにちは 何から、手伝えば、いい?」

「おはよう 朝から、ありがとうね 本当にきてくれたのー ×××・・」

最後は、何いっているのか、聞き取れなかった。

「おばさん 私、着替えたいんだけど、奥でいい?」

「いいよ そこの右っかわが、私等の部屋だから 先に、[あ]と[た]の部屋のシーツと枕カバー、はがして洗ってくれるか―」
 
 ここは、10室あって、1階が4室、2階が6室ある。1階が[あ][か][さ][た]、2階が[な][は][ま][や][ら][わ]。だけど、もう、独りでは大変なので、2階は使ってなかったらしい。でも、今日は私が来るので、今晩の人を2階にも泊めるらしい。今晩は、もう2組が来る。

 洗濯物を2階のデッキに干していた時、私も、ここを借りよって思っていた。なんか、あそこ、草だらけだし、道路からも近いし嫌だ。お客さんの布団も用意して、下に降りてゆくと

「絢ちやん ご飯食べよ ×××・・よぅ」おばさん、言ってくれたけど、聞き取れない。

 配膳の机らしき上には、イカのお刺身が少しと、ラッキョウの漬けたの、巻き貝みたいなものの汁ものとご飯。

「おばさん イカがコリコリしておいしー お米もおいしいわー」

「そうかい たくさん、お食べ」と、嬉しそうな笑顔だった。

「おばさん 私、お昼はあんまり食べないから、忙しいのに、用意してくれなくても良いですよ。おにぎり1コ、自分で作ります」

「そんな 若いのに おにぎりって×××  ×× 言葉が解らないだろうから、気をつけて話してるのだけど」

「いいんです なんとか、わかるようになりますから 気を使わないでください」

「絢ちゃんは、良い娘だね 来てくれて、本当に、良かった。ご飯、食べたら、夕方まで、時間あるから、散歩しといで」

 私、少し、ウキウキしていた。近くの食品店でアイスクリームを買おうと入って行った。

「観光の人かい」って聞かれて

「私、そこの民宿で働いているんです。10月から、ここに、住むのでよろしく、お願いします」

「本当かい こんな美人が来るなんて、うれしいねぇ」

 私は、海辺に行って、食べながら、だんだんと実感が湧いてきていた。海の色がきれいで、キラキラしている。私は、ここで暮らしていくんだと覚悟した。

 戻ると、おばさんは、夕食の準備を始めていた。

「ごめんなさい 私、何をやればいいですか」

「そこの佃煮と漬物、入れて、その横に置いてある器。11コよ」

 手際よく、次々にお料理をおばさんは作って、私は盛り付けて行った。そのうち、宿泊の人が来たりして、みんな、おばさんに挨拶をしてきた。馴染みのお客さんみたいだった。

「おばさん 今日も世話になるね こんなかわいい娘、誰?」と、みんなが言っていた。

「うちの孫だよ 島内で一番、美人なんだからね うちで働いてくれることになったよ 手出したらダメだよ 」と、言っていた。

「えぇ そうなんか じゃぁ もっと、来るようにしなきゃぁな 楽しみが増えるよ」

 夕食の片づけを終えて、私達もご飯を食べていたら、裏口から、モトシが顔を出した。

「あっ モトシ」私が言うと

「やっぱり、あんたかい、最近越してきたって言ってたからね。多分、そうだと思っていたよ。よく働くし、美人だし、こんな娘をよく見つけたね」

「はぁ 大切にします」

 私達は、海に向かって歩いていた

「モトシ ご飯は?」

「うん 食べたよ」

「ねぇ ちゃんと、食べてる? カップラーメンばっかり、置いてあったけど なんか、越す前より、乱れているみたい。ウチ 男の人の部屋って、あんまり知らんけど・・なぁ 洗濯機買うわ そーしたら、ウチが来た時、まとめて、洗濯するし 今、手で洗ってるんやろー そーしょ」

「うん だけどな 絢に負担掛けるの悪いしなぁー」

「なに、ゆうてんのー ウチはあなたの妻なんですもの、当たり前やん エヘッ 一回、言ってみたかってん」

「そうか 頼りにしてるわ」
 
「大丈夫や それとな、土曜の夜はウチも居てるし、あそこでご飯食べてーな おばさんには、ウチから、ゆうとくし ちゃんと、食べてるか、心配やねん」

「うん、わかった 絢が作ったものなら それより、絢がうちに、泊ればどうなん」

「うん でもな 結婚前やし、余計なこと言われるのって嫌やしな もう、少しやん 結婚したら、その分、可愛がってな あー 茜が男の子産まれたって 幸せそうに言ってたよ」






 

 
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