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愛すべき蜂

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第一章

                愛すべき蜂
 スコットランド在住のフィオナ=プレリー茶色のショートヘアで緑の目に赤い縁の眼鏡をかけている彼女の趣味はガーデニングである。
 その彼女がある日家に仕事から帰って来た夫のキャノンブロンドの髪を短くしている青い目の彼にだった。
 ある生きものを見せてこう言った。
「この子拾ったの」
「蜂か」
 夫は水槽、水の入っていないやや小さなそれの中にいる蜂を見て言った。
「それもあまり大きくないな」
「調べたらマルハナバチらしいわ」
「その種類の蜂か、羽根がないな」
「何かこうした蜂もね」
 その羽根のない蜂を見て話した。
「ごく稀にウィルスのせいでいるらしいのよ」
「蜂で飛べないなら生きていけないな」
 夫はすぐに言った。
「もうな」
「そうよね、だからね」
 それでとだ、妻は夫にさらに話した。
「私この子を育てようと思うの」
「蜂だから刺されないか?」
 夫はこのことを心配した。
「気をつけてくれよ」
「刺されたら危ないしね」
「何度も刺されてると小さな蜂でも命に関わるんだ」
 そうもなるからだというのだ。
「それでな」
「余計によね」
「ああ、気をつけてな」
 そしてというのだ。
「世話してくれよ」
「見ていたら情けが湧いたの。砂糖水やシロップをあげてね」
「そうしてか」
「育てていくわね」
「ああ、そういえば今日さっきまで嵐だったな」
「そのこともあってお家の中に入れたし」 
 このこともあってというのだ。
「これからはね」
「その子をか」
「ガーデニングをしながら」
 趣味のそれをしつつとうのだ。
「育てていくわね」
「そうか、頑張れよ」
「ええ、虫も命だからね」
「命あるものは大事にしないとな」
「どんな生きものでもね」
 二人で話してだった。
 フィオナは羽根のない蜂を水槽の中に入れて育てだした、餌は砂糖水やシロップでそれをあげつつ。
「名前も決めたか」
「ビーにしたわ」
「蜂だからだな」
「ええ、そうしたわ」
 家で夫に話した。
「名前はね」
「名前も決めたんだな」
「やっぱり名前もないとね」 
 妻は夫に笑顔で話した。
「そう思って」
「それでだな」
「決めたわ、それでお庭にもね」 
 そこにもというのだ。
「ビーの居場所を作ったわ」
「水槽の中だけじゃなくてか」
「ずっとその中にいても狭くて可哀想だから」
 それでというのだ。
「お外にもいられる様にね」
「したんだな」
「そうしたの」
 まさにというのだ。 
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